何がいる? どう使う? WiMAX入門!
今話題の無線データ通信技術「WiMAX(ワイマックス)」をご存知でしょうか? WiMAXとは無線LANの技術をベースにしながら、街全体をカバーするような広い範囲で高速通信を実現する期待の技術です。国内でも、この7月からUQコミュニケーションズなどがサービスを開始しており、対応の通信機器もリリースされています。高速のモバイル通信速度用としてはもちろん、光ファイバーやADSLの代わりに自宅用回線として活用できる能力も備えています。
http://kakaku.com/magazine/0908wimax/
このページでは、そんなWiMAXについて基本から解説し、WiMAXモジュールを内蔵する最新のノートPC製品まで紹介します。
インテルのWiMAX通信モジュール「WiMAX/WiFi Link 5150(Mini Card)」。とても小さなサイズながら、WiMAXに加えて従来の無線LANのモジュールも兼ね備えている
日本に上陸したてのWiMAXって、いったいどんなもの?
WiMAX(モバイルWiMAX)は、無線LANを応用した無線データ通信技術で、日本のほかアメリカやカナダ、台湾、中国、韓国、イギリス、ドイツ、フランスなどの国々で普及が始まっている。現在使われている無線LAN(Wi-Fi)と比べて以下のようなメリットがある。
通信距離が長い
WiMAXの規格は、公衆無線LANと比較すると、通信できる距離が長い。基地局1つがサポートするエリア(サポートレンジ)は大体半径2km程度で、せいぜい100mが限度のWi-Fiに比べると圧倒的に長い距離で通信できる。また、サポートレンジが広いうえ基地局を切り替えることも可能なため、電車や車など移動しながらの通信にも強い。そういう意味では、無線LANというよりも携帯電話などのデータ通信サービスに近いといえるだろう。
スピードが速い
モバイルWiMAXの最大転送速度は75Mbpsとなっており、公衆無線LAN規格より高速だ。今のところ商用サービスでは理論値で下りで40Mbps、上りで10Mbpsだが、現状、実際の速度も、下りで10Mbpsは十分に期待できる、また上りの伝送速度も2~3Mbpsは出るだろう。データをアップロードするときに必要な上りの速度も速いので、大きなファイルのメール添付やオンラインストレージ経由でやり取りするときでも、速度に不満を感じる機会はずっと少なくなるだろう。
WiMAXモジュールは、PCからは「ネットワークアダプタ」として認識される。一般にモデムとして認識されるデータ通信カードと比較すると、ほかの増設機器のドライバ類とコンフリクトを起こす可能性も低く、より安定したデータ通信が行える。そのため、家庭用の常時接続回線としても使いやすい
ほかの無線データ通信サービスと何が違うの?
現在の公衆無線データ通信サービスには、IEEE802.11a/b/g/nなどの無線LANを使った「HOTSPOT」などのサービスや、携帯電話やPHSの電波を使ったデータ通信サービスがある。これら既存のサービスに比べた利点をUQコミュニケーションズのWiMAXサービスを例にして比較してみた。
主要無線データ通信の比較
WiMAX(UQ) 無線LAN(HOTSPOT) 携帯電話(NTTドコモ)
データ通信速度(理論値) 40Mbps(下り)/
10Mbps(上り) 54Mbps(上下ともに)
IEEE802.11a/gの場合 7.2Mbps(下り)/
5.7Mbps(上り)
※FOMA HIGH-SPEED
(一部機種)の場合
サポートレンジ ~2km ~200m ~3km
サポートエリア 首都圏・名古屋・京阪神
※拡大中 駅・空港・カフェ・ホテルなど 全国
導入コスト 通信カード代:1~2万円程度
通信初期費用:2,000~3,000円程度 通信カード代:数千円程度
通信初期費用:1,500円 通信モジュール代:1万円程度
(L-05Aの場合)
運用コスト 4,500円程度/月 1,680円/月 2,000~10,500円/月
※別途プロバイダ代が必要
備考 2009年度末に、政令指定都市と全国主要都市でサービス開始予定。導入手続きは簡単 都市部など人の集まるところに強いが電波が弱いため、対応エリアは限られる。東海道新幹線などで使えるが、基本的に移動中の通信は苦手。料金は安く、導入は容易 通信エリアは広く、高速移動中の通信にも強い。ただし、料金が複雑なうえ導入するまでの準備に手間がかかる
こうして比べてみると、WiMAXのサービスは、Wi-Fiを使ったHOTSPOTよりも広い範囲で使用でき、携帯電話の電波を使ったデータ通信よりも低額で使用できることがわかる。ちょうど両者の中間という位置付けだ。現状ではまだサービスエリアが限られるが、UQコミュニケーションズでは2009年度末までに全国の主要都市や政令指定都市でサービスを開始するし、2012年度までに人口カバー率で93%までエリアを広げる計画だ。光ファイバーやADSLなどの通信インフラの設置速度と比較してもかなり急激なペースでサービスエリアは拡大する予定となっている。
どうやって使う?
WiMAXを使う方法は2種類ある、WiMAXに対応しているPCを新規で購入するか、市販されているWiMAX対応データ通信カードをPCと接続する方法だ。ここでは、UQコミュニケーションズの回線を使った場合の接続の流れを解説する。
WiMAX対応PCを購入する場合
この場合、WiMAXの通信モジュールとアンテナをボディ内に内蔵できるというメリットがある。WiMAXは既存の無線LANの発展技術とはいえ、広い帯域を複数使用するため、きちんと機能するアンテナを設置することが望ましい。その点、WiMAXモジュールとアンテナを内蔵したPCなら電波と干渉する金属を遠ざけるなど、安定したデータ通信に配慮した設計になっている。データ通信カードを使う場合より、同じ条件下であっても安定した通信を見込めるのだ。
データ通信カードを使う場合
データ通信カードなら、既存のPCに手軽に増設できる。現状、USBポート型とPCカード型、ExpressCardがそろっており、状況に応じて適したものを選ぶことができる。なおWiMAXの処理自体はPCにとってさほど重いものではないので、ちょっと古めのPCでも十分に活用可能だ。また、データ通信カードの一部にはMacintosh対応のものもあり、Macでも利用できる。
プロバイダを選ぶ
ハードウェアの用意ができたら、サービスプロバイダを選ぼう。現状では、WiMAX接続ユーティリティからアクセスできるUQコミュニケーションズの運営する「WiMAX統合ポータル」で、プロバイダを選ぶのがわかりやすい。すでに加入しているプロバイダがWiMAXに対応しているなら、前もってそちらと契約しておけばよい。
接続開始
プロバイダとの契約が終わったら、一度回線が切断される。その後、接続ユーティリティを使うことでインターネットに繋がる。
WiMAX専用の接続ソフト「Accsss Connections」で基地局を選択すると接続が開始される。プロバイダへのサインアップもこのソフトから行える
WiMAXモジュール内蔵ノートPCラインアップ
WiMAX対応モジュールを搭載したノートPCがあれば、あとはサインアップを行うだけでWiMAXを活用できるので便利だ。以下に、インテル製WiMAXモジュールを内蔵したノートPCのラインアップを紹介しよう。人気のネットブックから、ビジネスモバイルノート、大画面ノートまで、各社からさまざまなモデルが登場している。
レノボ ThinkPad T400s 2808A12
14.1型液晶を搭載する「ThinkPad T400」のWiMAX対応モデルだ。アンテナ性能に注力されており、トップカバーの一部に電波の干渉を防ぐガラス繊維強化プラスチック「GFRP」を採用したハイブリッド構造を採用している。その結果、電波の出力が向上し、USBメモリータイプのデータ通信カードと比べて、3.5dB、約2倍の感度性能を実現している。
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東芝 dynabook SS RX2/T9JMA PARX2T9JLDMA
12.1型液晶を搭載する「dynabook SS RX2」のWiMAX対応モデルだ。東芝独自の高感度マルチバンドアンテナを内蔵しておりアンテナ性能は高い。なお、記録デバイスにはHDDではなく高速なSSDを搭載しているのも特徴。重量も1013gと軽量で、衝撃に強いSSDとの相乗効果で、完成度の高いモバイルノートPCに仕上がっている。
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東芝 dynabook UX/27JBLMA PAUX27JNLBLMA
10.1型液晶を搭載する東芝のネットブックのWiMAX対応モデル。東芝独自の高感度アンテナを内蔵している。人気のネットブックでもWiMAXを活用できるのは便利。外出先はもちろんのこと、移動中、自宅などいつでもどこでもネットを思う存分活用できるだろう。
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SOTEC C204A5
ソーテックのネットブックでも、BTO対応の直販モデルでWiMAXモジュールのオプションが追加されている。ネットブックとして比較的軽量な約960gの本体と32GBのSSD搭載が特徴だ。
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ソニー VAIO type P VGN-P91HS
コンパクトなボディが人気のソニーのVAIO type Pの直販モデルでもオプションでWiMAXモジュールが選択可能だ。Web直販限定カラーなど8色のカラーバリエーションや、豊富なカスタマイズメニューはそのままに、目的や予算に応じたWiMAX内蔵マシンをオーダーできる。
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ソニー VAIO type Z VGN-Z92JS
13.1型液晶搭載のモバイルノートPCであるVAIO type Zの直販モデルもオプションでWiMAXが装着できる。同社のVAIO type Pと比べて、ビジネス利用に適した落ち着いたボディカラーが特徴だが、ブルーレイドライブやSSDなども選択可能で、カスタマイズの幅も広い。64Bit版Windows Vistaを搭載している点も注目だ。
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パナソニック Let's note F8 CF-F8GYYAJP
取っ手のついたユニークなボディに14.1型液晶を搭載するパナソニックの「Let'snote F8」シリーズの直販モデルにもWiMAX搭載モデルが用意される。無線LANと兼用の高感度アンテナを備え、安定した通信で広範囲なエリアをカバーできる。