【ATI2008】ルネサスが無線LAN版車車間通信の遅延を50ms以下に低減
ルネサス テクノロジは,2008年7月23日に開催された「AT International 2008」で,米国や欧州での路車間/車車間通信の規格である「WAVE(wireless access in vehicle environment)」に準拠した無線通信機器を出展した。従来,この方式で課題だった遅延の大きさを50ms以下と大幅に低減したのが特徴である。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080723/155246/
WAVEは,5GHz帯無線LANの規格IEEE802.11aのいくつかのパラメータを路車間/車車間通信向けに変更した規格IEEE802.11pに基づく無線仕様である。この仕様で課題だったのが遅延の大きさ。IEEE802.11系の無線LANはいずれもCSMAというアクセス制御方式を利用している。CSMA方式では,複数の端末が親機に接続する際はとにかく早くリクエストを出した端末が接続権を獲得し,2番目以降の端末は,最初の端末がデータを送り終えるまで待たされる。「最大10s待たされることもある」(ルネサス)。これは,低遅延の通信が必要な路車間/車車間通信で大きな課題になっていた。
ルネサスは,周波数チャネルを2チャネル利用して,この遅延を50ms以下に押さえ込んだという。2チャネルのうち,1チャネルを車両ごとに周波数が異なる「S(service)チャネル」,もう一方を共通の周波数で使う「C(control)チャネル」と決め,Sチャネルを普段の通信に,Cチャネルを緊急用の通信に利用する。これで,CSMA方式による接続待ちの状態をほとんどなくしたのだという。
今回,これらを実装した無線機器で従来のものより寸法を1/2にした小型化版を出展したという。