電力線通信試用記【対ノイズ性調査編】
ノイズの影響はどの程度あるのか
今回の調査では、PLCの実効速度に影響を与えるといわれているACアダプタの影響がどの程度あるかを調べてみました。それに併せて、PLCの接続方法を掲載しますので、参考にしてください。
http://allabout.co.jp/internet/lan/closeup/CU20061204A/
PLCの接続方法
PLCモデムは、ブリッジ(スルーするだけの機器)として作動するのでIPアドレスを割り振る必要はありませんが、今回の調査ではnasのftpサーバを利用しますので、nasにIPアドレスをルータで割り振ることにしました。
nasとは、ネットワークに直接接続して使用するファイルサーバ専用機です。ハードディスクとネットワークインターフェース、制御用オペレーティングシステム、管理用ファームウェアが一体化されたコンパクトな単機能サーバです。そのため、持ち運びが簡単なので、今回以降住宅での調査用として利用することにしました。先回利用したftpサーバは、処理能力は高いのですが持ち運ぶことができません。
それでは、まずPLCモデムの代表的な接続方法を写真で紹介します。写真の下にある解説と併せてご覧ください。
・左がBBルータ、端末にIPアドレスを設定する。
・右はNASのftpサーバ。ftpサーバには約5MBytesの送信テスト用ファイルが保存してある。
・両機の電源は、ノイズを防ぐためPLCモデムとは別のコンセントから取ることにした。
・接続方法ですが、まずルータとnasを赤いLANケーブルで結線。
・水色のLANケーブルは、次に述べるようにPLCモデムのLAN端子に結線。
・ちなみに、PLCモデムの接続ポートは、LAN端子1つしかない。ほかには電源コードがあるのみ。
PLCモデムを接続する
・先ほどの水色のLANケーブルがPLCモデムに接続してある。
・PLCモデムの電源は、本体の電源供給と電波を電灯線に送る役目がある。
・上が先ほど説明した親機側のPLCの電源コード。
・下は、子機側のPLCに接続されている。
・実際には、この電源プラグを離れた場所にさして利用する。
・子機の電源が接続されている。
・黄色のLANケーブルは、実効速度を測定する端末に接続する。
・この端末(AMD1.3GHz)で実効速度を測定。
ノイズの無い状態の実効速度を計測
参考までに、これはnasのファームウェアでの設定画面
下にIPアドレスが表示されている。
ノイズの影響を見るまえに、何もノイズ源の無い状況で実効速度を計測してみました。コンセントに 親機と子機の電源プラグを並べて差し込んで計測します。計測には、3回連続して安定した速度が表示された値を採用しました。
・ダイレクト接続の場合の値
ftp: 5774409 bytes received in 1.41Seconds 4089.52Kbytes/sec.
ftp: 5774409 bytes received in 1.44Seconds 4004.44Kbytes/sec.
ftp: 5774409 bytes received in 1.44Seconds 4004.44Kbytes/sec.
約32Mbps
先回の測定のように60Mbpsとは行きませんが、LANやインターネットを利用するには十分な速度でしょう。この速度を基準値としてどの程度遅くなるかで ノイズの影響を調べてみたいと思います。
ACアダプタをすぐ近くに差し込んだ場合
さて、ACアダプタの影響を計測してみましょう。まずは、iPodのACアダプタ(1,000円程度の非純正品)を並べて差し込んでみました。安価な製品なのでノイズ対策などの付加機能はないと思われます。
iPodの安物ACアダプタを差し込んでみた。
さて、結果はどうでしょうか?
・同じコンセントにiPODのACアダプタを刺した場合の値
ftp: 5774409 bytes received in 1.69Seconds 3410.76Kbytes/sec.
ftp: 5774409 bytes received in 1.73Seconds 3332.03Kbytes/sec.
ftp: 5774409 bytes received in 1.73Seconds 3332.03Kbytes/sec.
約26.8Mbps (基準値:32Mbps)
基準値の83%の速度しか出ていません。17%の速度減少ということろです。マニュアルには、かなり影響があるような表現になっていますが、実際はある程度の影響となっています。もちろん、通信がとぎれたりすることはありませんでした。しかし、同じコンセントにACアダプタを刺すことは避けた方がよいのは事実です。
コード付きのACアダプタの影響は?
次に、 ノートパソコンのAC電源で、1mほどのコードが付いているACアダプタを試してみました。コードがあるため、ACアダプタの本体はPLCモデムの電源プラグから離れたところにあることになります。
・右側がノートパソコンにつながっている。
・左側は、1m程度のコードを介してコンセントにつながっている。
ノートパソコン側
壁のコンセント側。一番上にACアダプタからの電源プラグを刺してある。
・同じコンセントにノートパソコンのACアダプタ(延長コード付き)を刺した場合の値
ftp: 5774409 bytes received in 1.57Seconds 3673.29Kbytes/sec.
ftp: 5774409 bytes received in 1.57Seconds 3673.29Kbytes/sec.
ftp: 5774409 bytes received in 1.56Seconds 3696.80Kbytes/sec.
約29.4Mbps (基準値:32Mbps)
基準値より速度が低下していますが、先ほどのiPodのACアダプタの計測値が26.8Mbpsでしたので、ある程度速度が回復しています。
これで、ACアダプタ本体がPLCモデムの電源プラグのすぐ近くに無ければ、影響が少なくなることが分かりました。ACアダプタは部屋の中に数多くあります。しかし、PLCモデムの電源プラグからは屋内配線で結構な距離を保っているので、影響が少ないのであろうと思われます。
次回は、PLCモデムを導入予定のご家庭に伺って、いろいろな場所で実効速度を計測してみたいと思います。実験に使う機器は、今回と同じです。近々UPできると思いますので、ときどきLANサイトを訪れてくださいね。お願いします。