Centrino 2の性能を手にしたエプソンダイレクトの主力ノート「Endeavor NJ3100」をチェックせよ!
エプソンダイレクトのスタンダードノートPCが最新の「Montevina」プラットフォームを採用して生まれ変わった。手の届きやすい価格帯でありながら、高い性能を実現した注目の1台である。
Centrino 2に対応した15.4型ワイド液晶ノートPC
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/0810/02/news001.html
Endeavor NJ3100 エプソンダイレクトは、Linux搭載モデルも含めると全6機種のノートPCをラインアップしているが、ここで紹介する「Endeavor NJ3100」は、ミドルレンジクラスの15.4型ワイド液晶搭載モデルだ。本機の前身である「Endeavor NJ3000」が、Intel GM965 Expressチップセットを中核としていたのに対し、本機はIntel 4シリーズのモバイルPC向けチップセットであるIntel GM45 Expressを採用し、BTOメニューにFSB 1066MHzをサポートしたCore 2 Duoを用意している。最新のCentrino 2プラットフォームに対応する要素を盛り込むことで、従来モデルをしのぐ性能を獲得したのが最大の特徴だ。
また、基本システムを一新する一方で、Core 2 Duo搭載時で8万円台、Celeron搭載時で6万円台と、より買い得感の強い製品に生まれ変わった。グラフィックス機能についても、Intel GM45チップセット内蔵のグラフィックスコア(GMA 4500MHD)は、従来モデルのGMA X3100に比べて動作クロックが400MHzから533MHzに引き上げられており、Windows Vista(特にWindows Aero)の動作については、NJ3000より明らかにスムーズであると考えていい。それではさっそくEndeavor NJ3100をチェックしていこう。
自由自在にスペックを調整できるBTOメニューを用意
エプソンダイレクトの製品と言えば、まず思い浮かぶのが豊富なBTOメニューだ。NJ3100ではCPUをCore 2 Duo T9600(2.8GHz)/同T9400(2.53GHz)、Core 2 Duo P8600(2.4GHz)/同P8400(2.26GHz)、そして低価格構成向けのCeleron 575(2GHz)を加えた5種類から選択できる。また、メインメモリにはPC2-6400対応のDDR2 SDRAMを採用し、最大4Gバイトを搭載した状態で購入することが可能だ(ただし、選択できるOSはいずれも32ビット版となるため、実際にユーザーが利用できるメインメモリは3Gバイト強にとどまる)。
背面のカバーを外すとほとんどのパーツにアクセスできる。評価機にはIEEE802.11a/b/g/n(ドラフト2.0)対応の無線LANモジュールが実装されていた。BTOでIntel Turbo Memoryを追加できるMini PCI Expressカードスロットも見える さらに、BTOには2GバイトのIntel Turbo Memoryが用意され、これを導入することで、Windows Vistaの起動時間を高速化したり、アプリケーションのレスポンスを向上できる。このほか、無線LAN機能にはIEEE802.11a/b/g/n(ドラフト2.0)をサポートしたIntel WiFi Link 5300 AGNが用意された。すでに無線LAN環境を整えたユーザーがノートPCの買い替え対象として本機を選んだ場合でも、既存の無線LANルータをそのまま利用できるほか、新規にIEEE802.11n対応の無線LANルータを導入すれば、有線LAN(100BASE-TX)環境にも引けをとらない高速な通信速度を実現できる。エプソンダイレクトショップでは本体と同時にIEEE802.11n対応の無線LANルータを購入することもできるので、無線LANの速度を改善したい人や、新たに無線LAN環境を整えたいという人は、ぜひこちらの導入も検討したいところだ。
用途に応じて選べる3種類の液晶パネル
1440×900ドット表示対応の高解像度液晶には光沢/非光沢パネルの2種類が用意されている。このほか1280×800ドット表示のパネルもある BTOメニューの見どころはほかにもある。それが、ユーザーの使い道に合わせて選択できる液晶パネルだ。本機の液晶パネルは、解像度を1280×800ドットと1440×900ドットの2つから選択できるほか、1440×900ドット液晶では、通常の非光沢パネルと、光沢タイプの「あざやか液晶」のいずれかを選択することが可能だ。
非光沢パネルは液晶パネル表面での外光反射を軽減するため、照明が直接映り込むような環境でも高い視認性を確保できる。一方、あざやか液晶はバックライトからの光が液晶パネル表面で散乱することなく目に届くため、DVDなどの映像コンテンツや、デジタルカメラで撮影した写真などを表示した際の見栄えがいい。表計算ソフトやワープロソフトを多用する実用中心の使い道なら非光沢パネル、各種メディアコンテンツを再生するホビーユースが主体となるならあざやか液晶を選ぶといいだろう。
なお、今回の評価に用いた機体には、1440×900ドット表示の非光沢液晶が搭載されていた。この解像度はデスクトップPC用の液晶ディスプレイであれば19インチクラスに相当するため、メインPCとしてもデスクトップ領域は十分に広い。予算が許せばこちらがおすすめだ。また、実際に部屋のいろいろな場所で使ってみたが、蛍光灯の映り込みが画面の視認性を妨げることもなく、使い勝手は総じて良好だった。
使い勝手にこだわった入力環境とインタフェースのレイアウト
続いてインタフェース回りの評価に移ろう。コネクタ類は、本体右側面の後方と背面の右半分に集中している。右側面の端子類が手前側にないのは、一見するとマイナス要素にも思えるが、実際に使ってみると背面を含めすべての端子類が右手の届きやすい場所に搭載されているのが分かる。また、4基のUSB 2.0端子が、側面と背面に2基ずつ分散して搭載されることから、USBメモリや携帯オーディオプレーヤーといった着脱頻度の高い機器は手の届きやすい側面に、プリンタや外付けHDDなどの常時接続する機器はケーブルがじゃまになりにくい背面と使い分けることが可能だ。
本体前面/背面/左側面/右側面
メモリカードスロットは、右側面の最も奥にExpress Card 34/54スロットとSDメモリーカード(SDHC対応)/マルチメディアカード/メモリースティックスロットを2段重ねで搭載する。メモリカードスロットは、位置を示す切り欠きがあるので、いちいち側面を覗き込まなくてもスムーズにカードを着脱することができた。背面にはアナログRGB端子とHDMI出力端子の2つの映像出力端子が搭載されている。HDMI端子には、別売のHDMI-DVI変換アダプタを介してDVI接続のデジタル液晶を接続することも可能で、手持ちのディスプレイやリビングルームの大画面テレビに本機の映像を映し出すといった使い方もできる。
タイピングしやすい19ミリピッチのキーボードを搭載 入力環境の要であるキーボードは、縦横とも19ミリと余裕たっぷりのピッチを持った正方形キートップを採用する。文字/記号キーに縮小ピッチを採用したキートップは存在せず、EnterキーとBackSpaceキー、右Shiftキーにも極めて余裕のあるサイズが与えられており、高速でタッチタイプを行なっても配列が原因でキーを押し間違えることはなかった。なお、左CTRLキーと、その外側にあるFnキーは、BIOS設定でその位置を入れ替えられる。これはCTRLキー併用のショートカットを多用する上級者にとってうれしい配慮だろう。また、右側のAltキーとWindowsアプリケーションキーも同様に、BIOS設定から位置を入れ替えられる。キータッチは押し始めにやや抵抗があり、さらに押し込むとスコンと底を打つ、歯切れのよい感触が特徴だ。また、ボトム時の感触がソフトで突き上げるような反動がないことから、長文を入力しても疲労を感じにくい。
キーボードの奥には、中央の電源ボタンを挟んで左側にCapsLockとNumberLockの状態を示すLED、右側に液晶のワイド表示/スクエア表示を切り替える専用ホットキーと無線LAN機能のスイッチが用意される。アプリケーション起動用のワンタッチボタンや、音量調節/液晶の輝度調節用ボタンは用意されないものの、Fnキーとファンクションキーの併用により同等の機能を利用することができる。
また、外部接続したディスプレイと内蔵液晶の表示切替や、タッチパッドのオン/オフも、Fnキーとファンクションキーの組み合わせでスマートに行なうことが可能だ。タッチパッドは左右ボタンが大きく、軽めの力でもクリックできるため使い勝手はよい。なお、試用中はシステムに強い負荷をかけた状態でも過度な発熱は見られず、キーボードがわずかに温まる程度にとどまっていた。本体後部に設けられた排気口からは、高負荷時には排気が少なからず吹き出していたが、液晶が防音壁の役割を果たすため、ファンノイズを不快に感じることもない。さらに、パームレストには梨地状の細かな凹凸を持った塗装が施されており、手が汗ばんでパームレストが肌に張り付く不快感を軽減してくれる。こういった細かい配慮は、同社の製品が本当にユーザーの立場にたった視点で作られていると感じさせるものだ。
Centrino 2がもたらすワンランク上のパフォーマンス
それではベンチマークテストの結果から本機の性能をチェックしていこう。今回は、過去のレビューで計測したNJ3000のベンチ結果も同時に掲載し、最新のCentrino 2プラットフォームがもたらすパフォーマンス向上を具体的に確認していく。
評価機の仕様は、Core 2 Duo T9400(2.53GHz)、メモリ2Gバイト、7200rpmの120GバイトHDDという構成で、グラフィックス機能には前述のとおりチップセット内蔵のGMA4500 MHDを採用している。Intel Turbo Memoryは未搭載だ。このスペックを見る限り、評価機は性能と価格のバランスを重視したコストパフォーマンス構成といっていいだろう。なお、比較対象となるNJ3000のメモリ容量は、評価機の半分である1Gバイトになっている。
ベンチマークテストに使用した評価機
製品名 CPU チップセット メモリ HDD Intel Turbo Memory
Endeavor NJ3100 Core 2 Duo T9400(2.53GHz) Intel GM45(GMA 4500MHD) 2048MB 120GB(7200rpm) なし
Endeavor NJ3000 Core 2 Duo T7800(2.6GHz) Intel GM965(GMA X3100) 1024MB 120GB(7200rpm) あり
Windows エクスペリエンス インデックス まず、Windows Vistaの動作状況を知る手がかりとなるWindows エクスペリエンス インデックスは、基本スコアがゲーム用グラフィックスの3.8で、従来モデルのNJ3000から0.4の向上となった。さらに、Windows Aeroの動作状況を示すグラフィックステストの結果も、NJ3000を0.7上回る4.1に伸びた。Windows Vista Home Premium以上のエディションでは、本機が確実に使い勝手の向上を果たしているのを確認できる結果だ。またCPU、メモリ、HDDのテスト結果も、メインマシンとして利用するのに不安を感じないスコアとなっている。
PCMark05の結果も、PCMarksが5383と家庭用PCとして十分な性能を示す結果となった。今回の評価機にはIntel Turbo Memoryが搭載されていないにもかかわらず、Intel Turbo Memoryを有効にしたNJ3000を上回るスコアを残している点に注目だ。Centirno 2プラットフォームの優位性がはっきりと確認できる結果と言えるだろう。
3DMark06のスコアも、1024×768ドット時で1104、フルスクリーン表示の1440×900ドット時で904と、これもチップセット内蔵のグラフィックス機能を採用したノートPCとしては良好な結果だ。NJ3000と比較してほぼ倍増となる大幅な伸びを達成している点も見逃せない。本格的なゲーミングPCとして運用するにはやや性能不足かもしれないが、それでも3Dアプリケーションへの対応力は確実に向上している。一方、Final Fantasy オフィシャルベンチマークテスト3の結果は、低解像度モード、高解像度モードともNJ3000とほぼ横並びという結果に落ち着いた。これは同テストがCPU性能に依存するところが大きいためと判断できる。
PCMark05(画面=左)/3DMark06(画面=中央)/FFベンチ(画面=右)
スタンダードノートPCの「王道」を行く正統派の1台
従来モデルとほぼ同じ価格帯で、最新のMontevinaプラットフォームに移行し、さらにBTOでCentrino 2構成も選択できるEndeavor NJ3100は、メインPCとしての十分な性能を備えつつ、手の届きやすい価格を実現した“究極のコストパフォーマンスモデル”と言っていい。
価格を優先して購入機種を決定することの多いミドルレンジノートPCにとって、コストパフォーマンスの高さは大きな魅力であり、購入を決定付ける有力な動機になりうる。また、CPUやメモリ/HDD容量、Intel Turbo Memoryの有無だけでなく、解像度や画質、視認性にこだわって液晶パネルにまで選択肢を用意した柔軟性の高いBTOは、日本を代表する直販PCメーカーである同社ならではだ。
グレーとブラックの筐体に、性能や使い勝手といった本質の部分をしっかりと練り上げた本機は、スタンダードノートPCのまさに“王道”を行く1台と言えるだろう。