MIMO対応802.11n製品の市場投入が加速、無線LAN業界団体は混乱を懸念
無線LAN(Wi-Fi)の普及に取り組む業界団体「Wi-Fi Alliance」は、無線LAN技術の最新規格である「IEEE 802.11n」に対応したさまざまな製品が市場に投入され始めたことで、消費者が混乱するかどうかについて懸念している。その答えは現時点では誰にも分からない。
http://eetimes.jp/article/22496/
IEEE 802.11nは、複数のアンテナを利用するMIMO(Multiple Input Multiple Output)技術にオプションで対応しており、MIMO対応のIEEE 802.11n製品と一言で言っても、実際には利用するアンテナの数が製品ごとに異なる。
米Atheros Communications社は2008年10月27日(米国時間)、パソコンやルーター、セットトップ・ボックスなどに向けて、IEEE 802.11n規格に準拠した1ストリーム対応の無線LANチップを発売した。一方で新興ベンダー各社は、3~4本のアンテナを使うMIMO対応品をサンプル出荷している。多くのベンダーが供給する、2本のアンテナを使うMIMO対応品に比べて、無線通信距離が長く、高いスループットが得られることを訴求する。
Wi-Fi Allianceでエグゼクティブ・ディレクタを務めるEdgar Figueroa氏は、「互換性に関しては何も問題無いと考えているが、民生向け通信に関しては注意を払っている」と述べている。
同団体では、総合マーケティング・グループとIEEE 802.11n規格に特化したグループの両方で、市場に投入されるIEEE 802.11n対応チップが比較的急速に多様化したことの影響を議論している。例えば、IEEE 802.11n対応製品がオプションであるMIMO対応アンテナを採用しているかどうか見分けられるようなロゴ・マークの新設を検討しているという。
「こうしたロゴ・マークが必要かどうかを見極めているところだ。結果として、何もしないことになるかもしれない」(Figueroa氏)。同氏は、MIMO技術をめぐるこの取り組みに関して、期限を設けていないという。「Wi-Fi Allianceでは民主的に作業を進める。そのため、ときには予測を立てることが難しくなる」(同氏)。
この取り組みとは別に、Wi-Fi Allianceは2008年10月28日(米国時間)、同日までに累積で5000点の無線LAN製品を認証したことを公表した。
Figueroa氏はこれについて、「直近の1000点については、認証に要した時間は1年以下だった。認証作業に関していえば、これまでで最も活発な1年だった」と述べている。 同団体はこのほか、安全性の高い無線LAN接続をより簡単に設定する方法についての研究も進めている。その方法の1つは、通信を確立したい2つのシステムそれぞれにUSBデバイスを差し込むことで、安全な無線LAN接続を構築するというものだ。この技術は、早ければ2009年1月に開催される「2009 International Consumer Electronics Show(CES)」で発表される可能性がある。
「民生向け機器は単純なポイント・ツー・ポイント型の接続を採用するものが多く、複雑なネットワーク構築を必要としない」(Figueroa氏)。
(Rick Merritt:EE Times、翻訳:仲宗根佐絵、編集:EE Times Japan)