無線LANはどうなっている?(2)--手動での設定やアドホック・モードの利用も可能
Vistaでは,自動設定ができない場合や,アクセス・ポイントがない場所であらかじめ無線LANの設定をする場合のために,無線LANの設定を手動で実行することもできる。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080912/314730/
無線LAN接続を手動で設定することも可能
具体的には,図2で示したアクセス・ポイントの一覧画面の下にある「接続またはネットワークをセットアップします」を選び,「接続オプションを選択します」という画面で「ワイヤレス・ネットワークに手動で接続します」を選べば手動での設定画面を表示する(図3)。
図3●ワイヤレス・ネットワークを手動で設定する手順
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このVistaの画面は,XPの「ワイヤレス・ネットワークのプロパティ」で「アソシエーション」タブを開いた画面に相当する。ネットワーク名(SSID),セキュリティの種類,暗号化の種類,セキュリティ・キー,と表示される項目の名前はやや変わっているが,設定内容はほとんど同じだ。この中の,「セキュリティの種類」の部分を見ると,XPとの違いがよくわかる。
XPではWEPを表す「オープンシステム」と「共有キー」,それに「WPA」と「WPA-PSK」だったが,Vistaでは「WEP」,「WPA」,「WPA2」から選択でき,さらにWPAとWPA2には「エンタープライズ」と「パーソナル」の2種類が存在する。このパーソナルとエンタープライズの違いは,IEEE802.1X認証を使うかどうかだ。
エンタープライズを選ぶと,IEEE802.1X認証に基づき,認証サーバーを使ってユーザー認証や暗号鍵の発行を行う。もう一つのパーソナルでは「PSK」方式を用いる。PSKとは,TKIP暗号プロトコルの暗号鍵を生成するための鍵である。「暗号鍵を生成するための鍵」を事前に共有することで,認証サーバーがなくてもお互いに通信できるわけだ。
それ以外の項目についても簡単に説明しよう。
「暗号化の種類」はTKIPやAESなどから選択する。セキュリティ・キーの入力はXPと同じだ。その下にある「この接続を自動的に開始します」は,設定後すぐに接続を始める設定である。「ネットワークがブロードキャストを行っていない場合でも接続する」はアクセス・ポイントの電波がない場合でも接続を試みる設定だ。この設定はセキュリティ上の危険があることを知っておこう。
APがないアドホック・ネットワークで使う
無線LANを搭載したノート・パソコン同士を,手軽に接続したいときは,アクセス・ポイントを使わない「アドホック・ネットワーク」が便利だ。
Vistaでアドホック・ネットワークを利用するには,「ワイヤレス・ネットワークに手動で接続します」の画面で,「アドホック・ネットワークを追加します」をクリックする(図4)。アクセス・ポイントのSSIDと同様に相手を識別する役割を果たす「ネットワーク名」として適当な文字列を入力し,「セキュリティの種類」を相手と揃える。セキュリティの種類はデフォルトでは「WPA2-パーソナル」になっているが,接続相先がWPA2をサポートしていないXPならばWEPなどへ変更する。
図4●アドホック接続の設定を開始する画面
後は通信相手でも同じ設定をする。例えば,XPでは,「ワイヤレス・ネットワーク接続のプロパティ」画面で「詳細設定」ボタンをクリックし,「コンピュータ相互(ad hoc)のネットワークのみ」をチェックしてからウインドウを閉じ,「優先ネットワーク」の「追加」ボタンを押して「ワイヤレス・ネットワークのプロパティ」画面で「アソシエーション」タブに同じ内容を設定する。
これで,VistaパソコンとXPパソコンが,無線でアドホック通信することができるようになる。
Vistaを高速化する「Windows ReadyBoost」
Windows VistaではXPよりも多くのメモリーが求められる。そのため,XPが快適に動作していたマシンも,Vistaにアップグレードすると遅くなったと感じてしまうかもしれない。そんなときはメモリーの増設が効果的だが,特にノート・パソコンでメモリーを増やすのは簡単ではない。そこで,Vistaでは外付けのフラッシュ・メモリーをメイン・メモリーのように利用する方法が用意されている。それが「Windows ReadyBoost」だ。
XPまでは,アプリケーションからメモリーの要求があると,まず物理メモリーにその領域を作成しようとする。もし物理メモリーに空きがない場合は,メモリー上で最近利用されていない部分をいったんハードディスクへ退避させて空きを作り出していた。これを「オンデマンド・ページング」という。
Vistaでは,アプリケーションや日時,ユーザーがマシンを利用している状態などを判断して,メモリーの中身をディスクに退避させる。これを「SuperFetch」と呼ぶ。SuperFetchでは,過去のユーザーの行動パターンを追跡し,利用頻度の高いタスクをなるべくメモリーに保持するようにする。また,メモリーに空き容量がある場合,ギリギリまでメモリーにデータを読み込む。このSuperFetchの退避先をフラッシュ・メモリーにする技術がReadyBoostだ。
ReadyBoostに利用できるのは,USBメモリーやSDカード,コンパクトフラッシュ・カードなど。これらのメモリーを挿し込むと自動的にメニューが表示される(図A)。ただし,どんなメモリーでも利用できるわけではなく性能の制約がある。筆者も1年前に購入した1GバイトのUSBメモリーを挿入してみたが,「システムの高速化-Windows ReadyBoost使用」は選択できたが,クリックすると利用できないと表示されてしまった。
図A●USBメモリーなどを挿入すると自動的にメニューが表示されWindows ReadyBoostが利用できる
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実際に使用してみた感じとしては,複数のアプリケーションを起動している場合は,確かに起動や切り替えが速くなったようだ。だが,WordやExcelを単体で利用している分には特に変化は感じられず,メモリーに余裕がある状態では効果が小さいのだろう。
中島 省吾
メディアプラネット社長
テクニカル・ライターとしてネットワークやソフトウエア関連の記事を執筆するほか,企業研修の企画・講師,ソフトウエアの開発などを手がける。
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[2008/11/04]