第1回 “福岡空港”ですぐ使う、Windows 7搭載「VAIO P」と通信環境
小型軽量のミニノートPC「VAIO P」を携帯すると何が便利か。九州地区における空の玄関口“福岡空港”で、福岡在住の筆者がVAIO Pとサービス開始間もないモバイルWiMAX通信を検証する。
ぶらりと訪れた“ある街”で使う「VAIO P」
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/0911/26/news022.html
ソニー「VAIO P」。Windows 7を搭載するVGN-P72K/Wの価格は約11万円となる モバイルノートPCを買ったなら、“常に”持ち歩いていろいろな場所で使いたい。携帯電話やスマートフォンは普段から使用しており、たいていはこれだけで済んでいたが、最近は「この作業はPCの方が効率がよい」「ここにPCがあったなら」という場面も増えてきた。
このようなスマートフォン以上ノートPC未満のニーズを満たす、常に携帯できる軽量マシンとして今回導入したのは、ソニーのミニノートPC「VAIO P」(VGN-P72K/W →価格を調べる)だ。本機は2009年PC秋冬モデルとして、32ビット版Windows 7 Home PremiumとAtom Z520(1.33GHz)の組み合わせに、1600×768ドットの8型ウルトラワイド液晶ディスプレイ、64GバイトSSD、ワイヤレスWAN(FOMAハイスピード)、IEEE80211b/g/n準拠の無線LANなどを実装する。
この小型軽量PCを、どう便利に活用するか。福岡県福岡市のさまざまな場所へ「VAIO P」を持ち出してみよう。
福岡空港で、サービス開始間もない「モバイルWiMAX」を試す
福岡県近辺のモバイルWiMAXサービスエリア(2009年11月現在) 2009年9月末より、福岡県内の一部エリアでもモバイルWiMAXサービスが始まった(対応エリアとなった)。当初は福岡市内のごく一部のみだったが、2009年11月現在、サービスエリアは北九州市や久留米市などの九州地区周辺にもじわじわ広がってきている。
それならば、福岡の空の玄関口である福岡空港ではどうだろう。モバイルWiMAX回線を無線LANで共有できるモバイルWiMAXルータ「AtermWM3300R」とともに通信環境や使い勝手を検証した。
JR博多駅にもほど近い、福岡市博多区にある「福岡空港」。空港なので、ターミナルの全域でいくつかの公衆無線LANスポットを利用できる
VAIO Pのメリットは(すでに語り尽くされてはいるが)やはりこの小型サイズだろう。テーブルに置けない場合には、ヒザに置いても重さで不快に思うことは少ない。携帯電話やスマートフォン、あるいは手帳のように使いたい時にさっと取り出して使えるギリギリのサイズといえ、これ以上大きいと「遠慮」や「面倒」など心理的な抑制が生じがちである 空路福岡に来た人がまず降り立つのは到着ロビー。ビジネスユーザーや旅行客、出迎えの人などで常にごった返している。第1から第3ターミナルの各到着ロビーには到着ゲートのすぐそばに休憩スペースが用意されているが、この到着ロビーをはじめ、搭乗待ちなどに利用する出発ロビーなど空港内の数カ所で「FREESPOT」による無料公衆無線LANサービスのほか、ターミナルの全域でNTTドコモの「Mzone」やUQコミュニケーションズの「UQ WiFi」といった複数の公衆無線LANサービスを利用できる。
ともあれVAIO Pでメールチェックだ。ここはノートPCを快適に使用するためのテーブル付きスペースがそもそもあまりなく、テーブルが円形なので使えるスペースは意外に少ない。それでも運良くテーブルが空いていればよいが、普通のノートPCをヒザに置いて小一時間ほど作業するとなると、窮屈さとともに、重さや発熱による暑さで不快になることもある。
この点、小さく軽いVAIO Pはそこがほとんど気にならない。また、よくある普通のモバイルノートPCは、人がたくさんいたり、スペースが狭かったりすると「遠慮」や「面倒」が生じてしまいがち。手帳や携帯電話を取り出すようなイメージで気軽に使えることは、心理的にも「より便利に活用する」ためのメリットになる。
福岡空港、モバイルWiMAXの“入り具合”は
今回の通信環境に選択した、モバイルWiMAX対応無線LANルーター「AtermWM3300R」。小型ボディでバッテリー駆動し、WiMAX回線を無線LANで共有できる機能のほか、WiMAX電波チェッカーとしても機能するのが便利だ(→価格を調べる) さて、(通信手段は先に述べた無線LANでもいいのだが)モバイルWiMAXの“入り具合”はどうだろう。接続ユーティリティを見ると電波は受信しているようだが、出入り口のすぐそばで試したにも関わらずあまり感度がよくないようだ。一度接続が成功すれば安定するが、接続がうまくいかずに再試行を繰り返す挙動が数回見られた。少し入り込んだ屋内で接続がうまくいかない場合は、窓際に移動したり、いっそのこと屋外に出て試すと接続が成功する場合が多い。よくあるノートPCだとこの行為はほどよく面倒だが、片手で持つのも苦にならないVAIO Pなら、思いのほか活動的になれてしまう。
通信速度の実測値は、安定して下り3.5M~3.8Mbpsほど出ていた。首都圏でも平均実測値は下り3M~5Mbpsほどのようなので、今回の測定結果から考えると福岡空港でも首都圏と同程度の感覚で利用できるといえそうだ。ちなみに第2ターミナル休憩所のほか、第1~第3ターミナルのUQ WiMAX対応エリア(電波が入る場所)でランダムに10カ所ほどで測定したが、違いはほとんどなかった。もっとも、建物の奥、あるいは柱や壁などの遮へい物が多い場所だと満足に通信できないことがあるのは、2009年11月現在、どの地区もだいたい同じ傾向である。
なお今回は、モバイルWiMAX環境にUQ WiMAXの1日利用プラン「UQ 1 Day」(600円/24時間)を使用した。(サービスエリアがまだかなり限られるモバイルWiMAXにおいては特に)例えば飲食施設に入ってから「使用できない」ことが分かると、大変悲しい思いをすることになる。“店へ入る前”にさっと取り出して、立ったまま片手でも楽に扱えるVAIO Pは「ワイヤレスWANチェッカー」としてなかなか重宝する。
蛇足だが、今回一緒に利用したAtermWM3300Rは単体で「WiMAXチェッカー」にもなる(本体に備えるLEDで電波状況が分かる)。モバイルWiMAX対応機器はUSB接続タイプの端末が手軽で安価だが、PCに何も接続しなくてもよい仕様の本機は(モバイルWiMAXモジュール内蔵モデルでない)VAIO Pの持つ“優れたモバイル特性”をさらに引き出してくれるので、なかなかお勧めだ。
AtermWM3300RとUQ 1 Dayにおけるデメリットは、UQ 1 Dayの契約と認証手続きにかかる手間と時間が必要であること。UQ 1 Dayの契約はクレジットカードが必要(ただ、初回利用日の翌日から30日間はユーザー情報やクレジットカード番号の入力なしで24時間利用権を購入可能)で、新規手続きから利用可能になるまで約5分、24時間利用権の購入だけなら約3分ほど手続き時間によるロスが発生する。このほか、普段は無線LANでモバイルWiMAX回線を共有できるAtermWM3300Rも、UQ 1 Day(などのモバイルWiMAXサービス)契約はPCとUSB接続して行う必要がある。これらは「いざ、すぐ使う」となるとかなり面倒な作業なので、よくPCを利用する場所がサービスエリアであり、かつより快適に使うならほぼ作業なしに接続できるUQ Flatなどの月額定額プランに加入しておくとよいだろう。
第2ターミナル休憩所で計測したUQ WiMAX(AtermWM3300+IEEE802.11g接続 画像:左)とイー・モバイル(EMONSTER+インターネット共有 画像:右)の下り速度。測定タイミングによって速度がややばらつくイー・モバイル接続に対し、モバイルWiMAXはきちんと接続できる場所ならば速度は安定する傾向だ
有料ケータイ充電器で、AC100ボルト電源も使える
携帯電話の充電以外に、AC100ボルトプラグ(いわゆる家庭用コンセント)も備える「有料充電器(電源プラグ)」も施設内に計6か所設置されている。このほか、いくつかの飲食施設では電源の利用も可能なので使用の可否を確認してみてほしい 最後に、出先で少し長めにPCを使用する場合は思わず「電源」を探してしまう……ことがある。VAIO Pは標準バッテリーで最大約4時間駆動するが、それ以前の電車移動時や他施設、営業先などで使用していたならその分バッテリー残量も減っていることになる。
この場合、通常なら電源利用が可能な飲食施設に入るのが簡単だが、福岡空港には公衆電話の周辺に「有料充電器(電源プラグ)」も設置されている(もちろん福岡空港だけではないと思う)。この手の充電器は携帯電話のみ対応と思っていたが、AC100ボルトの家庭用プラグも利用できる。料金は200円/20分で、PCのバッテリー充電中はその場から動けなくなるのが難点といえるが、バッテリー切れで困ったら最後の手段としてこういう機器もある──と覚えおくといざというときに安心だ。
(続く)
次回は、博多駅へ移動してVAIO Pの小型ボディをより堪能してみることにしよう。