WWANでいつでもどこでもネットにつながる! - ソニー「VAIO type P」
話題の超小型ノート「VAIO type P」のワイヤレスWAN(WWAN)モデルが発売開始された。最大7.2Mbpsの高速通信をいつでもどこでも利用できるほか、GPS機能も標準装備。加えて、街歩きを便利にする機能が満載されている。ここでは、その魅力を紹介していこう。
http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/02/24/typepwwan/
評価機の主な仕様 [CPU] Intel Atom Z540(1.86GHz) [チップセット] Intel US15WW [メモリ] 2GB [SSD] 128GB [ディスプレイ] 8型ワイド(1,600×768ドット) [サイズ] 約W245×D120×H19.8mm [OS] Windows Vista Home Basic [直販価格] 149,800円から より高速なCPUを選べるVAIO・OWNER・MADEモデル
WWANやGPSについて語る前に、VAIO type PのOWNER・MADEモデルについて少し触れておこう。VAIO type Pは、現在、店頭モデルとは別に、ソニーの直販サイト「ソニースタイル」でのみ購入できるVAIO・OWNER・MADEモデルが用意されている。店頭モデルの場合、CPUはAtom Z520、ストレージは60GBの1.8インチHDDとなっており、それ以外の選択肢はない。しかし、VAIO・OWNER・MADEモデルでは、より高速なCPUとSSDを選択することができる。
VAIO・OWNER・MADEモデル限定のオニキスブラック。SSDモデルのため、駆動音は一切なし。ハードディスクのアクセス音がないので、アプリ起動時などは心理的にも待たされている感じが少ない
今回は、評価機としてAtom Z540(1.86GHz)と128GBのSSDという、現段階で最高スペックのtype Pをお借りすることができた。店頭モデルでも、Windows Vistaを若干チューンアップすれば日常的な作業はそれほどストレスを感じなかったが、Atom Z540とSSDの組み合わせでは体感できるほど軽快さが向上する。とくに、アプリ起動時の待たされる感じがかなり低減する。ただし、その分ボディが熱くなりやすい印象も受けた。一定以上の熱さにはならないため、熱暴走などの心配は必要なさそうだが、同じ作業をしていてもボディが熱くなるまでの時間がZ520より少し速いという感じだ。
なお、type Pはファンレスということもあって、SSDの場合は駆動音が完全にゼロになる。HDDの場合もアクセス音が小さいため、駆動音が気になることはあまりなかったが、完全な無音はそれとはまったくの別世界。そのため、少しでも快適さを得たいというならば、VAIO・OWNER・MADEモデルで高速CPUとSSDを選んだ方が後悔はしないだろう。
どこでもつながるWWANの便利さ
type PのWWANモデルは、NTTドコモの回線にのみ対応しているため、使用するにはドコモとの契約が必要になる。回線速度は受信最大7.2Mbpsで、特別回線が込み合っているということでなければADSL程度の体感速度は十分得られる。
WWAN自体は、普通のノートPCでも、携帯キャリアから発売されている通信カードなどを使えば利用できる。しかし、その場合は通信カードをPCに装着する手間が増えてしまう。たいした手間ではないと思うかもしれないが、出先でネットにつなげる際は、その一瞬の手間が結構わずらわしく感じるものだ。
type PのWWANモデルの場合は、バッテリ室にあるスロットにFOMAカードを入れておけば、いつでもどこでも7.2Mbpsの高速回線を利用できるのが非常に便利。WWANのアンテナが内蔵のため、傍目から見てスマートなのもうれしい。アンテナ内蔵といっても、受信感度は十分考慮されているようで、USB接続タイプのデータ通信端末と比べても受信しづらいということはなかった。
FOMAカードスロットは、バッテリ室にあるため、カードを装着するにはバッテリを取り外す必要がある
なお、type PのWWANモデルには、ワイヤレスLANとの同時利用ができないという制限がある。ワイヤレスLANを使っていてWWANに切り替えたいときは、プリインストールされている「VAIO Smart Network」で接続先を変更しなければならない。接続先はワンクリックで変更できるため手間自体はほとんどかからないが、無線LANエリアからエリア外に出るときなどは若干不便。駅構内の無線LANスポットを使う場合など、無線LANとWWANをシームレスに切り替えて使いたい場合もあるので、やはり同時使用ができた方が便利だろう。
WWANとワイヤレスLANは排他的利用になっており、同時に利用しようとするとこのような警告が表示される
「VAIO Smart Network」の画面。各接続先の左端にある四角いアイコンをクリックすることで、アクティブ、非アクティブを切り替えられる
type Pには、データ通信を行う際に必要となるNTTドコモの接続ソフトがプリインストールされている
type Pには、位置情報取得技術「PlaceEngine」が搭載されており、GPSや無線LANを利用して現在位置を取得することができる。WWANモデルの場合は、GPSがあるため無線LANがオフラインでもほぼ正確な現在地情報を取得できるのが便利。
取得した現在地情報は、プリインストールされているスポット探索ソフト「x-Radar」や電子地図ソフト「プロアトラスSV4 for VAIO」で活用することができる。また、Webブラウザを利用して地図情報サイト「PetaMap(ペタマップ)」にアクセスし、現在地の周辺にある飲食店や宿泊施設などをチェックすることも可能。
「x-Radar」は、現在地の半径3キロメートル以内にあるカフェやラーメン屋などのスポットを簡単に探せるアプリだ。現在地情報を取得すると、レーダー表示型の画面に、サーチしたスポットの位置をアイコンで表示してくれる。アイコンを選択すると、スポットの情報を参照することが可能。その際、画面上にある「地図を表示」ボタンを押すと「プロアトラスSV4 for VAIO」でその位置を示してくれる。また、「PetaMap」ボタンをクリックすると、Webサイトにアクセスしてスポットの詳細情報をチェックできる。このあたりのアプリ同士の連携は非常にスムーズで分かりやすく、違うアプリを切り替えて使っている感じがあまりないのがいい。
x-Radarで周辺スポットを検索したところ。左から、「無線LAN」、「カフェ」、「酒場」、「らーめん」モードの画面。このほか「ノーマル」モードもある。それぞれ、移動手段(徒歩、自転車、車)に応じて表示範囲を変えることができる
x-Radar上のアイコンを選択すると、スポット情報を参照することが可能。画面右上の「地図を表示」ボタンと「PetaMap」ボタンで、関連情報をさらに詳しくチェックすることができる
「プロアトラスSV4 for VAIO」では、地図上に現在地を表示した後、そのまま最寄り駅などを検索して目的地までのナビゲーションを行うことが可能。機動性という意味では携帯電話のナビ機能に一歩譲るものの、ローカルに保存されている地図を使うため、地図をスクロールするたびに通信してデータを読み込む必要がないのがいい。また、画面が高精細なので一度に表示できる情報量が多いのもメリットだ。
「プロアトラスSV4 for VAIO」では、現在地周辺の最寄り駅やカフェなどを探して、ルート検索を行うことも簡単
「PetaMap」はスポットの場所を地図上に表示したり、口コミ情報などをチェックしたりできる。ただし、オンラインのときにしか利用できないため、type Pのワンセグモデルなどでは多少使えるシーンが限定されてしまう。その点、WWANモデルなら使いたいときにいつでも利用できるのが非常に便利。電車で移動中に目的地のスポット情報を検索して、着いた後に調べておいたスポットに足を向ける、ということも簡単にできる。出先でカフェや飲み屋を探す機会は少なくないと思うが、そんなときにはとくに重宝しそうだ。
「PetaMap」を利用すれば、スポットの場所を地図上に表示したり、口コミ情報などをチェックしたりできる。オンラインでの使用が前提なので、どこでもネットにつなげるWWANモデルとの組み合わせは非常に快適だ
まとめ
今回、WWANモデルを使用して感じたのは、type Pの機動力の高さだった。どこでもパッと取り出せるサイズだからこそ、WWANのメリットを最大限に活かすことができるのだ、というのを実感した。個人的には、ワンセグモデルとWWANモデルのいずれかを選ぶとしたら、迷いなくWWANを選ぶだろう。ただし、WWANを使うためには、携帯キャリアとの契約が別途必要になる。また、通信費もそれなりの金額がかかってしまう。そのため、投資に見合っただけの元が取れるという人にしかお勧めはできないが、出先でネットにつなぐ機会が多い人であれば比較的簡単に元は取れてしまうのではないだろうか。
なお、今のところtype Pが正式対応する携帯キャリアはNTTドコモのみとなっている。そのため、他キャリアのユーザーにとっては若干ハードルがあるのも事実。その点は、今後の展開に期待したいところである。
■評価機の主な仕様
型番 VAIO type P VGN-P90
CPU Intel Atom Z540(1.86GHz)
チップセット Intel S15W
メモリ 2GB
SSD 128GB
光学ドライブ なし
グラフィックス チップセット内蔵
ディスプレイ 8型ウルトラワイドUWXGA(1,600×768ドット)
オーディオ HDオーディオ、ステレオスピーカー
ネットワーク IEEE802.11b/g/n、Bluetooth、WWAN
インタフェース USB2.0×2、ヘッドホン出力(ステレオミニジャック)×1、メモリースティックDuoスロット×1、SD/SDHC/MMCスロット×1
サイズ 約W245×D120×H19.8(H)mm
OS Windows Vista Home Basic
ソフトウェア Microsoft Office Personal 2007
付属品 ACアダプタ、取扱説明書、スティックポインターキャップ(予備用×2)ほか
価格 149,800円から