ソニーの最高峰モバイルノートPC――「VAIO type Z '09年夏モデル」を駆る
高性能を凝縮したハイエンドモバイルノートPCとして、2008年の真夏に華々しくデビューした「VAIO type Z」。登場から1年がたち、性能と価格はどうなったのか?
高級感あるボディが新色+新柄でさらに魅力アップ
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/0907/29/news024.html
「VAIO type Z」 ソニーの「VAIO type Z」は、エグゼクティブなビジネスユーザー向けに“性能、携帯性、デザインのすべてに妥協しないモバイルノートPC”を目指して開発されたハイエンドモバイルノートPCだ。
2009年夏モデルは、店頭販売モデルこそ2009年春モデルの「VGN-Z71JB」が継続販売されるが、同社直販サイトのソニースタイルで購入できるVAIOオーナーメードモデル「VGN-Z92YS・DS・JS」には新メニューが追加され、より高性能な構成を選べるようになった。今回はハイスペックな構成の「VGN-Z92JS」を入手する機会を得たので、早速レビューしよう。
アスペクト比16:9の13.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載した横長ボディのサイズは、314(幅)×210(奥行き)×24.5~33(高さ)ミリ。重量は主に光学ドライブやバッテリーなどの仕様で変わり、最軽量の構成で約1.39キロ、大容量バッテリーパック(L)を搭載した最も重い構成で約1.6キロだ。DVDスーパーマルチドライブ、標準バッテリーパック(S)を搭載した店頭モデルの重量は約1.45キロとなっている。
2009年夏モデルの新色となるボルドーは、マットな質感で深みのあるレッドだ デザインは2008年8月に発売された初代モデルから変わっていない。液晶ディスプレイのヒンジ部に棒状のバッテリーパックや電源ボタン、ACアダプタ接続端子を集中させた「シリンダーフォルム」、キーとキーの間隔を離したキーボードユニットを格子状の本体カバーにはめ込んだ「アイソレーションキーボード」、アルミニウムの1枚板から打ち出した継ぎ目のないヘアライン加工のキーボード/パームレストパネルを採用するなど、シャープで高級感のあるイメージに仕上がっている。
VAIOオーナーメードモデルでは天板のカラーやデザインが選択できるようになっており、カラーは標準の「ブラック」のほか、「プレミアムカーボン」(カーボン繊維を消さず半クリア塗装を施したもの)、新色の「ボルドー」が用意されている。さらに、従来からの「シャドーボーダー」と「ラインストーム」に、新柄の「ドットマトリックス」と「カレイドスコープ」を加えた合計4種類のプレミアムデザインがあり、全7種類のバリエーションから天板を選べる。
今回入手したのはボルドーの天板を用いたモデルだが、彩度を抑えた深みのあるメタリックレッドがヒンジのシルバーと相性がよく、シックな仕上がりだ。また、2009年夏モデルでは従来のシルバーのパームレストに加えて、ブラックのパームレストも選択可能になっている(ボルドーモデルの場合はブラックのみ選択可能)。
新柄のドットマトリックス(写真=左)とカレイドスコープ(写真=右)は、「アーバン・ジオメトリックスタイル」というコンセプトでデザインしたという
スマートなボディに妥協なしのハイスペックを凝縮
Core 2 Duo P9700(2.8GHz)を搭載した評価機におけるCPU-Z 1.51の情報表示画面(写真=左)。VAIOオーナーメードモデルではこのほかに、T9900(3.06GHz)、P8800(2.66GHz)、P8700(2.53GHz)が選択できる 1.5キロクラスのスリムボディに最高レベルのパフォーマンスを備えるのも大きな特徴だ。店頭モデルのCPUはCore 2 Duo P9600(2.66GHz/2次キャッシュ6Mバイト)だが、VAIOオーナーメードモデルでは、Core 2 Duo P9700(2.8GHz/6Mバイト)、P8800(2.66GHz/3Mバイト)、P8700(2.53GHz/3Mバイト)に加えて、モバイル向けCore 2 Duoの最上位モデルであるCore 2 Duo T9900(3.06GHz/6Mバイト)も選択できるようになった。
この軽量ボディに通常電圧版の3GHzを超えるCore 2 Duoが内蔵できるのは驚きだ。もっとも、T9900はほかのCore 2 Duoに比べて発熱量が大きい(TDP 35ワット)ので、P9700(TDP 28ワット)くらいが性能と携帯性のバランスという意味ではちょうどいいと考えられる。
DDR3-1066(PC3-8500)に対応するメインメモリは、店頭モデルでは4Gバイト(2Gバイト×2)を搭載する。VAIOオーナーメードモデルでは最大8Gバイト(4Gバイト×2)を筆頭に、6Gバイト(4Gバイト+2Gバイト)、4Gバイト(2Gバイト×2)、2Gバイト(2Gバイト×1)の構成が選べる。
チップセットはグラフィックス統合型のIntel GM45 Expressを採用している。グラフィックスコアとしてIntel GMA 4500MHDを内蔵しているが、別途GPUとしてGeForce 9300M GSも実装しており、「ダイナミック・ハイブリッドグラフィックス」機能により、起動中でも両者を切り替えて使うことが可能だ。この機能がVAIO type Zの大きな特徴となっている。
ゲームなどで高いグラフィックスパフォーマンスが欲しいときにはNVIDIA GeForce 9300M GS(SPEEDモード)、バッテリー駆動時間優先で消費電力を抑えたいときにはIntel GMA 4500MHD(STAMINAモード)というような利用法が可能で、キーボード左奥のヒンジ部分にはグラフィックス機能の切り替えスイッチが用意されている。
キーボード左奥にあるスイッチでSPEEDモードとSTAMINAモードを切り替える(写真=左)。2つのモードを切り替えたときに表示されるダイアログ(写真=中央/右)。使用するグラフィックス機能と同時に、電源プランも変更できる
左がSPEEDモード、右がSTAMINAモードにおけるGPU-Z 0.3.4の情報表示画面。SPEEDモードではNVIDIA GeForce 9300M GS、STAMINAモードではIntel GM45 Express内蔵のIntel GMA 4500MHDを使用する
店頭モデルのデータストレージは、回転速度7200rpmの2.5インチSerial HDD(容量320Gバイト)を搭載している。VAIOオーナーメードモデルでは、このほか回転速度5400rpmのHDD(500Gバイト/320Gバイト)、そして高速なレスポンスが得られるSSDも選択できる。SSDはすべて2基のドライブによるRAID 0(ストライピング)構成になっており、容量は128Gバイト(64Gバイト×2)、256Gバイト(128Gバイト×2)のほか、2009年夏モデルから512Gバイト(256Gバイト×2)という大容量の構成も選択できるようになっている。
光学ドライブは、店頭モデルではDVD±R DL対応のDVDスーパマルチドライブを搭載している。VAIOオーナーメードモデルではそれに加えて、2層BD-R/BD-REで1倍速、1層BD-R/BD-REで2倍速の書き込みに対応したBlu-ray Discドライブも選択できる。
なお、グラフィックス機能のGeForce 9300M GS(SPEEDモード)およびGM45 Express内蔵のGMA 4500MHD(STAMINAモード)ともにHD動画の再生支援機能を搭載しているので、どちらのモードでもCPUに負担をかけずにBlu-ray Discタイトルを快適に楽しむことができる。
MIMO 3×3の無線LAN、ワイヤレスWAN、WiMAXも搭載可能
通信機能も充実している。店頭モデルでは、1000BASE-T対応の有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n(nはドラフト2.0)対応の無線LAN(MIMO 送信1×受信2)、Bluetooth 2.1+EDR、FAXモデムを標準装備する。VAIOオーナーメードモデルでは、1000BASE-T対応の有線LANとBluetooth 2.1+EDR、FAXモデムを標準装備。IEEE802.11a/b/g/n(nはドラフト2.0)対応の無線LAN機能は、送受信に3本のアンテナを利用することで通信速度を最大450Mbpsまで高速化する「MIMO 送信3×受信3」を選べる。
また、FOMA HI-SPEED対応のワイヤレスWANも搭載可能なことに加えて、7月27日からは新しい高速通信網として期待されているWiMAXも選択できるようになった。ただし、MIMO 3×3の無線LAN、ワイヤレスWAN、WiMAXは排他関係にあり、搭載できるのはどれか1つのみである。
ボディ側面の端子類は、2基のUSB 2.0、4ピンのIEEE1394a、HDMI出力、アナログRGB出力、さらにメモリースティックPROスロット、SDメモリーカード(SDHC対応)/MMCスロット、ExpressCard/34スロットも備えている。USBポートは2基と少なめだが、カードスロットや通信機能が充実しているので、マウス接続の際にはBluetoothを利用するなど、いろいろと補う手段はあるだろう。
前面には、メモリースティックPROスロットとSDメモリーカード(SDHC対応)/MMCスロット、ワイヤレス通信用のスイッチを用意(写真=左)。液晶ディスプレイはラッチレス構造だ。背面はバッテリーパックで占有され、シリンダーデザインにより曲線的なフォルムとなっている(写真=右)
左側面にはプラスチックのキャップで覆われた有線LANとFAXモデムのポート、シャッター式のExpress Card/34スロット、USB 2.0、4ピンのIEEE1394、ヘッドフォン、マイク、ACアダプタ接続端子、通風口が並ぶ(写真=左)。右側面には光学ドライブ、アナログRGB出力、HDMI出力、USB 2.0、電源ボタンが配置されている(写真=右)。光学ドライブのトレイ右端を削ってHDMI出力端子を詰め込んでいる
美しさと使いやすさ、丈夫さを兼ね備えた液晶ディスプレイ
アスペクト比16:9の13.1型ワイド液晶ディスプレイは、1366×768ドットもしくは1600×900ドットの解像度に対応する 液晶ディスプレイは13.1型ワイドと珍しいサイズで、LEDバックライトを搭載しており、NTSC比で100%の広色域をうたう。反射光を適度に拡散させる半光沢といえる処理を施した「クリアソリッド液晶」を採用しており、コントラストの高い表示でありながら、暗い画面でもはっきりとは映り込まないようになっている。
ノートPCのディスプレイとしては視野角も広い。ひっかき傷などから液晶表面を守るハードコーティングが施されているのも、外で使うユーザーには心強いところ。明るく鮮やかで、映り込みも少なくて丈夫と、モバイルノートPCのディスプレイとしては実によくできた液晶といえる。なお、液晶ディスプレイは150度程度まで開く。
画面のアスペクト比は16:9となっており、画面解像度は店頭モデルが1366×768ドットだが、VAIOオーナーメードモデルでは1600×900ドットの高解像度パネルも選択できる。1366×768ドットと比べて作業領域が40%広くなっており、WebやPDFを見ながら複数のアプリケーションで並行して作業を進めたり、ツールボックスなどを横に置くクリエイティブアプリケーションを使う場合などに重宝する。
なお、GeForce 9300M GSに搭載されるローカルのグラフィックスメモリ容量は液晶ディスプレイの画面解像度によって変わり、1366×768ドットならば128Mバイト、1600×900ドットでは256Mバイトとなる。また、1366×768ドット(128Mバイト)の場合は光学ドライブにBlu-ray Discドライブが選べないという制限がある。
キーピッチ約19ミリ、キーストローク約2.5ミリのアイソレーションキーボードを採用する キーボードは、VAIOノートではおなじみとなったアイソレーションキーボードを搭載する。キーピッチ約19ミリ、キーストローク約2.5ミリを確保しており、配列も素直で入力しやすい。キーボードユニットをベゼルと一体化しているのでたわみなどはなく、タッチ感は良好だ。VAIOオーナーメードモデルでは、標準の日本語配列(87キー)のほか、かな表記なしの日本語配列(87キー)、英語配列(82キー)も用意される。
ポインティングデバイスは2ボタン式のインテリジェントタッチパッドを装備する。アルプス電気製の多機能ドライバを導入しており、パッドの右辺と下辺を利用した上下/左右のスクロール機能のほか、上辺を使ったWebアシスト(進む/戻る)や、左コーナーのタップに簡易ランチャーの起動などを割り当てることができる。キーボードの左奥には2つのワンタッチボタンと、グラフィックス機能(SPEEDモードとSTAMINAモード)を切り替えるためのボタンがある。
なお、店頭モデルでは左右クリックボタンの間に指紋センサー(TPMセキュリティチップも内蔵)を、右パームレストにFeliCa 1.0ポートを、そして液晶ディスプレイ上部には有効31万画素のWebカメラ「MOTION EYE」を標準装備するが、VAIOオーナーメードモデルではそれぞれ有無を選択できる。
タッチパッドのサイズは約80×40ミリと大きめで、無理なく操作できる(写真=左)。タッチパッドは上下/左右のスクロールが可能で、左コーナーのタップに機能を割り当てられるVAIOノートでおなじみの仕様だが、マルチタップなどトレンドの機能には対応しない(写真=中央/右)
なお、キーボードの左上には「S1」「S2」と2つのプログラマブルボタンが用意され、それぞれ任意のアプリケーションや動作を設定できる。消音、明るさ最大、放熱制御、省電力設定の表示などの動作を設定可能だ。
ワンタッチボタンの設定変更などはユーティリティソフトの「VAIOの設定」で行える。省電力設定、放熱制御の設定、HDMI出力時の解像度設定なども用意されている
プリインストールOSは、店頭モデルでは64ビット版のWindows Vista Home Premium(SP1)を採用する。最大8Gバイトのメモリ構成が用意されていることを考えれば、当然VAIOオーナーメードモデルも64ビット版のWindows Vistaが前提で、エディションはHome Premium(SP1)、Business(SP1)、Ultimate(SP1)から選べる。ちなみに法人向けカスタマイズモデルでは、Vista Business(SP1)のダウングレード権によるWindows XP Professional(SP3)プリインストールの構成も選択可能だ。
モバイルノートPCとしては優秀なパフォーマンスを誇る
今回試用したVGN-Z92JSのスペックは、Core 2 Duo P9700(2.8GHz)、メモリ2Gバイト、SSD RAID(64Gバイト×2で128Gバイト)、1366×768ドット液晶、GeForce 9300M GS(128Mバイト)、DVDスーパーマルチドライブ、Windows Vista Home Premium(SP1)という内容だ。この構成でベンチマークテストを実施した。テストはSPEEDモード(GeForce 9300M GS)とSTAMINAモード(GMA 4500MHD)の両方で行っている。
Windowsエクスペリエンスインデックスの結果を見ると、STAMINAモードではグラフィックス関連のスコアが3.9以下と少々弱いことが分かる。SPEEDモードではグラフィックスのスコアが4.4と5.1まで跳ね上がっているのが目を引く。それ以外のスコアは同じで、5.6~5.9と高い水準にある。
Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア。左がSPEEDモード(GeForce 9300M GS)、右がSTAMINAモード(GMA 4500MHD)
PCMark05でもやはりGraphicsのスコアが足を引っ張っており、総合スコア(PCMarks)にも影響しているようだ。SPEEDモードではSTAMINAモードの1.9倍のGraphicsスコアをマークしており、総合スコアも22%よくなっている。どちらもSSD RAID 0の効果により、HDDスコアでは30000を超える飛び抜けてよいスコアをマークしている。通常の2.5インチHDDの相場(4000~5000辺り)と比べると6倍前後にも上る。
3DMark06のスコアも、SPEEDモードはSTAMINAモードの約1.8倍のスコアをマークしている。ただし、1598というスコアでは、ヘビーなゲームタイトルのプレイは難しい。グラフィックスの負荷がそれほど高くないオンラインゲームなどなら、十分利用できるだろう。FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコアは、HIGHがSPEEDモードで4964、STAMINAモードで2341と、SPEEDモードでは2.1倍よいスコアが出ている。SPEEDモードならかなり快適に遊べるといえる。
左からPCMark05 1.2.0、3DMark06 1.1.0、FF XI Bench 3の結果。※記事初出時、FF XI Bench 3のグラフに誤りがありました。おわびして訂正させていただきます
CrystalDiskMark 2.2の結果 データストレージに関しては、ディスク性能テストのCrystalDiskMark 2.2(ひよひよ氏作)も実施した。SSDのRAID 0構成を採用しているだけあって、リード/ライトとも非の打ちどころがないスコアだ。シーケンシャルリードでは315.6Mバイト/秒と、Serial ATA(1ポート)の限界を超えているし、ランダムリードの512KバイトはHDDの数倍、ランダムリードの4KバイトはHDDの10倍以上のスコアを獲得している。モバイルノートPCとしては出色のパフォーマンスといえる。
VAIO type Zは2008年8月に発売された初代モデルからSSD RAID 0構成を採用し続けているが、初代モデルのテスト結果を記した記事(VAIOの旗艦モデルを徹底検証:ソニー入魂の最高峰モバイルノート「VAIO type Z」に迫る 後編/2ページ目)と見比べると、データストレージの性能が大幅にアップしているのが分かる。これは、現行のVAIO type Zがより高速なSSDを採用するようになったからだ。
静音性と発熱の処理も抜かりなし
標準バッテリーパック(S)の容量は10.8ボルト 5400mAhだ。ACアダプタは突起部を含まないサイズが49.5(幅)×121.5(奥行き)×30.2(高さ)ミリ、ケーブル込みの重量が実測で約359グラムと、モバイル機としては少し大きい 評価機は店頭モデルと同じく、標準バッテリーパック(S)を搭載しており、容量は10.8ボルト 5400mAh、公称の駆動時間は約8~約10.5時間となっている。VAIOオーナーメードモデルでは公称の駆動時間が約12~16時間の大容量バッテリーパック(L)も選ぶことができる。
バッテリー駆動時間のテストは「BBench 1.01」(海人氏作)を利用して行った。STAMINAモードの「バランス」の電源設定(輝度40%)で無線LANを常時接続し、10秒おきにキーボード押下、60秒ごとにインターネット巡回(10サイト)を行う設定でテストしたところ、駆動時間は223分(3時間43分)だった。公称の駆動時間にはかなり足りないものの、無駄の多い条件で測定していることを考えれば、4時間弱というのは十分実用レベルといえるだろう。
静音性や発熱の処理もよく考えられている。動作時の騒音レベルは、暗騒音32デジベル、室温30度の室内において、PCMark05と3DMark06を実行してシステムに負荷をかけ、ボディ前面から5センチと近い距離で測定した。放熱制御の設定は「バランス」で行なっている。どちらのモードでも高負荷時にはそれなりの音がするものの、アイドル時や低負荷時は静粛だった。室温30度と悪条件下のテストであることを考えれば上々だろう。
発熱の処理も優れており、底面左の排気口付近のみ高い熱を持つが、表面は不快な熱を持たない。特に一番多く手が触れるパームレストの温度が低いのはありがたい。より発熱量が大きいCore 2 Duo T9900(3.06GHz)を選択した場合は、ボディが高温になりやすいことも予想されるが、今回試したCore 2 Duo P9700(2.8GHz)搭載の構成では快適だった。このスリムなボディでハイパフォーマンスを備えながら、ここまで体感的な発熱を抑えているのは特筆できる。
動作時の騒音(写真=左)とボディ表面温度(写真=右)
あらゆる面でハイレベルな仕上がり
このようにVAIO type Zは、デザイン、パフォーマンス、液晶ディスプレイの品質、キーボード、そして静音性や発熱の処理に至るまで、あらゆる要素を高いレベルで備えている。どれをとっても、いわゆる“普通の”ノートPCとは一線を画しており、さすがVAIOノートのフラッグシップといえる仕上がりだ。
ソニースタイルでの販売価格は値下げされ、2009年7月29日現在では16万9800円から購入できる。そのうえ、さまざまなキャンペーンも行っており、SSDのアップグレード価格が安くなっているほか、ワイヤレスWAN選択時のキャッシュバックも受けられる。
例えば、Core 2 Duo P9700(2.8GHz)、メモリ4Gバイト、SSD RAID(128Gバイト)、DVDスーパーマルチドライブ、1600×900ドット液晶といった構成でも21万4800円とリーズナブル。CPUやデータストレージのランクを少し落とせば、さらに安くすることも可能だ。1年前の発売時だったら、40万円以上の出費は覚悟しなければならなかったハイスペックな構成が、ここまで下がってきたのは見逃せない。
VAIO type Zはソニーの「Windows 7優待アップグレードキャンペーン」に対応していることも触れておこう。本体を購入後に同社Webサイトから申し込み手続きをすれば、OSなどを収めた「Windows 7アップグレードディスク」とBIOS/ドライバ/プリインストールソフトウェアなどを収めたVAIO「Windows 7サプリメントディスク」が3150円(税込み、送料込み)で入手できる。もちろん、Windows 7を高速に動かせるだけのパフォーマンスも備えており、長きに渡ってパートナーとなってくれるだろう。
これまでVAIO type Zの製品としてのよさは認めていても、価格の面で折り合いが付かず、あきらめていたユーザーも多いかもしれないが、これくらいまで価格が下がってくれば、選択肢に入ってくるのではないだろうか。昨今はノートPCの値崩れが激しいが、高価な価格にも見合うだけの価値は間違いなくある。興味がある人は、一度ソニースタイルのWebページで価格シミュレーションを行なってみることをおすすめしたい。