高性能に高級感を加味した“XPSスタンダードノート”――「XPS M1530」の実力は?
デルが“究極のベストバランス”と語る15.4インチワイド液晶搭載ノートPC「XPS M1530」。年末に向けて国内PC市場の激戦区に投入した自信作だ。
BTOでSSDやBlu-ray Discを選択可能なスリムノート
tm0711m1530r01.jpg デル「XPS M1530」
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デルの「XPS」シリーズは、パフォーマンス重視の個人向けPCラインだ。その中で11月28日に発売された15.4インチワイド液晶搭載ノートPC「XPS M1530」は、スタンダードモデルの役割を担う。現在、日本のコンシューマーPC市場では15.4インチワイド液晶搭載ノートPCが主流になっており、各メーカーがしのぎを削っている。デルは年末に向けて、デザインへのこだわりと豊富なBTOで多目的に使えるXPS M1530を投入することで、この激戦区でのシェアアップを狙う。
XPS M1530の特徴としてまず挙げられるのが、この手のワイドノートとしては最高級のパフォーマンスを発揮することが可能なBTOメニューだ。CPUは FSB 800MHz対応のCore 2 Duoを採用し、T7250(2.0GHz)から同T7800(2.6GHz)までの4種類から選べる。メインメモリはPC2-5300で、最大4Gバイト(2Gバイト×2)まで搭載できる。ただし、OSはWindows Vista Ultimate/Home Premium(32ビット)なので、OSで認識されるメモリ容量は4Gバイト未満だ。なお、メモリ1Gバイト選択時に限り、+5250円で1Gバイトの Intel Turbo Memoryを加えられる。
HDDは2.5インチのSerial ATAタイプで、最小構成は160Gバイト(5400rpm)。シングルドライブ構成ながら、320Gバイト(5400rpm)や200Gバイト(7200rpm)といった大容量かつ高性能なドライブも選択可能だ。さらに、64GバイトのSSDを選べるのはユニーク。160GバイトHDDとの差額は+13万9650円にもなるため、一般的なユーザーにはおすすめしないが、記録容量を犠牲にしてでも、パフォーマンスを優先したい人には見逃せない BTOメニューといえる。
チップセットはグラフィックスコアを統合していないIntel PM965 Expressを採用。グラフィックス機能はNVIDIA GeForce 8400M GS(メモリ128Mバイト)もしくはGeForce 8600M GT(メモリ256Mバイト)からの選択となる。どちらもノートPC用グラフィックスチップとしては高い3D描画性能を持つが、後者を選べばより本格的なゲーミングPCとして活用できるだろう。15.4インチワイド液晶ディスプレイは、標準で1280×800ドット(WXGA)表示となる。対応時期は未定ながら、1440×900ドット(WXGA+)と1680×1050ドット(WSXGA+)の液晶パネルも選択可能になる見込みだ。
tm0711m1530r02.jpg 光学ドライブはスロットイン式でBlu-ray Discドライブも選択可能
光学ドライブは、DVD±RWドライブ(DVD+R DL記録対応)に加え、2倍速記録対応のBlu-ray Discドライブも選択可能だ。DVD±RWドライブとの差額は発売時で+7万2450円と高価だが、XPS M1530はHDMI 1.2出力端子も備えており、これと組み合わせてコンパクトなBlu-ray Disc再生環境を構築できる点で、注目度の高いBTOメニューといえる。
無線LAN機能は標準でIEEE802.11a/g/b準拠のIntel PRO/Wireless 3945ABGを内蔵。さらに+9450円でNext-Gen製のIEEE802.11n/a/g/b(11nはドラフト仕様)モジュールを搭載可能だ。ドラフト11n準拠の無線LANルータなどと組み合わせて高速なワイヤレス通信環境を構築したいなら、Next-Gen製モジュールの導入も検討してほしい。
こだわりのデザインにHDMIなど充実した拡張性を確保
tm0711m1530r03.jpg サファイアブラックの天板
高い基本スペックと並んでポイントとなるのが、洗練されたボディデザインだ。モバイルノート「XPS M1330」を大型化したような外観で、全体が緩やかなカーブを描く流線型のフォルムや、液晶ヒンジ部両脇のロゴ刻印、タッチセンサ式ボタンと青色に光るインジケータ、パームレスト部にヘアライン加工を採用するなど、高級感を演出する要素が多い。書斎などのプライベートな空間でインテリアとの親和性を考えて導入しても問題ない仕上がりといえる。
天板のメインカラーは、ルビーレッド、アルパインホワイト、サファイアブラックの3色を用意している。17インチワイド液晶を搭載したXPS最上位ノート「XPS 1730」のように各部を光らせるといった派手な演出はないが、メインカラーとシルバーの2色を組み合わせることで、落ち着いた雰囲気を打ち出している。
今回入手した試作機は、サファイアブラックのカラーを採用していたが、天板はマイクロサテン処理の塗装で手触りが実に滑らかだった。マグネシウム合金をベースに艶消しアルミニウムを用いたボディ全体の質感もなかなかのものだ。本体サイズは357(幅)×263(奥行き)×23.7~35.1(高さ)ミリ、重量は最小構成で約2.62キロとなっており、15.4インチワイド液晶搭載のノートPCとしてはスリムに仕上がっている。
tm0711m1530r04.jpg メモリモジュールやHDDの着脱は容易だ。3基のMini PCI Expressカードスロットを持つ。ACアダプターはケーブルを巻き取りやすい構造になっている
メインメモリのSO-DIMMスロットは底面に搭載されており、ネジ止めされたカバーを取り外すだけで簡単にたどり着ける。左側面に用意された 2.5インチHDDベイは、底面4カ所のネジを外し、ドライブを装着したマウントごと横から引き抜くことで取り外せる仕組みだ。メモリやHDDの交換作業に手間取ることはない。
拡張端子には、USB 2.0を合計3基搭載するほか、IEEE1394(4ピン)、ExpressCard/54スロットを用意する。本体サイズを考慮すると、3基という USB 2.0の数は多くないものの、プリンタと外部HDDを常時接続しても、USBメモリや携帯音楽プレーヤーの装着用として1基を残しておけることから、必要最小限の拡張性は満たす。前面にはSDメモリーカード(SDHC対応)/MMC/メモリースティック(PRO対応)/xDピクチャカードを利用可能なカードスロットも搭載しており、デジタルカメラで撮影した写真などを手軽に取り込むことが可能だ。
映像出力端子には、一般的なアナログRGB出力とS-Video出力のほか、前述の通りHDMI 1.2出力を備えている。HDMIを利用すれば、リビングルームの大画面TVにハイビジョン映像をデジタル出力することも可能だ。外部映像出力の端子は充実している。
そのほか、右側面には無線LAN機能の電源スイッチに加え、無線LAN探索ツール「Wi-Fi Catcher」を起動するためのワンタッチボタンが搭載され、周囲の無線アクセスポイントを手軽に発見して接続することが可能だ。
tm0711m1530r05.jpgtm0711m1530r06.jpg 前面には、2人同時で音楽を楽しめる2基のヘッドフォン出力、ノイズキャンセリング機能付きマイク入力、メモリカードスロットが並ぶ(写真=左)。液晶ディスプレイ部はラッチレス構造で、開閉しやすいように突起が設けられている。背面には、リチウムイオンバッテリと排気口が用意されている(写真=右)
tm0711m1530r07.jpgtm0711m1530r08.jpg 左側面には、ACアダプター用のDC入力、アナログRGB出力、100BASE-TXの有線LAN、2基のUSB 2.0、HDMI 1.2出力、4ピンのIEEE1394が配置されている(写真=左)。右側面には、スロットインタイプの光学ドライブ、USB 2.0、S-Video出力、ExpressCard/54スロット、無線LANスイッチなどが並ぶ(写真=右)
液晶は光沢仕様、キーボードの使い勝手は良好
tm0711m1530r09.jpg 試作機は1440×900ドット表示の液晶パネルを搭載していた
15.4インチワイド液晶ディスプレイは、1280×800ドット(WXGA)表示が標準となる。前述の通り、今後は1440×900ドット(WXGA+)と1680×1050ドット(WSXGA+)の液晶パネルも選択可能になる予定だ。入手した試作機は1440×900ドット表示の液晶パネルを搭載していた。
光沢タイプのTrueLife液晶を採用しているため、画面には外光の映り込みが見られるが、光源が直接反射する状況以外では視認性が著しく低下することはなかった。液晶パネルはノートPCで一般的なTN方式のため、上下方向の視野角、特に下方向の視野角が狭いものの、左右方向は十分で、通常使うぶんにはまったく問題ない。
輝度は公称値で220カンデラ/平方メートルとまずまずの明るさだ。ノートPCはデスクトップPCと比較して視聴距離が近くなるため、この程度の明るさでも動画の再生時に暗すぎると感じることはなかった。なお、液晶パネルの上には200万画素のWebカメラが標準搭載されている。
tm0711m1530r10.jpg キーボードは変則的なキーピッチこそないが、右端のキー配列に注意が必要
18ミリの横ピッチを持つキーボードは、文字や記号のキーに不規則なピッチが見られず、Enterキーやスペースバーといった、よく使うキーに十分なサイズが与えられている。また、キーボードユニットを支えるベース部分の強度が高いことから、端のキーを強くタイプしてもキーボードがたわむことはなく、使い勝手は基本的に良好といえる。
ただし、EnterキーとBack spaceキーの右隣にHome、PageUp、PageDownの各キーが並んでおり、上の矢印キーの右隣にEndキーが配置されているので、手がなじむまではこれらのキーを誤ってタイプしないよう注意する必要がある。
タッチパッドはオーソドックスな2ボタンタイプで、操作面の右端と下端をなぞることでスクロール操作もこなす。2つのボタンはソフトなクリック感と深いストロークを持ち、フカフカとした印象を与えるタッチになっている。
キーボード奥のボタン群はタッチセンサを採用しており、指先で軽く触れるだけで音楽/映像再生ソフトの操作や音量調整が行える。光学ドライブのイジェクトボタンはキーボードの奥だけに搭載され、ドライブ自体にイジェクトボタンを備えた一般的なドライブとは使い勝手が少々異なる。なお、タッチセンサ式ボタンは触れたボタンを青く光らせることで、ボタンが押されたことを視覚的に知らせる仕組みとなっている。こうした操作性と見た目への配慮が、XPS M1530の持ち味だ。
豊富なBTOメニューが良好なパフォーマンスを後押し
tm0711m1530r11.jpg Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア
入手した試作機は、Core 2 Duo T7500(2.2GHz)と2Gバイトのメインメモリ、200Gバイト(7200rpm)のHDDを搭載し、グラフィックスチップにはGeForce 8600M GTを採用していた。3Dゲームも楽しめるハイスペックな構成だ。Windowsエクスペリエンスインデックスをチェックしたところ、メモリ以外のテストに5点台が並ぶ好成績で、メインマシンとしてストレスなく利用できる仕様だった。
この試作機を使ってベンチマークテストも走らせてみた。実行したのはおなじみのPCMark05、3DMark06、Final FantasyオフィシャルベンチマークテストVer.3(FFベンチ)だ。3DMark06については、ディスプレイに発売時で選択できない1440× 900ドット表示の液晶パネルを採用していたことから、解像度を1024×768ドット、1280×800ドット、1440×900ドットの3つに設定し、それぞれで測定している。
tm0711m1530r12.jpgtm0711m1530r13.jpgtm0711m1530r14.jpg 左から、PCMark05、3DMark06、FFベンチの結果
PCMark06の結果は、Memoryテストの結果が4000台となったものの、GraphicsテストとHDDテストは5000台前半、 CPUテストは5000台後半と良好な成績を残した。3DMark06の結果はノートPCとしては優秀で、1280×800ドット表示以下の解像度では 4000を大きく上回るスコアをマークした。1440×900ドットのフルスクリーン表示ではスコアが3800台に落ち込んだが、ノートPCでの計測結果としては高い。FFベンチのスコアも低解像度モードで7937、高解像度モードで5578と高めの結果だ。解像度を適度に調整すれば、3Dゲームを快適に楽しめるだけの性能は備えていると判断できる。
なお、ベンチマークテストの計測中に動作音をチェックしたところ、CPUとグラフィックス機能に負担がかかる状況では冷却ファンの回転数がアップし、ファンの風切り音が増大するのが確認できた。ただし、負荷が低くなれば速やかにファンの回転が落ちるため、騒音が増大した状態が長く続くことはなかった。本体の発熱については、ベンチマークテスト終了直後でもキーボード面に過度に熱くなる部分はなく、試用中を通じて発熱を不快に感じることはなかった。
バランス感覚に優れた15.4インチワイドノートの新鋭
価格は、Core 2 Duo T7800(2.6GHz)やBlu-ray Discドライブ、GeForce 8600M GTを搭載した同社の推奨構成では35万3580円と高価になるものの、CPUをCore 2 Duo T7250(2.0GHz)、光学ドライブをDVD±RWドライブ、グラフィックスチップをGeForce 8400M GSにダウングレードし、メモリとHDDの容量も最小限に抑えたベーシックモデルなら13万5180円で購入できる。BTOでの選択次第では、20万円程度の予算でゲームに対応できる1台を組み上げることも可能だろう。
申し分ない性能に加えて、収納性や設置性に優れたサイズと、過度な装飾を省きつつ高級感を備えたボディも、個人で使うノートブックPCとして魅力的だ。冬のボーナスでノートPCの購入を検討している人にとっては、ちょっと贅沢な1台をリーズナブルに購入できる、そんな痒いところに手が届く1台といえそうだ。デルはXPS M1530を「究極のベストバランス15インチノート」と表現しているが、確かに性能、機能、外観が高いレベルでバランスよくまとまっている。