iPodをAV機器で楽しむ
ワイヤレス iPod Dock IS301(マランツ)
http://www.yomiuri.co.jp/net/column/digimono/20090401-OYT8T00704.htm
右が受信部の「エクステンダー」、左が「ベースユニット」に「ハンドセット」を装着し、iPodをセットした状態だ。「エクステンダー」と「ハンドセット」間で、Bluetoothによる無線通信を行う
ハンドセットには調整ダイヤルがあり、使用するiPodに合わせてダイヤルを回すとダイヤル部が上下し、最適なコネクター位置になる
ベースユニットからハンドセットを取り外し、そのままの状態でもiPodの操作が可能
ベースユニットにハンドセットを装着しても、同様に操作ができる。付属のリモコンでiPodを操作することも可能だ
ハンドセットとパソコンを付属のUSBケーブルで接続すれば、iTunesとの同期や充電が行える
エクステンダーとオーディオ機器は、付属のコンポジットケーブルで接続する
映像をテレビで再生するには、ベースユニットとエクステンダーを2本のISーLINKケーブル(エクステンダー左のケーブル)で接続。テレビへの映像出力は、コンポジット、Sビデオ、コンポーネントのいずれかを利用する iPodの音楽を、家庭のオーディオ機器へBluetooth(ブルートゥース)で無線配信して楽しめるiPod専用のドックだ。有線接続することで、iPod内の映像を大画面テレビで再生することもできる。
機器は、送信部でありiPodを装着する「ハンドセット」、ハンドセットを装着する充電部の「ベースユニット」、受信部でありオーディオ機器と接続する「エクステンダー」の3ピース構成となっている。
ハンドセットに装着できるiPodは、iPod touch(第1/第2世代)、iPod classic、iPod nano(第1~第4世代)、iPod(第4/第5世代)、iPod miniと幅広い。なお、iPhoneには対応していない。
高度オーディオ配信プロファイル「A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)」に対応しており、高品質の音楽再生を実現。また、オーディオ/ビデオリモート制御プロファイル「AVRCP(Audio/Video Remote Control Profile)」にも対応しており、マランツ製のオーディオ機器であれば、ハンドセットから電源、音量調整、入力の切り替えもリモートで制御できる。
無線で快適な音楽配信
今回は、iPod classic(80GB)を使い、普段使っているボーズのCDプレーヤー「Wave Radio/CD」で音楽を再生してみた。
まずは、ハンドセットにiPodを装着するが、iPodはモデルによって厚みが異なる。そのため、iPod対応機器の多くは、使用するiPodに合わせてコネクター部に専用のアダプターを取り付ける必要がある。そこで、ハンドセットは厚み調整ダイヤルを採用。iPodに合わせてダイヤル位置を回すとダイヤル部が動き、コネクターの位置がピタリと合うようになっている。装着後の安定感もあり、これはなかなか便利な機能だと感じた。
ハンドセットはそのまま、リモートコントローラーのように使用できる。しかしその場合、ハンドセットがiPodの内蔵バッテリーを使用するため、iPod単体で使用するときよりバッテリーの持ちが短くなることに注意したい。
一方、ハンドセットをベースユニットに装着しての使用も可能だ。この場合、iPodの充電も行えるためバッテリー切れの心配をする必要はない。設置場所は固定されるが、付属のリモコンを使って操作することができるため無線のメリットを損なうことはない。
また、ハンドセットにはUSB端子があり、パソコンと接続すれば、iTunesとの同期や充電も行える。そこでベースユニットをパソコンの近くに設置しておき(ネジ止めで壁掛けにすることも可能)、普段はハンドセットで場所に縛られずにiPodの音楽を配信。同期や充電をするときにベースユニットに装着する、といった使い方ができ、自由度はかなり高い。
ハンドセット側の準備ができたら、次は受信部となるエクステンダーとオーディオ機器を付属のAVケーブルで接続する。
接続したら、ハンドセットとエクステンダー間でお互いを認識させるペアリングを行う。これは、どのBluetooth機器を使うときにも必須の作業となる。ペアリングボタンを操作して両方をペアリングモードにすると自動で検索し、認識し合うと登録の完了だ。ペアリング操作は最初の1回だけで、次回以降は自動でお互いを認識する。
これで、iPodで音楽を再生すれば、オーディオ機器で試聴できる。なお、ハンドセットとエクステンダーの通信可能距離は、約10メートルだ。
筆者は普段、Wave Radio/CDとアップルユニバーサルドックをAVケーブルで接続し、ドックにiPodを装着して音楽を楽しんでいる。この場合、Wave Radio/CDとiPodが有線接続のため、曲の選択などはWave Radio/CDを置いているところまで行って操作する必要がある。ドックに付属のリモートコントローラーも使用できるのだが、アルバムや曲の選択はiPodの画面を見ながら行いたいため、リモートコントローラーは使わなくなってしまったという経緯がある。
一方IS301の場合、iPodを手元で直接操作できるため、非常に使い勝手がいい。同期や充電も簡単に行えるし、無線の快適さをまったく損なわずに音楽を自由に楽しめることを実感した。
ケーブルに縛られることがない無線だが、気になるのは音質と音切れの問題だろう。筆者が試した印象だと、有線接続に比べると音質は若干こもり気味になる。ただ、無線の自由さを手放すほど極端な落差はないため、十分に実用レベルだ。
一方音切れに関しては、Bluetoothが無線LANや電子レンジなどの家電製品と同じ2.4GHz帯を使用するため心配されたが、今回しばらく使っても、音切れが発生することはなかった。これは、使用する周波数を短時間ごとに変更する変調方式である「FH-SS」の採用によるものと思われる。
映像をTVで楽しむ
Blutoothでは映像を配信できないが、エクステンダーとベースユニットを付属のISーLINKケーブル(2本)で有線接続すれば、大画面TVでiPod内の映像を鑑賞することもできる。
エクステンダーとTVの接続には、コンポジット、Sビデオ、コンポーネントの3種類が用意されているので、TV側の入力端子に合わせて選べばいい。ただし、Sビデオとコンポーネント用のケーブルは付属しないため、別途用意する必要がある。
今回、エクステンダーとTV(シャープのAQUOS)をコンポジットケーブルで接続し(音声は付属のコンポジットケーブルを使用)、iTunes Storeから購入したミュージックビデオを再生してみた。画質が少し荒れてしまったが、大画面で楽しめるメリットは大きいと感じた。
なお、ここまでiPodの再生に関して解説したが、Bluetooth対応のパソコンや携帯電話をエクステンダーとペアリングさせることも可能だ。エクステンダーは最大8個まで機器を登録できるため、パソコンや携帯電話内の音楽を無線で配信し、オーディオ機器で再生させることもできるようになる。
iPodに手持ちの音楽を詰め込むと、自宅で音楽を楽しむときにもiPodをミュージックプレーヤーとして活用したい、というユーザーは多いだろう。そのため、iPod専用のスピーカーは各メーカーからたくさん発売されている。その中でIS301は、特に愛用のオーディオ機器を持っているユーザーに訴求する製品だ。自分好みの音質で音楽を楽しみたいなら、検討の価値は大いにあると感じた。(テクニカルライター・小野 均)
発売 マランツhttp://www.marantz.jp/
実勢価格 2万2800円
通信方式 Bluetooth ver2.1 +EDR
送信出力 Bluetooth Power Class 2
最大通信距離 見通し距離 約10メートル
使用周波数帯域 2.400~ 2.4835GHz
変調方式 FH-SS
対応プロファイル A2DP/AVRCP
対応コーデック SBC(Sub Band Codec)
対応コンテンツ保護 SCMS-T(IS301RXのみ)
IS301(ハンドセット)
電源 iPodアクセサリー用電源DC3.3V
質量 68グラム
外形寸法 67×30×105ミリ
端子 USB mini B
IS0301DS(ベースユニット)
電源 DC IN 8V(専用ACアダプター)
質量 230グラム
外形寸法 123×123×49ミリ
端子 RJ-45×2
ISO301RX(エクステンダー)
電源 DC IN 8V(専用ACアダプター)
質量 230グラム
外形寸法 191×60×36ミリ
端子 映像出力(Sビデオ×1、ビデオ×1、コンポーネント×1)、アナログ音声×1、リモート端子×1、RS232C端子×1、RJ-45×2
(2009年4月1日 読売新聞)