ネットクリアスシステムズ、低消費電力無線LANベースバンドLSIを開発
ネットクリアスシステムズは18日、低消費電力無線LAN用ベースバンドLSI「NCL2000 Wi-Fi Processor LSI」を開発したことを発表した。
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/09/18/031/
同製品は、IEEE802.11a/b/gに準拠し、同社が2005年より開発してきたネットワークプロセッサ「ARTESSO」を搭載している。
ARTESSOは、Advanced Real Time Embedded Silicon System Operatorの略称でハードウェア化したリアルタイムOSをベースに、32ビットRISCタイプCPU、メモリマネジメント機能、広帯域DMA、ハードウェア機能モジュールのシステムコール化、ハードウェアISR機能を搭載したプロセッサ。
ARTESSOは定型処理部分とOSのハードウェア化により、性能向上を実現している
同LSI上で稼働するソフトウェアは、従来の無線LANチップでは一般的なPHYレイヤの制御、802.11MAC処理の一部を担うほか、TCP/IPプロトコルスタックも実装している。また、OSのハードウェア化により従来のソフトウェアによるTCP/IP処理と比べ、OS処理ならびにチェックサムの時間を短縮することが可能だ。そのため、TCP/IPでのスループットを向上させることができる。
TCP/IP処理性能と動作クロック
同社が行った実験では、20MHzのクロック周波数でTCP/IPにおける802.11gの最大スループットを実現したほか、TCP/IPパケットジェネレータを用いた評価では、一般的な組み込み向けRISCプロセッサ(50MHz)を用いた評価ボードで11Mbpsだったものが、ARTESSO(50MHz)の評価ボードでは125Mbpsと10倍程度の性能向上を実現したという。
スループット評価の概念図(左)と結果(約10倍程度向上しているのが分かる)
また、TCP/IPのスループットを向上させると消費電力も上昇するが、54Mbps送受信中のピーク(TCP/IP処理含む)でも150mW以下を実現しているほか、待ち受け時はDTIM=3(約300msec間隔の間欠受信)で高周波部の消費電力を含め1mW以下を実現しているという。
TCP/IPスループットと消費電力の比較
なお、同社によれば、同製品の量産は2009年中に開始する計画としている。