携帯型無線LANルータは劇薬か
携帯型無線LANルータをカバンの中にしのばせておくと,「iPod touch」や「プレイステーション・ポータブル(PSP)」で常時インターネットに接続できるようになる。それは,携帯電話業界の地図を塗り替えるほどのインパクトを持つ劇薬なのではないか----。ここ数日,そんなことを考えています。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20090730/173595/
先日,エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォームによる,コグニティブ無線ルータ「Personal Wireless Router」(以下,PWR)の記者説明会に参加しました(Tech-On!の関連記事1)。名刺入れ大のPWRは,携帯型ゲーム機やノート・パソコンなどを無線LAN経由でインターネットに接続する機器で,WAN側には3G携帯電話網や公衆無線LANサービスを利用します。
こうした携帯型無線LANルータの先駆けとなったのは,ウィルコムが2009年3月に発売した「どこでもWi-Fi」でしょう(関連記事2)。WAN側で利用する無線通信方式は異なりますが,どこでもWi-Fi とPWRのどちらも,無線LAN対応機器を携帯電話機のような常時接続機器に変えてしまうという点で共通しています。2009年7月22~24日に開催された「ワイヤレスジャパン」(Tech-On!の報道特設ページ)では,モバイルWiMAXサービスを提供するUQコミュニケーションズも同様の機器を出展していました。
これらの携帯型無線LANルータは,端末とWebサーバーとの間でIPパケットを送受信するためだけに移動体通信ネットワークを使い,事業者が提供する通話サービスや,「iモード」に代表されるネットワーク・サービスには対応しません。しかし,質は違えども同様のことは実現できます。無線LAN対応機器にVoIPアプリケーション・ソフトウエアを入れて通話したり,Web上の課金サービスを利用してコンテンツを購入したりできるわけです。端末が定期的にサーバーに接続することで,プッシュ型のサービスを擬似的に実現することも可能でしょう。
携帯型無線LANルータは,いうなれば,携帯電話やPHSなどの移動体通信サービスを「土管」扱いするものです。これが広まると,携帯電話機ではない無線LAN対応機器に向けた,常時接続前提のアプリケーションが多数登場しそうです。それは,端末やアプリケーションの,移動体通信事業者からの解放を意味しているのかもしれません。