台湾ハイテク展示会で見たUMPC/MID最前線
「UMPC」や「MID」はノート・パソコンとも携帯電話/スマートフォンとも位置付けが違う新しいタイプの端末である(図1)。とりわけ開発に積極的なのが台湾メーカーだ。2008年6月に台湾で開催されたハイテク展示会「COMPUTEX TAIPEI 2008」では,台湾のアスーステック・コンピュータ(ASUS),台湾エイサー,台湾ギガバイト,台湾MSIなどがUMPC/MID製品を出展。来場者の目を釘付けにした。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080804/312049/?ST=network
図1●携帯電話の携帯性とノート・パソコンの汎用性を併せ持つUMPCとMID
しかも大半の製品は数万円という格安価格で販売される。
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端末の外観は,UMPCが折りたたみ型のモバイル・ノート・パソコンに,MIDはスマートフォンに近い。どちらも,高速モバイル・データ通信と,それを介して利用する様々な“ネット・サービス”の存在を前提としている。パソコンに匹敵する処理能力,パソコンと同じアプリケーションを利用できるプラットフォーム,そして無線LANやHSDPA(high speed downlink packet access)といった通信機能を装備。「Gmail」をはじめとするメール・サービスや「YouTube」のような動画共有サイト,「Googleマップ」などの地図情報サービスを“いつでも,どこでも”使いこなせる(図2)。
図2●多くのUMPC/MIDは動画共有や地図情報,SNSなど,各種ネット・サービスの利用を前提としている
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しかも大半の製品は,価格が数万~10万円程度で既存のモバイル・ノート・パソコンよりも安い。こうした点が,まだパソコンに最適化されたネット・サービスを快適に使えるとは言えない携帯電話やスマートフォン,携帯性が十分ではないノート・パソコンと一線を画すところだ。
開発ラッシュのきっかけはEee PCとAtom
新型モバイル端末の口火を切ったのはASUSのUMPC「Eee PC」シリーズ(写真1)。Eee PCは2007年10月の発売以来,全世界でヒット商品になっている。2008年度はシリーズ合計で300万台の販売を目指し,「現在,目標の数字を順調に達成している」(ASUS)という。これを追って,他の台湾メーカーも対抗製品を次々に発表した。エイサーの「Aspire one」(写真2)やMSIの「Wind NoteBook U100」(写真3)がそれだ。
写真1●アスーステック・コンピュータの「Eee PC 901」
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写真2●エイサーの「Aspire one」
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写真3●MSIの「Wind NoteBook U100」
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>>UMPCの動きに合わせるようにしてMIDも…
(武部 健一=日経コミュニケーション) [2008/08/18]
UMPCの動きに合わせるようにしてMIDも,ASUSの「R50」(写真4),ギガバイトの「M528」(写真5)など,続々と製品が登場している。こうした新型端末の開発ラッシュをもたらした理由の一つは,米インテルのモバイル機器向けCPU「Atom(アトム)」の登場(2008年3月)である。Atomはインテルがモバイル用に設計し,超低消費電力を実現したプロセッサである。サイズは1円玉よりも小さい。
写真4●アスーステック・コンピュータの「R50」
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写真5●ギガバイトの「M528」
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ASUSもAtomの登場を受けてEee PCを強化。COMPUTEX TAIPEI 2008に合わせて記者会見を開き,Atomを採用したEee PCの最新機種「Eee PC 901」を発表した。7.8時間というバッテリー駆動時間の長さなどから話題となっている(写真6)。日本では7月に発売予定だ。
写真6●6月3日,台湾アスーステック・コンピュータは台湾・台北市内で「Eee PC 901」を発表した
写真中央の帽子をかぶった人物が同社の沈振来CEO
モバイルが発達する台湾,WiMAXにも注力
多数の台湾メーカーがこぞってUMPCやMIDを発表しているのには理由がある。IT製品の設計・製造にノウハウを持つメーカーが多数いることに加え,台湾ではモバイル通信が日本並みに発達していることである。
HSDPAや公衆無線LANはもちろん,最近はモバイルWiMAXにも注力している。2008年末から2009年初頭には商用サービスが始まる予定である。台湾高速鉄道(台湾新幹線)の車内をWiMAXによってブロードバンド化する計画もある。ある台湾のモバイル機器メーカーのトップは「世界でWiMAXが一番熱いのは台湾だ」と断言する。
台湾メーカー各社はこのモバイル・ブロードバンド市場を狙い,HSDPAやWiMAXなどの通信モジュールを内蔵したMIDを相次いで投入している。UMPCにも,無線LANだけでなくHSDPAやWiMAXモジュールの搭載を予定するものが出てきている。これらの製品の多くは,日本でもほぼそのまま使える。COMPUTEX TAIPEI 2008で展示されたMIDやUMPCが近い将来日本市場で発売される可能性は高い。