見た目も中身も“F1”級――「Endeavor NJ5200Pro」を試す
エプソンダイレクトの最新フラッグシップ機「Endeavor NJ5200Pro」は、Centrino 2プラットフォームに加えて、グラフィックス機能にGeForce 8800M GTXも選択できる超高性能ワイドノートだ。
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Endeavor NJ5200Pro 7月16日にインテルのモバイルノートPC向け最新プラットフォーム「Centrino 2」が発表され、PCメーカー各社から続々とCentrino 2搭載ノートPCが登場している。エプソンダイレクトも同様に、従来のフラッグシップノートPC「Endeavor NJ5100Pro」の上位に「Endeavor NJ5200Pro」を投入、Centrino 2搭載モデルをラインアップに追加してきた。
Endeavor NJ5200Proは、15.4型のワイド液晶を搭載した据え置き型ノートPCで、同社のノートPCとしては唯一、Centrino 2に準拠した構成を選択できるハイパフォーマンスモデルだ。CPUはFSBクロック1066MHzに対応した45ナノプロセスのCore 2 Duoを搭載し、BTOメニューにCore 2 Duo P8400(2.26GHz)/P8600(2.4GHz)/T9400(2.53GHz)、T9600(2.8GHz)の4種類を用意している。チップセットには、グラフィックス機能を内蔵しないIntel PM45 Expressを採用しており、グラフィックスチップはGeForce 9600M GS(256MB)とGeForce 8800M GTX(512MB)からの選択となる。
評価機には2GバイトのIntel Turbo Memoryが搭載されており、初期状態でWindows ReadyBoost、Windows ReadyDriveともに有効な状態に設定されていた。メモリスワップが発生する状況でのパフォーマンスの低下を抑えられるほか、使用頻度の高いアプリケーションの起動速度の向上、ハイバネーションからの高速復帰といった効果が期待できる メインメモリにはPC3-8500 DDR3 SDRAMを採用し、容量は512Mバイトから最大4Gバイトまで搭載できる。ただし、本機のOSは32ビット版Windows Vistaの各エディション(Service Pack 1適用済み)と、Windows XP Professional(Windows Vista Businessダウングレード)からの選択となるため、4Gバイトのメモリを搭載しても実際に利用できるのは最大で3Gバイトまでになる。なお、1Gバイトおよび2Gバイトを搭載する際は、実装方法をシングルチャネルとデュアルチャネルから選択可能だ。さらに、OSやアプリケーションの起動を高速化できるIntel Turbo Memory(2Gバイト)のオプションも用意されている。
HDD容量は最小で80Gバイト、最大で320Gバイトと幅広い選択肢を用意する。このうち、120Gバイトのドライブは回転数を5400rpmと7200rpmを選び分けられるほか、200Gバイトのドライブを選ぶと7200rpmで固定になる。容量よりも性能を重視する向きにはうれしいところだろう。一方、光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブとコンボドライブの2択で、Blu-rayディスクドライブは選べない。フラッグシップモデルとしてはやや残念だ。
液晶ディスプレイは、パネル解像度をWXGA+(1440×900ドット)とWUXGA(1920×1200ドット)の2つから選択できる。また、セキュリティ機能として指紋認証センサとTPM v1.2準拠のセキュリティチップを標準搭載するので、個人利用だけでなく顧客の個人情報などを扱うビジネス用としても安心して利用可能だ。
なお、今回試用した評価機は、Core 2 Duo T9600(2.80GHz)と2Gバイトのメインメモリ、200GバイトのHDD、GeForce 8800M GTXを採用し、Intel Turbo Memoryのほか、IEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LANや、WUXGA表示の高解像度液晶を搭載したハイパフォーマンス構成となっていた。
ドライカーボン製の天面と汚れを簡単に落とせるパームレスト塗装
外装に剛性の高いドライカーボンを採用。網目模様のデザインが目を引く ボディカラーは、ブラックとメタリックグレーの2色からなるシンプルなデザインながら、天面にドライカーボンを採用し、カーボン特有の網目模様をデザインとして生かすなど、フラッグシップモデルにふさわしい風格を感じさせる。ドライカーボンは、F1カーや航空機にも採用されており、その剛性は折り紙付きだ。
またキーボードの周辺とパームレストに、汚れがつきづらい「パピレスコーティング」を採用するのもポイントだ。パピレスコーティングには撥水(はっ水)/撥油(はつ油)性があるため、油性インクのような通常なら落としにくい汚れも、布でふき取ったり消しゴムでこするだけで簡単に消すことができる。また、しっとりとした独特な肌触りを持ちつつ、パームレストに手を乗せても肌が張り付くような不快感がないのも好印象だ。
端子類は、右側面の手前にSDメモリーカード/メモリースティック対応メモリカードスロットとExpressカードスロットを備え、中央に2基のUSB 2.0を搭載するほか、サウンド関連端子とIEEE1394(4ピン)を正面に置くなど、着脱頻度の高い端子類に簡単にアクセスできるレイアウトだ。
また、背面には2基のUSB 2.0のほか、DVI-I端子とHDMI端子を用意し、PC用のデジタル/アナログディスプレイやリビングルームのデジタルTVを外部ディスプレイとして利用することも可能だ。ギガビット対応のLANとモデムは右側面に置かれるが、最も奥まった位置に搭載されるため、ケーブルを常時接続しても操作のじゃまになることはないだろう。
本体前面/背面/左側面/右側面
底面は7本のネジで固定された大型のカバーが用意され、これを取り外せば2基のメモリスロットやHDDのほか、CPUクーラーや無線LANカード、Intel Turbo Memoryモジュールなど、主要なパーツのほぼすべてにアクセスできる。多数のネジを外す手間はかかるが、作業スペースが広く取れるため、ユーザーによるメンテナンスも容易に行える。
なお、試用時は本体背面の右よりにある排気口から冷却ファンの動作音が聞こえるほか、CPUやグラフィックス機能に負荷がかかると、早い段階からファンが高速回転を始めるため、静音性は良好とは言いがたい。一方、発熱については長時間起動していると右パームレストがやや暖かくなったが、塗装の効果もあって、長時間触れていても強い不快感を感じることはなかった。
本体底面のカバーを外せば主要なパーツにアクセスできる(写真=左)。14.8ボルト/4400mAhのバッテリーを搭載。バッテリー駆動の公称値は、Windows Vistaで約3.4時間、Windows XPで約4時間となっている(写真=右)
キーボードは余裕たっぷりで使いやすいが、タッチパッドにはクセあり
横ピッチ19ミリ/ストローク2.5ミリのキーボードは、文字/記号キーに変則的なピッチがほとんど存在せず、Enterや右Shift、BackSpaceに大型のキートップを採用するなど、窮屈さをいっさい感じさせない使いやすい配列だ。カーソルキーも周囲のキーとは切り離されて配置され、タッチタイプ中に意図しないキーを押してしまうこともない。打鍵感は、シャーシ部の剛性が高いためタイピング中はかっちりと底をたたく感触がある。
タッチパッドは左右ボタンと操作面のあいだに境目のないデザインがユニークだ。中央下部の指紋認証センサーを挟んで搭載される左右のボタンは、一般的なタッチパッドと比べて押し心地が硬く、ストロークも浅いため、長時間使っていると指に疲労を感じた。特にドラッグを行なう際など、ボタンを長時間押し続ける操作では、指に力を込めてボタンを押し込む必要があった。
なお、キーボードの奥には電源ボタンのほか、無線LAN機能のスイッチ、タッチパッドのオン/オフ切り替えスイッチ、画面サイズの切り替えスイッチが並んでいる。いずれのボタンも上辺を除く3辺だけに切り込みを入れて、ボディとの一体感を強調したデザインを採用している。このため、押し心地はタッチパッドのボタンと同様に硬く、確実に操作するには意図して強めに押し込む必要があった。
液晶ディスプレイは、1920×1200ドットという高解像度表示にもかかわらず十分に明るい印象だ。上方/左右方向の視野角も広く、特に左右では真横に近い角度から覗き込んでも発色に極端な変化は起こらなかった。また、ノングレアパネルを搭載することから照明や日光の映り込みによる悪影響も少なく、視認性は非常に優秀と感じた。15.4型ワイドというサイズに1920×1200ドットを表示するため、ドットピッチは非常に狭いが、キーボードに手を乗せた姿勢であれば、アイコンや文字の判別に苦労することもなかった。
15.4型ワイド液晶ディスプレイを搭載。評価機は1920×1200ドット表示の高解像度モデル(写真=左)。左右ボタンが一体化したタッチパッドは、ボタンの押し心地にややクセがある。中央に指紋センサを搭載する(写真=右)
Core 2 Duo T9600とGeForce 8800M GTXの相乗効果で抜群の性能を実現
Windows エクスペリエンス インデックス ベンチマークテストは、PCMark05、3DMark06、FinalFantasy XIオフィシャルベンチマーク3(以下FFベンチ)の3つを試した。また、Windows Vistaに付属するWindows エクスペリエンス インデックスの結果も掲載しておく。評価機は、FSBクロック1066MHzに対応し、6Mバイトの2次キャッシュを搭載したCore 2 Duo T9600や、デスクトップPC向けのGeForce 8800 GTとほぼ同等のアーキテクチャを持つというGeForce 8800M GTXといった高性能パーツをそろえたハイエンド仕様だけに、すべてのテストでノートPCとしては極めて優秀な結果を得られた。
まず、Windows エクスペリエンス インデックスは、グラフィックスが最高得点の5.9、ゲーム用グラフィックスもこれに迫る5.8を記録。最も値の低かったメモリテストでさえ5.0という好成績をマークしており、Winodws Vistaのスムーズな動作を約束する性能を確認できた。
PCMark05も、総合スコアのPCMarksが7790という高いスコアをマークした。個別のテストでは、CPUテストで6881と高性能デスクトップPCに迫るスコアを記録したほか、7200rpmの高速HDDの採用が奏功してか、HDDスコアも7797と優秀だった。Graphicsテストの12155という成績も目を引く。いずれのテスト結果にも不満はなく、総合性能は極めて優秀と言える。
高速なCPUとハイエンドグラフィックスチップを搭載した本機は、ゲーミングPCとしての活用も大いに期待される。3DMark06では、通常の1024×768ドット、1280×1024ドットに加え、フルスクリーン表示の1920×1200ドット表示での計測も行なった。3DMarksはそれぞれ10942、9431、7545という結果で、解像度を上げても結果に極端な低下が見られない点に注目してほしい。なお、1920×1200ドット表示での各テストのFPS値は、Return To Proxyconが26.834FPS、Firefly Forestが29.261FPS、Canyon Flightが27.257FPS、Deep Freezeが30.004FPSとなった。オンラインRPGのようなアクション性がさほど高くない3Dゲームであれば、高解像度でもスムーズな表示でゲームを楽しむことができるはずだ。
一方、FFベンチの結果は、低解像度モードで10000点の大台には届かなかったものの、高解像度モードでは7564と優秀な結果を残した。解像度を高くしてもテスト結果の落ち込みの幅が小さいのは3DMark06と同じ傾向で、画質やスムーズな表示にこだわってオンラインRPGを楽しみたいというニーズにも対応できる。
PCMark05(画面=左)。3DMark06(画面=中央)。FinalFantasy XIオフィシャルベンチマーク3(画面=右)
ノートPCに圧倒的な性能を求めるなら
さて、気になる価格だが、CPUとグラフィックスチップにハイエンドパーツを盛り込んだ評価機の構成では35万2800円となる。原稿執筆時点では、キャンペーンの関係で実際の購入価格は33万1800円となったが、それでも30万円を超える出費を決断するには相当の覚悟が必要だ。とはいえ、限られたスペースに設置可能で、かつハイエンドデスクトップPCに並ぶ高性能を享受できるという点で、本機は魅力の高い1台と言える。
もちろん、予算の問題で購入に踏み切れないならば、高価なパーツであるCPUとグラフィックスチップをダウングレードすることで、実用的な性能を維持しつつ20万円台前半まで価格を下げることも可能だ。ただし、あえてこのマシンを選ぶのであれば、やはりここはある程度の出費を覚悟したうえで、可能な限りのハイスペック構成で購入するのをおすすめしたい。