家電選び:プリンター最新機種チェック(日本HP編)
進化し続ける日本HPのプリンター
http://mainichi.jp/life/electronics/news/20081106alb00m070030000c.html
日本HPのプリンターと言えば、近年までは「エプソンやキヤノンほど高機能・高画質ではないが、安くて印刷速度が速い」というイメージがあった。「ふちなし印刷」や「DVD・CDレーベル印刷」のような日本メーカーならではの「かゆいところまで手が届く感」はないものの、世界中を相手にする圧倒的なセリングパワーで、低価格プリンター・複合機を提供するといったところだろうか。
無線LANなどのネットワーク機能は他社に先駆けて搭載していたものの、「年賀状や写真印刷などに用いる一般ユーザー向け」というよりは「書類印刷にも用いる個人事業主・SOHO向け」という感が強かった。
だがこの2~3年の間で、日本HPの「出遅れ感」はほぼ払拭されたと言っていい。ふちなし印刷やレーベル印刷、ダイレクト印刷への対応、カラー液晶搭載などの面ではほぼ並んでおり、印刷速度やネットワーク機能など、逆に凌駕している部分もある。写真印刷の画質については、まだキヤノンやエプソンに一日の長があるようにも思えるが、その差はわずか。「写真を印刷するならキヤノンかエプソン」という状況に日本HPが堂々と加わったと言える。
日本HPのプリンター・複合機のインクカートリッジは「ヘッド一体型」のため他社に比べて高価なのが難点であったが、最近のモデルではヘッド分離型を採用(一部ローエンドモデルではヘッド一体型もある)している。ヘッドの具合が悪くなった時点で修理・交換か買い替えを強いられるヘッド分離型に比べて扱いやすいのだが、やはりコストパフォーマンスの低さからユーザーに受け入れられにくかったのだろう。こうした点でもエプソンやキヤノンに並んだと言える。
さて最新モデル4機種を見ていこう。
今回のシリーズの特徴は「DDV(デュアルドロップボリューム)テクノロジー」の採用による高画質化と、顔料系インクの採用による「黒の締まりの向上」だ。前モデルまでは最小インク滴5plの6色独立インク(C・M・Y・K・LC・LM)だったが、今回はC・M・Y・K・pK(フォトブラック)の5色独立インクを採用。
6色から5色に減り、しかもそのうち2つを染料系と顔料系ブラックが占めているため、画質的には悪くなったように思える。だが最小インク滴が1.3plになっただけでなく、必要に応じて1.3plと5.2plのインク滴を使い分ける「DDV」を採用することで、画質と速度の両立を実現している。また、顔料系ブラックを採用したことで、それまでは「グレー」でしかなかった黒の表現をより向上している。
日本HPの家庭向け複合機には、残念ながらADF(自動原稿読み取り装置)搭載モデルはない。オフィス向けモデルにはあるのだが、家庭に設置するには大きすぎるという難点がある。「家庭向けながらADF付き」というのはエプソンが今シーズンにチャレンジした分野だが、日本HPのモデルにも今後登場することを期待したい。
■注目は最上位モデルの「HP Photosmart C6380」
注目はやはり最上位モデルの「HP Photosmart C6380 All-in-One」だ。DDVによる高画質印刷だけでなく、A4最速31枚/分、L判最速15秒という高速プリントを実現。無線・有線LANも搭載しているので、設置場所を選ばないというのもうれしい。前面2段トレイ採用で、2種類の用紙を同時にセット可能。給紙時にプリンタが自動的に用紙に最適な印刷設定を選択するため、「用紙間違い」による印刷の失敗をせずにすむというのも便利である。ただし、DVD/CDレーベル印刷には非対応なのが残念なところだ。
価格的にも、実売2万7800円前後というのは財布にやさしい。レーベル印刷は必要ないというのであれば、かなりお薦めのモデルだ。
■ネットワーク機能が不要なら「HP Photosmart C5380」
全体的にバランスがいいのは先述したC6380だが、「PC1台で使うので、ネットワーク機能は不要!」と言い切る人にとってベストバイと言えるのは「HP Photosmart C5380」だ。LAN機能は非搭載だが、DVD/CDレーベル印刷には対応している。オプションでBluetoothにも対応しているので、「ノートPCからはBluetooth経由で印刷できればOK」という人にもオススメできる。
■印刷頻度が低い人には「HP Photosmart C4580」
今回紹介する最新モデルの中で唯一ヘッド一体型インク(4色/6色交換式)を採用するのがこの「C4580」だ。ヘッド一体型インクは印刷コストが高いのが難点だが、ヘッドクリーニングでも解決しない深刻なノズル詰まりの際にも、インクを交換するだけですむのが利点と言える。逆にヘッド分離型は、そのような場合にヘッドの交換や修理が必要になってしまう。「写真や年賀状などが中心で、ひんぱんに印刷しないユーザー向け」(日本HP)とのことだ。最小インクサイズは従来と同様の5plで解像度も4800×1200dpiと低めだが、無線LAN機能は内蔵しているのもお買い得な点と言える。
■レーベル印刷にも対応するプリンター専用機「HP Photosmart D5460」
スキャナーやコピー機能が不要であれば、D5460もお薦めだ。最小インク滴1.3plの5色独立インクを採用する点はC6380やC5380と同様で、有線LANや無線LANには非対応なものの、Bluetoothにはオプションで対応。DVD/CDレーベル印刷にも対応するので、低価格でも印刷にこだわりたい人には最適のモデルと言える。