ちょっと賢いWiMAXの使い方 (後編)
前編に引き続き、UQ WiMAXの賢い利用方法を考えていこう。今回はUQ WiMAXユーザーで出張が多い人が使う場合を想定して話を進めてみたい。
http://ascii.jp/elem/000/000/406/406374/
UQ WiMAXをメインとし、他のデータ通信を組み合わせた場合を考えてみる
UQ WiMAXは現状で東京23区と横浜市、川崎市のみがサービスエリアとなっている。都心部のみでのモバイルの利用であればUQ WiMAXで十分だ。しかしその周辺はまだサービス対象外だ。このエリアのサービスは9月末までに始まる予定となっている。
UQ WiMAXのサービスエリア。オレンジ色の部分がサービス実施地域、黄色がこの9月末までに拡大される予定のエリアだ
それでは京阪神、名古屋での利用ではどうだろうか。上記のエリアでは7月から利用できるとアナウンスされている。それ以外の地域では、2010年3月までに全国政令指定都市、そして2011年3月までに全国主要都市で利用可能になるとしている。
まず、このような状況で「どこでもつながる安心感」を優先するモバイル環境をつくるにはどうしたらいいのだろうか。現状では前述のように東京23区、横浜市、川崎市以外ではサービスが行なわれていない。このため東京から他の地域への出張などを想定した場合、UQ WiMAXのみで完結したデータ通信環境の構築はできない。ということで、他のデータ通信サービスと組み合わせて利用することになる。
無線LANサービスとの組み合わせは?
前編で紹介したように公衆無線LANサービスと組み合わせるのも手だ。政令指定都市であれば問題ないだろう。また、UQ WiMAXが7月から京阪神、名古屋でサービスを開始する予定なので、開始するまでは公衆無線LANサービスに加入しておき、その都市や地域でUQ WiMAXのサービスが始まったら解約する、という流れだ。
ただし、中小地方都市では、大都市圏よりも公衆無線LANサービスのアクセスポイントが少なく、使い勝手が大都市圏よりも悪い。中小地方都市でも、ビジネスホテルやファーストフードチェーンなどにアクセスポイントが設置されていることが多いが、一般的に地方中小都市ではそれらの施設そのものがが少なく、利便性という意味では不利な状況にある。
地方のアクセスポイントの例として、ドコモMzoneのサービスエリア検索での岩手県の場合。県庁所在地の盛岡市では10ヵ所のアクセスポイントが設置されているが、他の3都市では各都市1ヵ所となっている。ちなみに岩手県には13市16町6村があるが、Mzoneのアクセスポイントは4市のみに設置されている
また、これは中小地方都市への出張に限らない話だが、時間に余裕がある場合はいいが、スケジュールが密に詰まった出張で、メール送受信のためだけでアクセスポイントに出向くのが厳しいこともあるだろう。
既存のデータ通信サービスとの併用は?
別の選択肢となると既存のデータ通信サービスと併用することになる。データ通信サービスについては通信キャリア各社が様々なものを提供しているが、例えばNTTドコモのFOMAは人口カバー率100%、イー・モバイルも人口カバー率は8割以上などとなっており、出張先が全国の市町村の役所・役場付近であれば、まず利用できると考えてよさそうだ。通信速度も高速データ通信に対応しており、ダウンロード最速7.2Mbpsまたは3.6Mbpsで利用が可能だ。つまり大都市圏ではより高速なUQ WiMAXを使い、地方出張の際にはFOMAやイー・モバイルのサービスを使う、という方法だ。
VAIO type Pとイー・モバイルの端末(D21HW)
この場合は、定額サービスで月額の最低額が低いサービスに入っておくのが安心。例えばイー・モバイルとFOMAなら、月額基本使用料の最低額が1000円(ベーシック/年とく割加入/スーパーライトデータプラン)という前者のほうがお得だろう。これならイー・モバイルとUQ WiMAXの合計で月額料金の安い月は5480円、多く使った月でも9460円という金額で、速度とエリアの点でうまく組み合わせたデータ通信サービスを利用できる。年間ではどのくらい差が出るかグラフにまとめてみたので参考にしていただければと思う。
FOMAとイー・モバイル、そしてUQ WiMAXを組み合わせた場合の年間通信コスト。FOMAは「ベーシックコース・定額データプランHIGH-SPEED(定額データ割適用後)」の月額料金を、イー・モバイルは「ベーシック/年とく割加入/スーパーライトデータプラン」の月額料金を、UQ WiMAXは「UQ Flat」の月額料金をそれぞれ一年分積算したものだ。また、グラフの青色は月額料金が二段階定額の下限で、赤色は二段階定額の上限で一年間積算したものだ。
なお、UQ WiMAXは2013年春までに人口カバー率90%台を実現することを目標にしている。現状ではFOMAやイー・モバイルを使わないとネット接続ができないエリアでも、その頃にはUQ WiMAXのサービスエリアに入っている可能性もある。FOMAやイー・モバイルを2年契約で加入した場合は、契約解除料のことも考慮に入れながら契約更新を行なうか判断すると良いだろう。
出張頻度が低くデータ通信はほとんど使わないスタイルにする、という場合は、従量制サービスに入るのもいい。NTTドコモでは、パソコンのデータ通信で送受信バイト数や利用金額の目安をチェックして設定金額でアラームを表示する「FOMAバイトカウンタ」というソフトを提供しており、従量制で料金が高額になる危険を避けることもできる。あらかじめ月額通信費の予算を決めておき、オーバーしないように注意して利用する、という感じだ。
あるいはまた、日本通信bモバイルのDoccicaなどでプリペイド通信の環境を持っておくというのも一つの考え方だ。ただしこちらは、購入した利用時間の使用期限があるので、あまり放置しておくとチャージした利用時間が無駄になってしまうので要注意だ。
DoccicaはFOMAネットワークを利用しているので、人口カバー率100%での3Gデータ通信が可能だ