1Gbpsの赤外線にフェムトセル、KDDIやドコモが新技術を披露
無線関連の展示会「ワイヤレスジャパン2009」が開催中
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090724/334431/
2009年7月24日まで開催している無線関連展示会「ワイヤレスジャパン2009」では、LTEなど通信を支える裏側の技術ばかりでなく、携帯電話機ユーザーが身近に直接使うことになる新技術の展示も多い。中でも来場者の注目を集めていたKDDIとNTTドコモの新技術を紹介する。
KDDIは、1Gbpsの高速赤外線通信機能「Giga-IR」についてデモンストレーション。KDDIが中心となって規格化を進めてきたGiga-IRは、2009年4月に赤外線通信(IrDA)の標準化団体によって国際標準規格として認定されたばかり。100MBのデータをわずか1秒で転送でき、現行の4Mbpsの赤外線通信規格「IrSimple」より約250倍速い。
展示では、電子看板(デジタルサイネージ)から赤外線で携帯電話機に映像を届けるデモを実施。販促用途での活用を想定したものだ。Giga-IRを搭載した試作機を使い20MBの映像が1秒未満と瞬間的に受信できる様子を体験できる。「試作機ではGiga-IRの機能をボード上に実装しているが、将来的にはチップ化される」(説明員)という。
Giga-IRを応用してUSBのデータ通信を無線化するデモも披露。USBの信号を赤外線の信号に変換する部品をパソコンのUSB端子につなぎ、携帯電話機側にも変換部品を装着。携帯電話機とパソコンがケーブルなしで、USB経由でデータ転送する様子を紹介している。
加えてKDDIは、microSDカード大の無線LAN通信モジュール「携帯電話向けmicroSD無線LANカード」も展示中。携帯電話の多くが備えるmicroSDカード用のスロットを活用し、携帯電話を無線LANネットワークにつなぐためのモジュールだ。ミツミ電機とルネサステクノロジが開発した試作品がそれぞれ出展されている。いずれもIEEE802.11b/g規格に準拠したもの。外出先でホットスポットサービスにつないだり、家庭でパソコンから楽曲ファイルを送受信したり、HDDビデオレコーダーから映画や録画したテレビ番組のデータを転送したりといったシーンで使われると、KDDIでは想定している。
NTTドコモの場合、家庭やオフィスのLANに接続して使う、超小型の携帯電話基地局「フェムトセル」の展示に力を入れている。FTTHサービスやADSLサービスなどにフェムトセルをつなぐことで、半径数十メートル範囲では安定した通話・通信ができるようにする装置だ。今秋にもサービスとして一般向けに提供を開始する予定で、現在準備中だという。
展示では、フェムトセルの具体的な活用例を紹介している。一つが、家族の在宅を確認できる「在宅プレゼンス機能」。家族が帰宅した際、その人が使う携帯電話機とフェムトセルが接続したことがサーバへ通知され、屋外にいる別の家族へ在宅の有無を知らせるメールが送られる。
もう一つが、ネット上からストリーミング方式で音楽をダウンロードして再生する「楽曲連続再生コンテンツ」というデモ。再生中に早送りするなど通信網に負担をかける操作をしても、途切れることなく楽曲が連続して再生できることを実演した。ほかにも、フェムトセルがカバーするエリアに来た人に対して特定のクーポンを配信したり、通常電波が届きにくい水族館で関連情報を提供するなど、フェムトセルならではといえる未来像をいくつも紹介していた。
(中村 実里=ライター) [2009/07/24]