無線LAN 「はじめの一歩」
まず、無線LANの基礎を見ていきましょう。無線LANの仕組みや、用意する機器の選び方、つなぎ方などのポイントをまとめました。「無線LANって何?」という人や、一から学び直したい人は、ここから始めましょう。
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/knowhow/20090603/1015786/
基礎1、「親機」と「子機」で簡単無線化! 無線LANとは、ケーブルの代わりに電波を使いパソコンや周辺機器などを相互につなぐ仕組みのことです。例えば、インターネットを利用する場合、通常はモデムとパソコンとをLANケーブルでつないでデータをやり取りしますが、無線LANではそれらが「無線」になります。電波が届く範囲であれば、家中どの部屋からでもインターネットに接続できるのが魅力です。
「親機」と「子機」の役割をチェック!
無線LANを使うときは、専用の機器が必要です。モデムと接続する「親機」と(図1)、パソコンに接続する「子機」の2つ。親機は、モデムやパソコンなどが送受信するデータを中継するほか、接続している子機を整理する役割があります。
1、親機は誰でも必要
図1 親機には、無線でデータをやり取りする機能のほか、複数の子機を接続する「ルーター」機能が付いている製品が多い。この機能を除いた「ブリッジ(アクセスポイントモード)」の製品もあるが、どちらも使える親機がお薦め。
では、最初に使用する子機を決めましょう。最近のノートパソコンは、子機を内蔵していることが多いので、後から購入する必要はありません。本体のスイッチ(図2)、Windowsの設定画面などで有無を確認できます(図3~図5)。
2、パソコンが子機内蔵なら用意する必要なし
図2 子機を内蔵するパソコンの多くは、無線LANを有効にするためのスイッチが付いている。パソコンよっては、本体の前面や側面など、見えにくい位置にあるのでよく確認しよう。
図3 スイッチがない場合は「マイネットワーク」から確認。「スタート」→「マイネットワーク」とクリックする。[注1]
[注1]「スタート」メニューに「マイネットワーク」がないときは、「マイコンピュータ」を開き、画面左に表示される「マイネットワーク」をクリックすれば、図4の画面が開きます。
図4 「マイネットワーク」が開いたら、画面左の「ネットワークタスク」から「ネットワーク接続を表示する」をクリック。
図5 表示された画面内に「ワイヤレスネットワーク接続」のアイコンがあれば、パソコンに子機が内蔵されている。
内蔵していないなら、親機とセットで購入します。「USB型」「PCカード型」から自分に合ったものを選びましょう。また、薄型テレビやレコーダーなどを無線接続する「イーサネットコンバーター型」もあります。
3、内蔵していなければ購入する
[注2]USB2.0に対応していない古いパソコンでは、使えないことがあります。
基礎2、製品選びのポイントをしっかり理解! 子機を決めたら、親機に注目しましょう。製品パッケージには難しい用語が並んでいますが、次のポイントを理解すれば親機選びで迷いません。
パッケージに注目!
まず、電波の種類(図1~図3)。無線LANで使う電波は「11a」「11b」「11g」「11n」の4種類。主流の11aと11gは、最大54Mbpsの速度で通信します。両者の違いは電波の周波数。11gが使う2.4GHzは、無線LAN以外でも使われるため、電子レンジなどが原因で電波干渉が起き、つながりにくくなることがあります。一方の11aは、5GHzという専用の周波数を使うため、干渉をあまり受けません。ただし、壁などの障害物が原因で電波が途切れることがあります。
11nは最大300Mbpsの高速通信が可能。ただし、対応する無線機器が少ないので注意が必要です。主に11nを使いたいなら、親子と子機をセットで購入するほうが無難です。
1、電波は4種類、それぞれ周波数が違う
図1 電波の種類ごとに通信速度が異なる。古くからある11bは最大11Mbpsと遅い。11gと11aは最大54Mbps。11nは最大300Mbpsと最も速く、将来的には600Mbpsまでアップする予定になっている。
図2 電波の種類(規格)は、2.4GHzの11b/gと5GHzの11a、両方が使える11nに分かれる。11nは正式規格ではなく、現時点は暫定規格(ドラフト版)となる。
図3 子機内蔵のパソコンを使う場合、対応する電波規格を調べておこう。パソコンメーカーのホームページで「無線LAN」「ワイヤレスLAN」などの項目から確認できる
2つ目は「暗号化」(図4)。親機の電波は最大数十メートルまで届き、その範囲内であれば誰でも接続できるのです。無断でネットにつなぐ“タダ乗り”などの危険から守るには、通信内容を暗号化します。
2、暗号化で 「カギ」をかける
図4 親機の無断利用を防ぐために使われる暗号化。子機は「暗号化キー」を使って親機との通信手続きをする必要がある。
最後は「接続方法」(図5)。子機が親機に接続するには、親機の選択と暗号化キーの入力が必要になるので、この設定が簡単なものを選びましょう。今回紹介する製品は、親機に付いているボタンを押せば、導入作業の大半が済みます。
3、簡単・確実に接続できる
図5 接続設定を自動化する機能がある製品を使おう。バッファローの「AOSS」やNECの「らくらく無線スタート」のほか、WPSという仕組みを使う機器も増えている。
11nが使えてお値打ち価格
ロジテック LAN-WN22/R
実売価格:1万800円
USB、PCカード型との子機セットあり
高速な11nと11b/gを同時利用できる。最大の魅力はその価格。親機だけなら1万円台前半、親子セットでも1万4000円程度。コンパクトで置き場所を選ばない。
すべての規格が使える高級モデル
バッファロー WZR-AMPG300NH
実売価格:2万2800円
PCカード型との子機セットあり
11a/b/g/nのすべての規格が使える高性能な親機。2.4GHz帯と5GHz帯の11nを同時利用できるのが魅力。ほかと比べると1万円ほど割高だが、アンテナが大きく離れた部屋でも電波が届きやすい。
11aが使える普及機
NEC Aterm WR7870S
実売価格:9780円
USB、PCカード、イーサネットコンバーター型との子機セットあり
実践、親機と子機を「簡単・確実」につなごう! 機器を用意したら、次はいよいよ接続の設定です。無線LANを利用するには、親機と子機が互いに通信できるようにする必要があります。
作業は簡単。5ページで紹介した親機なら、モデムとケーブルを正しくつなげ、ソフトをインストール。後は本体のボタンを押せば、接続設定や暗号化の作業を自動化できます。次ページから、代表的な製品で詳しい手順を見ていきます。
1、パソコンとモデムの電源を切りケーブルを取り外す
これまで有線でネットにつないでいたなら、まずパソコンとモデムの電源をオフにして、つないでいたLANケーブルを外す。モデムにつないでいた通信回線のケーブルも外す。[注]
[注]光ブロードバンドなどで壁面に直接差している場合は、このケーブルを抜きます。
ヤフー! BBやCATV回線の場合は、そのまま約30分間待つ
2、親機とモデムとをLANケーブルでつなぐ
モデムのLAN(WAN)端子と、親機のインターネット(WAN)端子とをLANケーブルでつなぐ。カチッと音がするまでしっかり差し込む。
3、モデムとパソコンの電源を入れファイアウォールを無効に
モデム、親機、パソコンの順に電源を入れる。親機正面のランプが点灯から点滅に変わるまで待つ。親機と子機の通信を妨げる可能性があるので、念のためファイアウォールを無効にする。
図1 まず上図の操作でメイン画面を開く(1)。先に決めたパスワードを入れると、ファイアウォールを無効にできる(右図2~6)。
4、子機内蔵のパソコンはスイッチをオンに
内蔵の子機を使う場合は、無線LAN のスイッチをオンにする。機種によっては、ソフトの画面上でオン・オフを切り替えるものもあるのでよく確認しよう。親子セットの場合は次に進む。
5、親機と子機を通信できるようにする
ここで親機と子機の接続設定をする。手順は使用する親機のメーカーによって異なる。バッファローの親機の場合は次ページ、NECの親機の場合は9ページに進もう。
6、ファイアウォールを有効に モデムをケーブルでつなぐ
親機と子機とが正しく通信できたら、ファイアウォールを有効にする。モデムには通信回線のケーブルをつなぎ直せば準備完了。IEを起動し、ホームページが表示されたら接続は成功。
バッファローの親機の場合
ここでは、バッファローの親機・子機セットを例に、無線化の方法を見ていきます。6ページ(1)~(4)の手順の後は、ソフトをインストール、子機を取り付ける、親機と子機の接続設定をする、という流れになります。
まず、CD-ROMをパソコンに入れ、使う子機を選びましょう(図1、図2)。次に接続ソフトをインストール(図3)。子機はここで取り付けます(図4)。続いて親機と子機とが無線通信できるように、「AOSS」という仕組みを使います。親機の本体にあるAOSSボタンを押せば(図5~図7)、親機の選択や暗号化が自動で済みます(図8、図9)。6ページ(6)を済ませ、ホームページが表示されるかを確認しましょう。
ここで使った親器
WHR-G300N/U
幅2.5 センチの薄型ボディーの最新機種。11b/g/nに対応する。アンテナは内蔵。USB子機とのセットで実売価格は1万1080円。
6ページ(1)~(4)の操作をするソフトをインストールする
図1 CD-ROMを入れ、現れた画面で「かんたんスタート」をクリック。Vistaでは「AirNavi.exeの実行」を選ぶとこの画面が出る。
図2 子機の種類を選択。親子セットの場合は「AirStation無線アダプタ(子機)」をクリック。内蔵子機の場合は「無線内蔵パソコン」をクリック。
図3 「次へ」をクリックするとこの画面が出る。「インストール開始」をクリックし、接続ソフトをインストール。標準では「スカイプ」が一緒にインストールされるが、不要ならチェックを外す。
子機を取り付ける
図4 ドライバーのインストール画面が開く。後は指示に従って操作する。上の画面が表示されたら、本体に子機を取り付ける(左図)。
「AOSS」ボタンを押し、通信できるようにする
図5 インストールが終わると、接続ソフト「クライアントマネージャ3」の設定画面が現れる。ここで「自動セキュリティ設定」をクリック。
図6 現れた画面で「プロファイル」をクリック(1)。次に、画面の右下にある「WPS|AOSS」ボタンをクリックする(2)。
図7 「無線接続先~」画面が現れたら(上図)、親機前面の「SECURITY」ランプが点滅するまで「AOSS」ボタンを長押しする(右図)。
図8 親機が子機を見つけて自動的に接続が始まるので、しばらく待つ。通信の失敗を防ぐには、できるだけ親機と子機を近くに置こう。
図9 この画面が現れたら接続は成功。「完了」をクリックして画面を閉じる。なお、フレッツの利用者はさらに操作が必要。
6ページ(6)の操作をする
フレッツの場合はもう一手順が必要
NTT東日本、NTT西日本が提供する「フレッツADSL」「フレッツ光」の利用者は、初回だけネットの接続設定が必要になることがあります。親機の設定画面で、プロバイダーのログインIDやパスワードなどを登録します。
図9の後、7ページ図3の画面に戻り、「次へ」→「インターネット接続を~」とクリック。IEが起動して右画面が表示されたら、「ユーザー名」欄に「root」と入力し「OK」。
画面が表示されたら、プロバイダーの接続に使うユーザー名、パスワードを入力して認証を済ませれば、ネットを利用できる。[注1]
[注1]IEを起動してホームページが表示されない場合、モデムと親機の電源を切り、再起動します。次にIEの「アドレス」欄に「192.168.11.1」と入力してログイン。「かんたん設定」の「インターネット接続を行う」に進み、再度フレッツの接続設定を行いましょう。
NECの親機の場合
次に、NECの親機・子機セットの製品を使って無線化する手順を見ていきます。6ページ(1)~(4)を済ませた後は、必要なソフトをインストール、子機を取り付ける、親機と子機の接続設定をする、管理者パスワードを決める、と4つの作業に分かれています。
まず、CD-ROMをパソコンに入れて使用する子機を選びます(図1)。次に、子機を取り付けて接続ソフトをインストール(図2~図4)。「らくらく無線スタート」という仕組みで親機の選択と暗号化の作業を自動化します(図5、図6)。最後に、親機の設定を変えるときなどに使うパスワードを決め(図7~図10)、6ページ(6)を済ませてホームページを開いてみましょう。
ここで使った機器
Aterm WR8100n
11b/g/nの規格に対応したアンテナ内蔵の親機。規格を絞ったことで、USB子機とのセットでも実売価格は1万1800円とお値打ち。
6ページ(1)~(4)までの操作をするCD-ROMをパソコンに入れる
図1 CD-ROMをパソコンに入れると画面が現れる。親子セットの場合は、メニュー画面で「WL300NU-Gのドライバ及び~」をクリックしてインストール作業を進める。
子機を取り付け接続ソフトをインストール
図2 この画面で「次へ」をクリックして、接続ソフト「サテライトマネージャ」などをインストールする。
図3 通知領域から「サテライト(無線子機)のドライバが~」という吹き出しが出たら、子機をパソコンに取り付けてドライバーをインストールする。
図4 ドライバーのインストールが始まり、パソコンが子機を認識するようになる。以後は、抜き差ししてもすぐに子機を利用できる。
「SET」ボタンを押し通信できるようにする
図5 「らくらく無線スタート」画面が表示されたら、親機前面の「Power」ランプが緑色の点滅に変わるまで、「SET」ボタンを長押しする。
図6 「Power」ランプがオレンジ色の点滅に変わったら、もう一度「SET」ボタンを長押し。ランプが点灯状態になるまで押し続けたら、接続は完了。
管理者パスワードを決める
図7 接続設定が済んだら、IEを起動して親機の管理者パスワードを決める。アドレス欄に「http://web.setup/」と入力して「Enter」キーを押す。
図8 初期設定ページが開いたら、自分で決めたパスワードを空欄に入れる(1)。「設定」をクリック(2)。
図9 今度はログイン画面が表示される。「ユーザー名」欄に「admin」(1)、図8で設定したパスワードを入力し(2)、「OK」をクリック(3)。
図10 「らくらくWebウィザード」画面が表示される。フレッツ利用者は「PPPoEルータ」を選び、「次へ」をクリック[注2]。この画面で、フレッツ接続用のユーザー名、パスワードを入力(1)。「設定」を押し(2)、しばらく待つ。
[注2]「ヤフー!BB」や「CATV」などの接続業者を利用している場合、またはフレッツでもIP電話を利用している場合は、「ローカルルータ」を選択します。詳しくは取扱説明書などで確認してください。