SIMスロット+6時間バッテリー搭載の「どこでも無線LAN」機器、NTTBPが開発
NTTBPは、SIMスロット+バッテリー内蔵の小型無線LANルータ「Personal Wireless Router」を開発。屋内では有線/無線LAN、外では無線LANスポットやHSDPA通信をシームレスに切り替えながら使用できる。
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/0907/15/news098.html
NTTBPが開発したポータブルコグニティブ無線LANルータ「Personal Wireless Router」 エヌ・ティ・ティ・ブロードバンド・プラットフォーム(以下、NTTBP)は7月15日、無線LANとワイヤレスWANの自動切り替え機能を備えたポータブル無線LANルータ「Personal Wireless Router(PWR)」を開発したと発表。2009年内の発売を目指し、同日からモニターユーザーを約500人を募り、実証実験も行う。主に、通信事業者やNVNOなどへの導入やサービス展開を見込む。
NTTBPはNTTグループにおける無線LAN事業を主業務とし、共用無線LAN基地局の設備卸事業や無線LAN市場の拡大に向けた新たなソリューション開発に関する事業を担う企業。グループ内の公衆無線LANサービス以外に、東海道新幹線N700系やつくばエクスプレス、ソフトバンクテレコムやUQコミュニケーションズなども含め、全国約7000の無線LAN基地局を設置してきた。
PWRは、PC以外にも無線LAN搭載機器が増え、市場流通量も急速に拡大している現状をふまえ「家でも外でも、どこでも」通信を利用したいニーズを“無線LAN”で解決するコンセプトで開発された。たばこケースほどの小型ボディサイズ(幅60×高さ95×厚さ17.4ミリ、重量120グラム)に、連続通信で6時間(2009年7月現在)/連続待受で約20時間駆動(同)するバッテリーと、SIMスロット、無線LANルーター機能を内蔵。屋内や公衆無線LANエリアでは無線LAN、無線LANスポットのエリア外では自動的に3G/HSDPA通信(など)のネットワークに切り替える機能を備え、そのときに最も高速な通信網をシームレスに利用できることを特徴とする。NTTBPが単体製品として発売することは強く想定しておらず、サービス展開や機器の価格そのものは現時点では未確定とする。これら実スキームの構築はグループ内外のキャリアやNVNOなどと話を進めていく予定だという。
ワイヤレスWAN通信を共用できるバッテリー駆動型無線LANルータは、ウィルコムの「どこでもWi-Fi」、コミーチュアの「PHS300」、トリプレットゲートの「クティオ」などがあり、バッテリーは内蔵しないものの多彩なキャリアのデータ通信端末を使用できるアイ・オー・データ機器「WN-G54/DCR」などもすでに存在するが、PWRは通信アンテナとSIMスロットを内蔵するのが大きなポイントで、公衆無線LANサービスも複数人で共有できることと端末に共有ブックマーク保存できる機能が新しいといえる。ユーザーは、ややかさばるデータ通信端末の接続なしにUSIMを入れるだけで運用でき、ワイヤレスWANの料金プランも使用するUSIMの契約内容よりけりになる。ちなみにフィールドトライアル用端末はSIMフリーのようで、通信仕様そのものは海外で用いられるGSM(EDGE/GPRS)通信にも対応する。
PWRの概要と特徴(写真=左、中)。「PWRで、無線LANエリアを“いつでも、どこでも”にまで広げられる。無線LAN専業の企業として、無線LAN活用のさらなる付加価値を提供・提案していきたい」NTTBPの小林忠夫社長(写真=右)
2010年以降、次世代通信サービスへの対応も
内蔵するバッテリーは、商用製品時に連続通信で6時間、連続待受(スタンバイモード時)で20時間の駆動を目指す。待受状態にしておける省電力のスタンバイモードを備えることで「ほとんど気にせず、どこでも通信」を実現できるとする。Web認証やPPPoE認証などを必要とする公衆無線LANサービス未対応の無線LAN搭載機器もPWR側で認証を行う機能を備え、バッファローのAOSSなどにも対応する予定だ。
2010年以降、無線LANのIEEE802.11nやモバイルWiMAXなど、次世代通信規格への対応も想定する。「現時点(2009年7月)ではキャリア(UQコミュニケーションズ)と何らかの話をしたわけではないが、モバイルWiMAXに関しても、技術部分はおそらく解決できると思う」(小林社長)
屋内・家庭利用向けに、有線LANポートと充電器を兼ねた卓上ホルダや有線LAN変換アダプタも用意する。家では普通の無線LANルータとして、外出時に一緒に持ち出してHSDPAや公衆無線LAN回線を共有できるポータブルルーターとして活用できる。
今後の開発ロードマップとフィールドトライアルの概要
上面にSIMスロットとストラップホール、通知LED、底面にMini USBクライアント端子と独自Ethernet端子を備える(写真=左、中)。有線LANポート付きのクレードルも付属する。屋内では、本体を充電しつつ、Bフレッツなどの高速回線を共用する単体無線LANルータとして、あるいは既存の家庭内無線LANをさらにルーティングして回線を共用できる(写真=右)
ボディの厚さは17.5ミリ。右側面に無線LAN設定に用いるWPSボタンと電源ボタンが備わる。PCのUSBポートで充電/給電しながら運用することもできるという
ディスプレイは、上から現在接続中の回線(無線LAN時はSSID)、本体のバッテリー残量、回線のアンテナレベル、接続中のクライアント数(写真は1台)が表示される。範囲内に複数無線LANスポットが存在する場合に備え、優先度設定などのユーザーカスタマイズも行える(写真=右)。実証実験には「i-morley」を展開するDJ兼アーティスト、ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏も参加し、PWRを実際に活用したリポートをしていくという
PWRのサイズを検証。iPod touchよりやや小さく、やや厚い程度で胸ポケットにも普通に入るサイズだ。20時間の連続待受時間を見込むため、起動したままバッグなどに入れっぱなしで運用することもできるだろう
(高画質版はこちらから)
PWRの主な仕様は以下のとおり。
Personal Wireless Router
無線LANインタフェース WAN側:3G/HSDPA、EDGE/GPRS、IEEE802.11a/b/g(トライアル時はIEEE802.11b/g)
LAN側:IEEE802.11b/g
搭載インタフェース Mini USB、Ethernet端子(特殊形状/RJ-45変換ケーブル・屋内用クレードル付属)、モノクロディスプレイ
バッテリー 連続通信:6時間、連続待受:20時間(目標値)
本体サイズ 60(幅)×95(高さ)×17.4(厚さ)ミリ
重量 約120グラム