“黒くて円いVAIO”はリビングPCの新境地を開くか?――「VGX-TP1DQ/B」徹底検証(前編)
PC市場には廉価機があふれ、BDレコーダーも価格がこなれてきた。そんな中でリビングPCはどこに価値を見いだすのか? ソニーの回答、それが新型TP1だ。
円形VAIOの最新モデルはどうなっている?
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/0808/06/news045.html
「TP1」シリーズの最新モデル「VGX-TP1DQ/B」 ソニーのテレビサイドPCこと「TP1」シリーズは、リビングや書斎のテレビをディスプレイとして使うことを想定した、テレビ録画機能付きのデスクトップPCだ。初代モデルは2007年1月に登場し、一見PCとは思えない斬新な白くて円いボディで注目を集めた。
TP1はいわゆる“リビングPC”ということで、テレビ視聴・録画機能を重視している一方、ハイスペックなセパレート型PCほどの性能と拡張性はなく、ノートPCのような携帯性も備えていない。つまり、ユーザーにとっては、単なる「PC+レコーダー」を超えた機能や使い勝手を実現しているかどうかが選択のポイントになる。
ここでは、7月5日に発売された今夏モデルの中から、店頭販売中の上位機「VGX-TP1DQ/B」(実売20万円前後)について、前モデルから一新されたテレビ機能の使い勝手を中心にリポートし、TP1ならではの魅力を探っていく。今夏モデルの概要については、既報のニュース記事を参照してほしい。
従来モデルを踏襲した基本スペックながら十分快適
底面に2基のSO-DIMMスロットを用意 まず、VGX-TP1DQ/Bの仕様をポイントだけおさらいしておこう。HDDは容量をかせぐためにデスクトップPC用の3.5インチタイプだが、CPUやチップセット、メモリ、光学ドライブなどはノートPC用のパーツを積極的に用いており、リビングに置くPCらしく、本体の小型化、省電力化、静音化に配慮している。
Core 2 Duo T8100(2.1GHz)を採用したCPUや、Intel PM965 Expressチップセット、GeForce 8400M GT(グラフィックスメモリ256Mバイト)をおごるGPU、7200rpmで500GバイトのSerial ATA HDD、Blu-ray Discドライブといった、PCとしての基本スペックは今春モデルの「VGX-TP1DTW」と同様だ。
ただし、2Gバイトのメインメモリは、1Gバイトモジュール2基から2Gバイトモジュール1基の構成に変更されており、最大容量の4Gバイト(2Gバイト×2)に拡張する際に、初期搭載のメモリモジュールを無駄にすることがなくなった。底面のネジ止めされたカバーを外すと、2基のSO-DIMMスロットが現れるので、購入時に空いている1基のスロットに2GバイトのPC2-5300モジュールを装着すれば、4Gバイトまで増やせる。
Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアを見ると、最も低いメモリが5.0で、プロセッサが5.1、グラフィックスが5.9(ゲーム用グラフィックスは5.3)、プライマリハードディスクが5.7と高いレベルでバランスがとれており、高度な3Dグラフィックス性能を求めるゲームタイトルのプレイこそ難しいが、テレビとレコーダーとしての機能を中心に使うならば十分なスペックといえる。
ただし、地上デジタル放送を大量に録画することを考慮すると、データストレージについては不安も残る。2層BD-R/REの書き込みに対応したBlu-ray Discドライブの記録速度が、スリムドライブのために控えめ(1層BD-R/REが2倍速、2層BD-R/REが1倍速)なのは仕方ないとしても、500GバイトというHDD容量には心もとなさを感じるユーザーもいるだろう。
ソニー直販のVAIOオーナーメードモデル「VGX-TP1QS」ならば、1TバイトのHDDも選択できるので、より大容量のHDDを求める向きはこちらも検討したい。現状で500Gバイト選択時との価格差は2万円だ。逆に、直販モデルで機能を絞って安価に購入したい場合、店頭販売中の下位モデル「VGX-TP1D」(実売15万円前後)が、テレビ機能付きの最小構成とほぼ同等になる。これより安価で購入するには、テレビ機能を削るしかない。
前面のカバーをスライドさせて開くと、2基のUSB 2.0、4ピンのIEEE1394、メモリースティックPRO対応スロット、SDメモリーカード(SDHC)対応スロット、IEEE802.11b/gの無線LANスイッチ、キーボード接続スイッチが現れる(写真=左)。背面には、2基のUSB 2.0、ヘッドフォン、マイク、角形の光デジタル音声出力、HDMI出力、アナログRGB出力、100BASE-TX有線LAN、B-CASカードスロット、ACアダプタ接続端子などが並ぶ(写真=右)
リビングのAV機器は黒が多い、ならばTP1も黒くていい
TP1といえば、デスクトップPCらしからぬ白くて円いボディ形状が特徴の1つだったが、今夏モデルでは上位機(つまり今回取り上げるVGX-TP1DQ/B)のボディカラーが黒に変更された。起動直後には電源ボタンの周囲がほの白く光るなど、動作中の様子もなかなか美しい。何より、一見ではPCと分かりにくいスタイルのため、リビングの中心的存在であるテレビの近くに設置するにも、抵抗感が少ないのがポイントだ。
今回はさらに黒モデルの投入により、テレビやレコーダーなど黒系のカラーが多いAV機器と同様の色調にそろえたいユーザーの希望にも応えている。なお、下位モデルは従来通りのホワイトボディを採用。VAIOオーナーメードモデルでは、ホワイト/ブラックのうち好みの色を選択できる。
直径270ミリ、高さ91ミリの円形ボディはTP1ならではの特徴だ(写真=左)。重量は約3.5キロと軽い。動作中は、円形のラインに沿って、電源やHDDアクセス、無線LANのインジケータが光る(写真=中央)。背面にはマグネット式のカバーが装着され、煩雑なケーブルの配線が隠れるようになっている(写真=右)
いくらデザインがよくても、排気ファンなどの動作音が大きいとリビングには置く気になれないが、今回試した限りでは、モバイルプラットフォームの採用が功を奏してか、静かな書斎で深夜に利用しても、隣室で寝ている家人を起こさずに済む程度に抑えられていた。
ただし、冷却ファンやHDDといった駆動部が発する振動は、動作音が静かなだけに気になるユーザーがいるかもしれない。静音性にこだわるならば、ビビリの少ないテレビラックに設置するなどの工夫が必要だろう。
キーボードやマウスなどの入力インタフェースは、タッチパッド一体型のワイヤレスキーボードとレコーダー風の赤外線リモコンが付属。本体から離れてくつろいだ姿勢で使いやすいように工夫している。机上で使うことが前提となるマウスはあえて省いた構成だが、ちょっとしたマウス操作にもワイヤレスキーボードを使う必要があるのは好みが分かれるところだ。
もっとも、キーボードはA4ノートPCの入力部分だけをまとめたようなコンパクトな形状で持ち運びがしやすく、ソファなどに座ってヒザの上で操作するにも無理がない。キーボードと本体はデジタル無線方式で接続され、通信距離は最大で約10メートルと長めだ。キーボードとリモコンはもちろん、本体と同一色のものが付属する。
付属のワイヤレスキーボードは10キーがないコンパクトタイプながら、タッチパッド、ズームボタンや2つのプログラマブルボタン、FeliCaポートを搭載した多機能なものだ(写真=左)。キーボードは単三乾電池4本で駆動し、乾電池収納部のふくらみがチルトスタンドの役割を果たしている(写真=中央)。付属の赤外線リモコンもきちんと黒で統一されている(写真=右)。TP1本体の前面にあるSONYロゴの下に、赤外線受光部が内蔵されている
自社製の地デジダブルチューナー+新ソフトでテレビ機能を大幅強化
VGX-TP1DQ/B(以下、TP1)の目玉機能であるテレビの視聴・録画については、ハード・ソフトの両面で大幅な改良が加えられた。すなわち、従来は内蔵の地上アナログテレビチューナーと、ネットワーク接続の地上・BS・110度CSデジタルテレビチューナー「DT1」を組み合わせて使う構成だったものが、自社開発の地上デジタルテレビチューナーを本体に内蔵する仕様になったのだ。
アナログ放送や、BS・110度CSデジタル放送には非対応だが、地上デジタル放送用のチューナーを2基搭載することで、地デジの2番組同時録画に対応した点に注目したい。
独自開発の地上デジタルテレビチューナーカードを採用。30(幅)×51(奥行き)ミリのPCI Express Miniカードは、従来のMini PCIチューナーカードと比較して面積比を約3分の1に抑えながらも、前モデルより高感度を実現したという。カードの表面には暗号化用のチップと地上デジタルテレビチューナーを実装(写真=左)。裏面には2つめの地上デジタルテレビチューナーを備えている(写真=右)
ハードウェアの変更に合わせて視聴・録画ソフトも新たに開発され、サードパーティ製の「VAIO Digital TV」から、自社開発のものに改められた。かつてのアナログテレビ視聴・録画ソフトの名称を受け継いだ新ソフト「Giga Pocket Digital」が、このダブルチューナーに組み合わされる。
Giga Pocket Digitalの機能については後述するが、ユーザーインタフェースをはじめ、あらゆる面でかつてのアナログ放送用のGiga Pocketとはまったく異なる次元のソフトに仕上がっており、地上デジタル放送をしゃぶり尽くすための機能が満載だ。7月4日に開始されたダビング10にも、既に提供ずみの無償アップデータを適用することで対応する。
HDMI接続でテレビへ簡単につなげられるか?
テレビ接続用に3メートルのHDMIケーブルと、HDMIからDVI-Dに変換するアダプタも付属する では、さっそくTP1をテレビにつなげてみよう。ここでは、TP1が正しくテレビを認識し、簡単に接続できるかどうかがポイントだ。基本的にTP1とテレビとは、付属のHDMIケーブルを1本つなぐだけでよい。これで、映像、音声、そして一部の機種ではコントロール機能も利用できる。
TP1本体には、HDMI出力端子のほか、PCディスプレイ接続用のアナログRGB出力端子が設けられ、HDMI出力をDVI-Dに変換するアダプタも添付されているが、地デジやBlu-ray Discの市販ビデオパッケージなど、著作権保護がかかっているコンテンツはDVI-D(HDCP対応ディスプレイが必須)、もしくはHDMI接続でなければ、再生中のコンテンツを表示できない。
今回は、リビングで地デジの視聴に使っているパナソニックの液晶テレビ「TH-26LX60」にHDMIで接続した。2006年2月に発売された26型ワイド液晶テレビで、パネルの解像度は1366×768ドットだ。また、比較用として、LG電子の24型ワイド液晶ディスプレイ「L246WH-BN」(1920×1200ドット表示)にもHDMIでつなげてみた。
ちなみに今回は試せなかったが、同社の液晶テレビ「BRAVIA」の一部機種との組み合わせでは、テレビのリモコンからTP1を操作できる「ブラビアリンク」も有効になる。
テレビに接続して起動してみると、1176×664ドットと特殊な解像度に設定され、4辺に細い黒枠ができるアンダースキャンモードで表示された。液晶ディスプレイ接続時も同じ解像度で起動したので、今回試したようなフルHDパネルではない液晶テレビでもとりあえずデスクトップの全域が表示されるよう、1176×664ドット表示が初期設定になっているようだ。
Windows上で画面の設定を変更すると、16:9のアスペクト比を持つ設定として1280×720、1360×768、1768×992、そして1920×1080ドットが選べるものの、テレビ接続時は1176×664ドットと1768×992ドット以外は、デスクトップの周縁部が画面からはみ出るオーバースキャン表示になった。
GPU設定のNVIDIAコントロールパネルには「HDTVデスクトップのサイズ変更」という項目が用意され、テレビ接続時にオーバースキャン表示された場合も表示領域を調整できる ただし、GPUの詳細設定画面(NVIDIAコントロールパネル内の「HDTVデスクトップのサイズ変更」)に入れば、テレビ接続時の表示サイズを微調整する機能が使えるため、テレビ側にアンダースキャン表示機能がない今回のような場合でも、デスクトップを画面の隅まできっちり表示させることは可能だ。
このGPUの詳細設定画面には、接続中の表示デバイスの解像度を自動認識する機能も搭載されているが、こちらはパネルのスペックではなく、入力可能な最大解像度を認識する仕様のようで、テレビ接続時には1920×1080ドットがデフォルト解像度と表示された。
なお、キーボードの上部には6つのワンタッチボタンが用意されているが、そのうちの1つに画面解像度の切り替えユーティリティが割り当てられている。これを押すことで、1280×720、1360×768、1920×1080ドットの各モードを瞬時に切り替えることが可能だ。
キーボードのワンタッチボタンは6つのうち2つが変更可能(写真=左)。そのうち1つ(S2ボタン)に初期設定で解像度設定ユーティリティが割り当てられており、3種類の解像度を手軽に選択できる(写真=右)
次のページでは、いよいよテレビ機能をチェックする。
2つの顔を持つ「Giga Pocket Digital」
付属のリモコンは、上部にあるグレーのボタンからGiga Pocket Digitalの各機能を起動できる。「録画」ボタンは誤って押さないように、カバーの下に配置されている 無事テレビに接続できたところで、Giga Pocket Digitalのテレビ機能を使ってみる。Giga Pocket Digitalは、おおまかにいうとテレビの視聴、電子番組表、録画番組の管理という3つのアプリケーションからなる統合ソフトだ。
Giga Pocket Digitalを立ち上げるには、オーソドックスなWindowsのスタートメニューからの起動のほか、リモコン上部の目立つ位置にある「テレビ」「ビデオ一覧」「番組表」といったボタンからは、それぞれ「放送中のテレビ映像」「録画済み番組の一覧」「電子番組表」を直接呼び出すことが可能だ。
また、Windows Media Center内では「デジタルテレビ」の項目がGiga Pocket Digitalに割り当てられており、多少面倒ながらリモコン中央に配置された緑色のMedia Centerボタンからも呼び出せる。さらに、リモコン中央付近のVAIOボタンを押すと、画面上部にリモコンUIの「VAIOランチャー」が表示され、こちらからもGiga Pocket Digitalの起動が可能だ。
このように異なるインタフェースから複数の手順で起動できる仕様は、ユーザーの混乱を招きかねないが、自分の使いやすいスタイルを見つけてしまえば、違和感なく使っていけるだろう。
ユーザーインタフェースは視聴スタイルの違いを考慮した2種類が用意され、リモコンを使うといわゆる10フィートUIで起動し、マウスやキーボードで操作すると2フィートUIに切り替わる。ソニーらしい柔軟な仕様は通好みではあるものの、リビングに置いて使うような環境では、家族に複数の操作画面とその使い分けを理解してもらうまでに時間がかかるかもしれない。
UIの切り替えはリモコンの左上にある「モード切換」ボタンで即座に行うこともできる。特に視聴に関しては、どちらのモードでもほぼ同様の機能が利用可能だ。また、視聴中の画面は、全画面モードやウィンドウモードに加え、画面右端に小さく表示するサイドバーモードも用意されている。
マウス用のUI(写真=左)とリモコン用のUI(写真=右)で、それぞれ番組表を表示させたところ。リモコン用UIの番組表は、表示できるチャンネル数を3段階(7cn、5ch、3ch)から選ぶことで、文字の大きさを変更できる。写真は最大サイズで表示させたところだ
リモコン用UIのときにマウスで操作しようとすると、表示モードを切り替えるかどうかを尋ねられる(写真=左)。ウィンドウモードでテレビを視聴中の画面にマウスオーバーさせ、画面の上下に番組情報や設定ボタンを表示させれば、ここから番組表や録画済み番組の一覧を呼び出すことも可能だ(写真=中央)。サイドバーモードでは、画面下に現在放送中の番組一覧が表示され、クリックすることでチャンネルを変更できるワンセグ対応ソフトのようなUIになる(写真=右)
録画時は放送データをそのままMPEG-2 TSでHDDに記録する仕様のため、アナログ放送録画時には必ずつきまとう面倒な画質設定が必要ない半面、画質を抑えて記録時間を増やすことはできない。
地デジは17Mbps程度のデータレートで放送される番組が多く、この場合は30分番組で3Gバイト強の容量を消費してしまう。最長録画時間は約61時間とされているが、録画後一定の期間が過ぎた番組を自動的に消去する機能も用意されているため、予約した番組が空き容量不足で録画できなかったというミスはとりあえず回避できる。
3番組目を予約しようとすると、重複している予約の内容が表示され、その場で録画する番組を決められる 前述の通り、今回のTP1は地デジチューナーを2基搭載していることから、2番組の同時録画にも対応する。2番組を同時予約している状態で3番組目を予約しようとすると、重複する番組が一覧表示され、どれを録画するか選択するダイアログが開く仕組みだ。
当然ながら2番組を同時に録画している最中は3チャンネル目をライブ視聴することもできないが、3チャンネル目の番組を見たければ、テレビ側に搭載されているチューナーで番組を直接視聴すればよい。つまり、実際の使い勝手としては、TP1とテレビの組み合わせで、裏番組を2本同時に録画できることになるわけだ。
ライブ視聴時も常にバックグラウンドで録画
ライブでの視聴時は、リモコンの10キーでチャンネルの切り替えを行えるほか、現在放送中の番組一覧を画面右端に表示させ、見たい番組名のクリックによってチャンネルを切り替えることも可能だ。ただし、単に視聴しているだけのときも、バックグラウンドでは常に視聴中の番組を録画しているらしく、チャンネル切り替え時には必ず数秒間のブラックアウトが発生する。
チャンネルの切り替えに少々もたつく印象は否めないが、視聴中の番組を録画すると、録画ボタンを押した瞬間からではなく、番組を見始めた瞬間までさかのぼって記録することができるのは便利だ。さらに、視聴中に一時停止ボタンを押すと、ライブ視聴中の番組を一時停止することもできる。一時停止を解除した後はそのまま再生してもいいし、早送り再生して放送中の内容に追いついてもいい。
これは、アナログテレビの録画ソフトでは多く見られた「タイムシフト」の機能を実現しているわけだが、ユーザーがタイムシフトボタンを押して視聴モードを切り替えるといった操作よりも、ずっと直感的で分かりやすい。
ちなみに、予約録画でなく手動で録画する場合は、録画しっぱなしでHDD容量を無駄に消費することがないよう、録画ボタンを押した際に「この番組の最後まで」「次の番組の最後まで」といった、録画終了時間を設定するダイアログが開くのもありがたい。
ライブ視聴中に画面下部のCHボタンや、リモコンの一覧ボタンを押すと、現在放送中の番組の一覧が表示され、録画中の番組には赤い丸が付く(写真=左)。リモコン用UIでライブ視聴中に一時停止ボタンを押したところ(写真=右)。画面下部に、ライブで放送中の番組とどれだけ時間的に離れたかが分かるバーが表示される。バーをドラッグすれば任意の位置から再生することも可能だ
続いて、予約録画の機能を詳しく見ていこう。
おまかせ・まる録やシリーズ録画、リモート録画に対応
続いて予約録画の機能をチェックする。予約の基本となる電子番組表は、地上デジタル放送の電波に含まれる番組データを利用する自社開発のもので、Webサイトへの接続やログインは必要ない。この番組表を見ながら、録画したい番組を選んで予約したり、毎週録画・毎日録画といったことが行えるのはもちろんだが、何といってもソニーのレコーダーでおなじみの「おまかせ・まる録」機能が出色のデキだ。
これは、あらかじめ指定したキーワードやジャンルを含むテレビ番組を、番組表の情報から検索して予約録画を行うというもの。番組のタイトルだけでなく、内容や出演者などの情報も検索対象になるため、自分の好きなタレント名を登録しておき、出演番組をすべて自動で録画する、といった目的にも対応できる。
キーワードによっては、予約される番組が多くなりすぎたり、目的の番組がヒットしなかったりするため、実際にどの番組がヒットするのかをプレビューしながら、最適なキーワードを登録していくのが現実的な使い方になるだろう。
おまかせ・まる録の設定は番組表から呼び出せる。キーワード、チャンネル、ジャンルによる指定が可能で、再放送を除いたり、予約が重複する場合、ほかの条件との優先度を設定したりもできる(写真=左)。多数の条件を登録すると、あっという間にHDD容量がなくなってしまうので、古い番組から自動削除する設定もできる。キーワードを設定すると、ヒットする番組の一覧を設定前にプレビューできるので、興味を持てそうな番組だけがヒットするようにキーワードを調整するのがよいだろう(写真=左)
おまかせ・まる録機能の中には「シリーズ予約」の機能もある。こちらはドラマなどのシリーズものの番組を、予約対象として指定すると、同名の番組をすべて録画できるというものだ。番組表データを受信できてさえいれば、スポーツ中継で放送時間がずれたり、最終回に拡大版が放映されたりしても自動追従してくれる。放送時間が不規則な教育番組や深夜番組の録画にも役立つはずだ。
さらに、ソニーが提供しているインターネット上のテレビ番組表サービスである「テレビ王国」の機能を使い、外出先のPCや携帯電話から録画の予約を行ったり、録画状況を確認したりといった「リモート予約」の機能も備えている。外出中に予約録画し忘れた番組などを思い出したときも対応できるのは心強い。
シリーズ予約は、番組表から予約したい番組を選ぶことで、設定ダイアログを呼び出せる(写真=左)。通常のおまかせ・まる録の設定と同様に、キーワードやチャンネル、時間帯などで設定すればよい(写真=中央)。こちらも設定前のプレビューに対応する。リモート予約を行う場合、テレビ王国のサーバーを使って予約情報をやり取りするため、テレビ王国のログインIDが必要になるが、無料で登録できる「お手軽ID」でも構わない(写真=右)。ここでは外出先のPCのWebブラウザで録画状況を確認しているが、携帯電話でも設定可能だ
以上、TP1の概要とテレビ視聴・録画機能を一通りチェックした。地上デジタル放送の2番組同時録画に対応したレコーダーとして、十分に満足できる機能を持つ印象だ。後編では、最大のウリといえる録画した番組の解析・管理機能をはじめ、再生機能や光メディアへの書き出し機能を試し、TP1の実力を引き続き明らかにしていく。