スペック?使い勝手?標準準拠?……何で選ぶの!無線LAN
『日経パソコン』2007年10月8日号の特集1で、無線LANを取り上げました。記事を執筆するにあたって、主要メーカーの無線LAN機器を借り、代わる代わる接続設定を試してみました。そこでつくづく思ったのは、「メーカーによって持ち味が違う」ということです。多分、製品選びのポイントもこのあたりにあると思うので、今回はその話をしてみましょう。
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20071012/284414/
まず、バッファローの製品。何よりもスペック重視という印象。というのも、現時点ではIEEE802.11a/b/g/nのすべての規格が同時に使えるのは、バッファローの「WZR-AMPG300NH」しかないのです。11n対応製品は他社にもありますが、11a+11nと11b/g+11nのどちらかに切り替えてしか使えないとか、11b/g/nしか使えないという製品が大半です。
半面、バッファローの製品は使い勝手にやや不満が残りました。それは、独自の接続ツール「AOSS」で設定するのが前提になっていること。Windowsが備える無線接続機能を使って設定することもできますが、この場合は暗号化の設定がされません。別途設定が必要です。
もっと困ったのは、いったんAOSSで設定した親機に、無線LAN内蔵のパソコンをWindowsの標準機能を使って接続しようとしたときです。SSIDや暗号キーが、本体にもマニュアルにも書いてない。すでに、親機につながっている子機から親機の設定画面を開いて確認しなければなりません。さらに、設定画面を開いて驚きました。ESSIDや暗号キーが長い! 特に、暗号キーはランダムな62文字の文字列になっています。62文字のランダムな文字列というと、こんな感じです。
4E8G63Y0R2M7195ZDSO712G8JLV4P0CF656FJE3PNBZ397HQWP3KF9CD4LMIU8
いくらなんでも手入力するには長すぎます。ここまで長いと、読み合わせをしてくれる人でもいなければ、なかなか正確に入れられそうもありません。バッファローのクライアントソフトを無線LAN内蔵パソコンにインストールして、AOSSで接続すれば問題はないのですが、「パソコン標準の無線LAN機能を使うのに、他社のソフトを別途インストールするのはなんだか面倒」と思う人もいるでしょう。
この点、NECアクセステクニカの製品は使いやすいと思います。独自の接続ツール「らくらく無線スタート」を使って親機を設定した場合、使用するSSIDや暗号キーは工場出荷時に機器別に設定してある値になります。そして、それらは親機の裏に記載されています。文字数も13桁とさほど長くはありません。らくらく無線スタートで設定した親機に、無線LAN内蔵パソコンなどをつなぐ場合も、手動で接続が可能です。
親機側の設定を変更して、SSIDや暗号キーを自分の好きな文字列に変えてしまった場合でも、らくらく無線スタートで子機の設定ができるのが便利でした。バッファローの機器でSSIDや暗号キーを変更すると、AOSSを無効にして、すべての設定を手動でやり直さなければなりません。
一方、コレガは独自のツールは持っていません。「Wi-Fi Protected Setup(WPS)」という業界標準ツールを使っています。使ってみると、業界標準ゆえの便利さを感じました。同じくWPSに対応しているバッファローの機器と、ボタン一つでつながったのです。今はWPS対応機器が少ないですが、今後増えてくれば、より便利になりそうです。
スペックを重視する、設定は全部AOSSでやる、という人はバッファローの機器が良いでしょう。一方で、使い勝手やカスタマイズのしやすさを重視するならNECアクセステクニカがお薦め。業界標準の安心感を求めるならコレガがよいでしょう。無線LAN機器を購入するときは、つい速度にばかり目がいきますが、こういった細かいところもチェックしてみてはどうでしょうか。
(平野 亜矢=日経パソコン)