“プチぜいたく”を味わえるミドルレンジノートPC――デル「Studio 15」
デルのコンシューマー向けPC「Studio」シリーズ。ミドルレンジに位置する新ブランドの実力を見ていく。
デルが新たに投入したStudioシリーズは、高いデザイン性と性能を備えたコンシューマー向けPCだ。同社のラインアップの中では、エントリーのInspironシリーズと、ハイエンドのXPSシリーズの間を埋めるミドルレンジを担う主力シリーズとなる。デスクトップPCは先ほど発表されたStudio Hybridシリーズ、ノートPCは15.4型ワイド液晶ディスプレイ搭載モデルが2機種、17型ワイド液晶ディスプレイ搭載モデルが1機種用意される。詳細はこちらの記事に譲り、ここではインテルプラットフォームを採用した「Studio 15」を取り上げる。
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/0808/14/news007.html
タッチセンサやスロットインDVDの採用で1ランク上の高級感を演出
15.4型ワイド液晶ディスプレイを搭載したStudio 15 本機の特徴としてまず挙げられるのが、デザイン性を重視したボディだ。カラーリングはグレーとブラックが主体となるが、液晶ディスプレイ天面のカラーはタンジェリン・オレンジ、チェリー・ピンク、インテリジェント・ブルー、クール・ブラック、グラファイト・グレー、オリーブ・グリーン、プラム・パープル、クラシック・レッドと全8色で、ユーザーの好みに合った色を選択することが可能だ。また、光沢感のあるグラファイト・グレーで塗装されたパームレストには、地図の等高線を思わせるパターンが淡くプリントされている。なお、このパターンは天面のカラーバリエーションの1つであるグラファイト・グレーの天面でも採用される。ちなみに、ボディサイズは356(幅)×262(奥行き)×25.3~33(高さ)ミリ、重量は約2.77キロある。
キーボードの奥に、第2世代Vostroシリーズと同じようにタッチセンサのメディア操作ボタンと音量調整ボタンを導入したのも目を引く。指先で軽く触れるだけで操作できるほか、ボタンに触れると中に仕込まれた白色LEDランプが柔らかく光る仕組みで、操作性とデザイン性の双方を向上させているさらに、光学ドライブにスロットイン方式のドライブを採用するなど、デザインへのこだわりは細部にまで渡る。ただし、電源ボタンを液晶ディスプレイの右ヒンジ部という、目の届きにくいところに配置するのには、少々やり過ぎという印象も覚えた(もっとも、一度その場所を覚えれば、次から操作に迷うことはなかった)。
評価機が採用していたインテリジェント・ブルーの天面(写真=左)。計8色のカラーバリエーションが用意されている(写真=右)。BTOでカラーによる差額はない
電源ボタンと反対の液晶ヒンジ部左側面には、「Wi-Fi Catcher」と名付けられたボタンが搭載される。PCの起動中にこのボタンを押すと、本機の周辺にある無線LANアクセスポイントを探査し、SSIDと信号強度を表示してくれるほか、本機の電源がオフの状態でも、無線LAN機能のスイッチがオンであれば、ボタンの周囲を取り巻く円形のLEDの光り具合によって、無線アクセスポイントの有無と信号の強度を知ることができる。据え置き重視のユーザーの場合、本機をモバイルシーンで利用する機会は少ないが、別室や屋外に持ち出す場合に、無線LANのアクセスポイントを簡単に探し出せるのは便利だ。
起動中にWi-Fi Catcherボタンを押すと、本体の周辺にある無線アクセスポイントと、各アクセスポイントの信号強度が一覧表示される(写真=左)。ただし、Wi-Fi Catcherは周囲の無線LANの状態を調べるための機能で、このウィンドウからアクセスポイントをクリックして無線LANに接続することはできない。マルチメディアランチャ「MediaDirect」の画面(写真=中央)。OS起動後に利用が可能だ。ExpressCardスロットに収納可能な赤外線リモコンが付属する(写真=右)
端子類は大半が左側面に集中し、ExpressCardスロットとSDメモリーカード/メモリースティック/xDピクチャーカード対応のメモリカードスロット、ヘッドフォンなど使用頻度の高いものを手前側に配置する。USB端子は2基ずつを左右の側面に並べて使い勝手に配慮しているほか、HDMI(Ver.1.2a準拠)やアナログRGB出力、ギガビット対応の有線LAN、4ピンのIEEE1394を備え、前面と背面はすっきりとした見た目になっている。
BTOメニューでは右パームレストに指紋認証センサを追加可能(5250円)で、安全にWindowsへのログオンやパスワードの入力を行なえることから、予算が許すならぜひ搭載しておきたいオプションといえる。
前面はラッチレスのためすっきりしている(写真=左)。背面はバッテリーと排気口のみだ(写真=右)。評価機は9セルバッテリーを搭載していたので傾斜がついているが、6セルバッテリーならば底面にバッテリーが出っ張らない
HDMIやメモリカードスロット、無線LANの電源スイッチといった主な端子は左側面に並ぶ(写真=左)。右側面は4ピンのIEEE1394と2基のUSB 2.0、スロットインの光学ドライブが配置される(写真=右)
選べる画面解像度とキーボード
15.4型ワイド光沢液晶ディスプレイを採用する。1440×900ドットのみバックライトが白色LEDとなる。輝度は16段階に調節できるが、極端に明るすぎたり暗くなることはなかった ラッチレスの液晶ディスプレイは、パネルサイズは15.4型に固定されるものの、画面解像度は1280×800ドット、1440×900ドット、1920×1200ドットの3種類から選択できる。いずれも光沢タイプ(TrueLife)で、非光沢は用意されず、評価機が採用していた1440×900ドットのみ白色LEDとなる(ちなみに、ボディサイズは白色LEDになっても変わらない)。評価機のパネルは、視野角が左右方向こそ十分な広さを持っていたが、上下方向はやや狭く、画面への映り込みも目立った。とはいえ、パネル角度を適当に調整すれば問題ないレベルだ。
BTOでは、1万1150円の追加で1920×1200ドット表示にアップグレード可能だ。広大なデスクトップ画面を比較的安価に手に入れられるのは大きな魅力といえよう。なお、評価機は液晶ディスプレイの上部に200万画素Webカメラを内蔵していたが、白色LED以外(1920×1200ドットまたは1280×800ドット)ならばBTOメニューで省くことができる(-5250円)。
キーボードは、主要キーのピッチが縦横とも実測で約19ミリと、デスクトップPC用キーボードに匹敵する幅を持つ。キートップが黒、土台部分が濃いグレーというツートーンなのもしゃれている。ただ、Enterキーの右側にHomeやEnd、PageUpやPageDownといったキーが並んでおり、キーの間隔が4ミリあいているとはいえ、慣れるまではミスタイプを誘いそうだ。また、右Shiftキーが小さく、BackSpaceとDeleteキーの位置関係が一般的なノートPCと異なるのも意見が分かれるところだろう。BTOでは、右Shiftキーやスペースバーが長めになる英語キーボードに差額なしで変更できるので(Enterキー周辺のキー配列は共通)、気になるユーザーは検討をしたいところだ。
タッチパッドは、ごくシンプルな2ボタンタイプで、操作面の右端と下端を指先でなぞることでウィンドウの上下/左右スクロールを行なう。タッチパッドとパームレストは一体成形だが、境目は段差がつけられている。操作面と周辺の色は同じなので視覚的には少々見分けづらいが、表面塗装はパームレストの光沢塗装に対し、タッチパッドには指先の滑りをよくするつや消し塗装が施されるため、指先で確実に操作面を探り当てることができた。なお、クリックボタンはストロークが浅めでクリック感に乏しい印象だ。
キーボードは19ミリピッチで3ミリのストロークを備えるが、Enterキー右側の配列が気になるところ(写真=左)。キーボード上部にタッチセンサのワンタッチボタンが並び、その上にステレオスピーカーが内蔵されている。タッチパッドは一般的な2ボタンタイプで、ドライバもアルプス製のシンプルなもの(写真=中央と右)。ジェスチャー操作やランチャ機能は持たない
従来機と同じインテルプラットフォームを採用
本体底面のカバーを外すと主要なパーツにアクセスできる。ACアダプタのサイズ(90ワット)は61(幅)×154(奥行き)×34(高さ)ミリ、重量は約480グラムと大柄だ。なお、電源ケーブルは2ピンタイプを採用する 本機はメインストリームだったInspiron 1520の後継機ということもあり、システムには最新のCentrino 2プラットフォームではなく、Intel GM965 Expressを採用する(BTOでGPUにATI Mobility Radeon HD 3450を選ぶと、Intel PM965 Expressになる)。
CPUはCore 2 Duo T9300(2.5GHz/2次キャッシュ6Mバイト)を筆頭に、同T8300(2.4GHz/2次キャッシュ3Mバイト)/同T8100(2.1GHz/2次キャッシュ3Mバイト)、そしてCeleron 550(2.0GHz)が用意されている。DDR2-667対応のメモリは最大4Gバイトまで、HDDは320G/250G/160G/120Gバイトでいずれも5400rpmとなる。
光学ドライブはDVD+R DL対応のDVDスーパーマルチドライブか、Blu-ray Discの読み出しに対応したBD-ROMドライブ(Blu-ray Discへの書き込みは不可)を選択可能だ。BD-ROMドライブを選ぶためにはCPUがCore 2 Duo以上、GPUの選択が必須となる。加えて、DVDスーパーマルチドライブからBD-ROMの差額は4万7250円と高額になるので注意したい。無線LANはIEEE802.11a/g/n/かIEEE802.11b/gから選べ、Bluetooth Ver.2.0+EDRの追加(2100円)も行なえる。OSの選択肢はWindows Vistaのみで、Ultimate/Home Premium/Home Basicの32ビット版(Service Pack 1適用済み)となる。
Studioシリーズ共通の仕様になるが、本体底面の大型カバーを取り外すと(メーカーの保証対象外となるが)、主要なパーツにアクセスが可能だ。カバーを開けると2基のメモリスロットや、マウント金具で固定された2.5インチHDDにアクセスできる。なお、メモリは容量にかかわらずデュアルチャネルで実装されるので、スロットに空きはない。装着済みメモリを無駄にしないためにも、購入時には予算の範囲で最大容量を選択するのがお勧めだ。HDDは4本のネジを外せば取り出せる。ただし本体とHDDは短いリボンケーブルで接続されており、ケーブルを切断しないよう注意したい。
起動中の騒音については、アイドル中は背面左側の排気口からファンノイズが聞こえることはなかったが、3DMark06の計測中などシステムに負荷をかけると、やや大きめの風切り音がはっきりと聞こえた。加えて、底面から吸気する仕様のため、設置場所は気を配りたいところだ。発熱も、通常の利用では顕著に熱を感じることはなかったものの、高負荷状態を続けると、左パームレストで40度を超える部分があった。
手堅いパフォーマンスを発揮
ベンチマークテストは、PCMark05、3DMark06、Final Fantasy XI オフィシャルベンチマークソフト(以下、FFベンチ)の3本を実施した。また、Windows Vistaが搭載するWindowsエクスペリエンスインデックスの結果もあわせて掲載している。ちなみに、評価機の構成はCPUがCore 2 Duo T8100(2.1GHz)、メモリが1Gバイト(512Mバイト×2)、HDDが160Gバイト、GPUがATI Mobility Radeon HD 3450(グラフィックスメモリは256Mバイト)、OSはWindows Vista Home Premium(SP1)だ。
Windowsエクスペリエンスインデックスでは、最低スコアがグラフィックス/ゲーム用グラフィックスの4.0、最高スコアがCPUの5.5と、まとまりのよさを感じさせる結果となった。苦手分野を持たないことから、Windows Vistaを快適に扱える1台であると判断できる。
PCMark05では、PCMark Scoreが4985と好成績を納めた。3DMark06の結果はフルスクリーンの1440×900ドットで1582と高くはないが、チップセット内蔵のグラフィックス機能に比べれば満足できる値だ。FFベンチでは低解像度モードで7085、高解像度モードは4161をマークしたので、古めのゲームで解像度や画面効果を割り切れば、それなりにプレイすることは可能だろう。
評価機のWindowsエクスペリエンスインデックス画面(写真=左)とGPU-Z 0.2.6の画面(写真=右)
左からPCMark05、3DMark06(1440×900ドット)、FFベンチのスコア
性能にもスタイルにも妥協したくない人にお勧め
価格は、Core 2 Duo T8100を搭載したプレミアムパッケージでも10万円を切っており、最小構成ならば8万円台、評価機の構成でも13万円台で収まる。随時開催されているキャンペーンや割引を適用するれば、さらにお手ごろ価格で本機を入手できるだろう。
ベンチマークテストの結果から分かるように、本機の基本性能は不満がないレベルに達しており、コストパフォーマンスは優秀だ。自由に選べる天面カラーやタッチセンサ、スロットインドライブによる使いやすさの向上など、性能面以外の魅力も従来機から増している。少し予算を奮発してでも高い満足感が得られる1台を購入したいという人なら、欠かさずチェックしてほしい製品だ。
なお、PC USERでは本機のAMDプラットフォーム版である「Studio 1536」のレビューもお届けする予定だ。楽しみにしてほしい。