FMCを実現するIPモビリティ技術 その1―背景・概要―
ユビキタス社会の実現が望まれる昨今、モバイル端末の無線インタフェース標準搭載化が進み、モバイルWiMAXや無線LANメッシュ化等の無線インフラ高速化、 広域化に向けた技術開発によって、無線アクセスシーンが拡大されつつある。
http://www.bcm.co.jp/itxp/2008/12/cat04/15154012.php
また、それに伴い様々な無線インタフェースを介した固定通信と移動通信の融合 (FMC:Fixed Mobile Convergence)の期待が高まってきており、いろいろな通信 事業者やメーカからサービス提案が示されている。一般的にFMCというキーワードから簡単に思いつくイメージとしては、屋外で利用していた携帯電話が家庭内においては固定電話の子機として使え、通信コストの低減が図れるといったものが思い浮かぶだろう。しかし、広い意味でのFMCが進むと以下のようなサービスのイメージが見えてくる。
図1:様々なFMC利用シーン
図1では3つの異なるアプリケーションの利用シーンを示している。これらのイメー ジで共通するのは、固定回線(例えば、家庭内のWiFi、公衆無線LANスポット)、 移動体通信回線(例えば3.9GやモバイルWiMAX)など、さまざまな環境を渡り 歩きながらも通信を継続している点である。
無線システムは一概に、広域に展開 されるメディアは伝送帯域が狭く低速になり、狭域メディアほど広帯域で高速通信 が可能という特徴がある。これらの異なるメディア間をシームレスに切り替る (=ハンドオーバ)ことができれば、その時にいる場所で最適な通信環境を選択的に利用することが可能になる(図2)。
図2:異メディア間ハンドオーバ
このようなFMCに求められる異メディア間ハンドオーバを実現する技術として検討 されているのがIPモビリティ技術である。IPモビリティ技術はその名の通り、さまざまな無線システムの切替えをIPレイヤで包み隠し、アプリケーションからそれを 意識させないようできる技術であり、実現方式の異なるいくつかの技術が提案 されてきている。
今回からの連載ではこのIPモビリティ技術を紹介していく。まず、次週はIPモビリ ティ技術の中で広く実装製品が展開されてきているMobile IPについて説明する。