13インチMacBook Proといえば、均整なアルミのボディーに、デジタルライフを楽しむための機能をギュっと詰め込んだプロダクト。国内でも人気が高くて、「初めてのMac」として選ぶ人も多いです(Apple Storeで見る)。
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本連載「目指せ快適! MacBook Pro長期レビュー」では、本体の見所や併せて使うと便利な周辺機器、覚えておくと便利なソフトの設定方法など、MacBook Proをより楽しく使うための情報を提供していきます(連載の目次)。
12月といえば、そう、ボーナスの時期。今年は少なかった? そうお嘆きなさるな、世にはボーナスとはまったく無縁の存在もいるのだから。私のように……。
というわけで(!?)、今回はゲストにバッファローのNAS(Network Attached Storage)「LinkStation LS-XH1.0TL」を招いて、MacBook Proで使う意義を考えてみたい。
Time Capsuleのコンセプトには同意、しかし……
MacBook Proは、家中どこでも気軽に持ち運べるというのがメリットだ。その特性を損なわないように大容量外部ストレージを探していくと、おのずとNASにたどり着く。
Time Capsule。1TBモデルが2万9800円、2TBモデルが4万9800円だ
データ転送速度が速いFireWire 800やUSB 2.0という選択肢もあるが、NASなら無線LANでつなげるモデルもあるので、家のどこにいても必要なデータにアクセスできる。その便利さは何にも代え難い。この点については、「Time Capsule」という斬新なデバイスを世に問うたアップルも同じ考えに違いない。
しかし、Time Capsuleはいくつかの点で「惜しい」。IEEE 802.11nに対応する無線LANステーションとしての機能、Macに合わせた筐体デザイン、最大2TBという容量とUSB 2.0による拡張性はいいのだが、やはりコンセプトは(Windowsでも使える)Macの補助装置。映像や音声を配信する機能はないし、デジタル家電とも連携できない。
そこでプラスαなデバイスはないものかと物色したところ、目に止まったのがバッファロー製NAS「LinkStation LS-XHL」シリーズだ。
機能面は、iTunes対応の音楽共有(DAAPサーバ)に加えて、外部ネットワークから自宅のNASへアクセスできるウェブアクセス、内蔵のDLNAサーバーによる薄型テレビ東芝REGZAシリーズとの連携といった具合に充実している。さらに、1TBモデルの実売価は、同じ容量のTime Capsuleを下回る。
無線LANが付いていないのは残念だが、そこは手持ちの無線LANルーターにつないで使えばいい話。これは試すしかない!
LS-XH1.0TL。NASは「ネットワーク経由で利用する大容量記憶装置」だが、このLinkStaionにはプラスαがある。MacではMac OS X 10.3.9以降に対応。なお無線LAN機能は備えていないので、ワイヤレスでつなぐには別途、無線LANルーターが必要
セットアップはカンタン至極
背面にはEthernet端子を用意。USB端子もあるが、パソコンとのデータ転送用ではなく、同社のHDDをつなぐ際に使う
今回利用した「LS-XH1.0TL」は、1TBのSATA HDDを搭載。1000BASE-T(Gigabit Ethernet)に対応しており、最大で毎秒66MBというデータ転送速度を実現したのがウリだ。これは毎秒40MB程度が一般的なUSB 2.0接続を上回る。ハブなどの集線装置もGigabit対応であるならば、そのメリットを享受できるはず。
セットアップはとてもカンタンだ。付属のCD-ROMをマウントし、アプリケーション「LinkNavigator」を起動して、画面の指示通りに作業を進めればOK。配線も図示してくれるので、ノート型MacのAirMacをオフにしたまま作業に着手するような粗忽者(私です)でない限り、きちんとLinkStationが検出されるだろう。
親切丁寧なセットアップユーティリティ
配線に問題がなければ、このように検出される
iTunesのサーバーとして使う
このLinkStation、こちらで公開中のソースコード一覧からわかるとおり、OSにLinuxを採用する立派なPCだ。ここでオープンソースの是非を論じるつもりはないが、ユーザーコミュニティーの間で熟成されたソフトウェアも十分な堅牢性を持つことは、これだけLinuxやBSDベースのサーバーが普及していることからして明かなはず。
iTunesがライブラリの共有に用いる「DAAP」(Digital Audio Access Protocol)は、仕様が公開されていないアップルのプロプライエタリ(専属的)なプロトコルである。しかし、オープンソースコミュニティーによって解析が進められた結果、互換性のある「mt-daapd」※が公開された。このmt-daapdこそが、LinkStationがiTunesのメディアサーバーとして機能する理由だ。
※現在の開発はFireflyプロジェクトに引き継がれているが、LinkStation LS-XHLシリーズに使用されているのは「v0.2.4」という古いバージョンだ。
小難しい前置きとは反対に、セットアップはカンタン。ブラウザでLinkStationの管理画面にログインして、楽曲を保存しておくための共有フォルダーを作成。その後「その他」タブでメディアサーバー機能を有効にすればOK。
あとはMacBook Proで共有フォルダーをマウントして、そこに公開したい楽曲をコピーしよう。しばらく待つとメディアサーバーのデータベースが更新されて、iTunesの「共有」に現れるという流れだ。
これ以外にも、iTunesライブラリをLinkStation上に置いてしまう方法がある。「Option」キーを押しながらiTunesを起動し、新規ライブラリをLinkStation上に作成して、楽曲をそこにコピーする。
無線LANを主体に利用する場合、再生途中で音が途切れる可能性はあるが、MacBook Proの内蔵ディスクを身軽に保つにはこの方法もアリだろう。
共有フォルダを作成後メディアサーバー機能を有効にすれば、iTunesの「共有」に現れる
iTunes同士の場合とまったく同じ感覚で共有できる
自宅サーバーとして使う
もうひとつ、LinkStationには自宅サーバーとして使える「Webアクセス機能」がある。こちらもメディアサーバ機能と同様、「その他」タブで設定すればOKだ(具体的な手順はこちらを参照)。試しにiPhoneからアクセスしてみたところ、問題なくファイルブラウズできた。
この通り外出先のiPhoneからアクセスできる。もちろんMacBook ProもOKだ
Time Machine用の領域としても利用できる
今回は時間不足で試すことができなかったが、DLNA機器とともに利用できるということで、対応する薄型テレビやHDDレコーダーを所有している場合にはさらに使い方が広がるはず。
秋ナスは美味いが「飽きNAS」は食えぬもの……。パソコンだけでなく、デジタル家電と組み合わせるなどして「飽きない」ように使ってこそのデバイスだと考えるが、いかがだろう。
※次回は1月5日(火)掲載予定です
筆者紹介──海上忍
ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。