第5回 すべてのビジネスPCが進化する
2007年に入って,ノート・パソコンにもvProプロセッサーテクノロジーに対応した製品が登場した。今後は,vProプロセッサーテクノロジーの中核であるiAMTの強化を進める。同時に,標準化団体のDMTFが策定したクライアント管理技術に対応。各ベンダー間での相互運用が可能になる。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070601/273294/?ST=security
インテルはさらにプラットフォーム技術としてのvProを強化・拡張する。その一つが2007年5月に登場したモバイル向け管理機能「インテルCentrino Pro プロセッサーテクノロジー」(開発コード名はSanta Rosa)である。さらに2007年後半には,デスクトップPC向け「Weybridge」(開発コード名)プラットフォームにより,管理・セキュリティ機能を強化する(図1)。
図1●次世代PCプラットフォームのロードマップ
vProをノートPCに拡張
インテルは2007年5月,次世代のモバイル・プラットフォームとしてCentrino Proをリリースした(図2)。Centrino Proは,vProと同様に,Core 2 Duoプロセッサ(開発コード名はMerom),965GM/PMチップセット(Crestline),次世代無線LANモジュール(Kedron)を組み合わせたプラットフォーム。Centrino(Napa)の後継版である。
図2●ノートPCのプラットフォーム
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Centrino Proでは,ノートPCに初めてiAMTが搭載された。Centrino ProとvProとの違いは,ネットワーク・インタフェースが無線LANになっている点,オプションとして3G(第3世代携帯電話)ならびにWiMAXを含めたWAN機能を提供する点だ。また,NANDフラッシュ・メモリーを用いたディスク・キャッシュ技術であるRobson(開発コード名)にも対応する。
バッテリー駆動中を意識しiAMTを拡張
Centrino Proで実装されたiAMTは,バージョン2.5。vProプラットフォームに搭載されているiAMT2.0のマイナー・バージョンアップ版で,基本機能は2.0とほとんど変わらない。例えばLANケーブルによるネットワーク接続時には,現行のvProプラットフォームと全く同等の管理機能を提供する。もちろん,ワイヤレス環境でのクライアント管理も実現する。2.5と2.0の違いはワイヤレス環境にあるPCの管理を意識した仕組みを持つかどうかである。
極めて危険性の高いウイルスが登場した場合,そのウイルスが悪用するぜい弱性をつぶすためのセキュリティ・パッチ配布は何にもまして優先度が高い。特にノートPCは社外でいつネットワークに接続されるか分からないし,そのネットワークはセキュアなものとは限らない。そこでウイルスに汚染された1台のノートPCによって,全社のネットワークが危険にさらされることもあり得る。iAMTのような技術を使ったクライアント管理は不可欠である。
しかし,ノートPCにネットワーク・ベースの管理機能を導入することは,実は大きなチャレンジだった。持ち運び可能なノートPCは,デスクトップPCと違って電源の状態,ネットワーク接続の状態によって運用管理に制約が生じるためである。バッテリーが消耗し,スリープ状態にあるノートPCにパッチを送っても,インストールできない可能性が高い。このため,ACアダプタに接続されているのか,バッテリー駆動中なのか,バッテリー駆動されている場合その残量はどれくらいなのか,といった点を考慮しながら運用しなければならない。
バッテリーだけではない。ノートPCでは利用可能なネットワーク帯域が一定しない。社内でLANに接続している場合と,社外でPHSや携帯電話のネットワークを利用している場合では,利用可能な帯域が著しく異なる。バッテリー駆動中の場合と同様に,パッチを適用すべきかどうか状況に合わせた判断が必要になる。
そもそもワイヤレス環境では,ネットワーク接続に必要な各種の認証情報や接続情報はOSの管理下にある。iAMTに対応していないPCでは,BIOSやファームウエアのレベルでネットワーク接続用の情報を認知できず,OSが起動し,デバイス・ドライバがロードされるまでワイヤレス機能が無効になっているのが一般的である。つまり,ワイヤレス接続の環境ではiAMTの機能をフルに活用することはできない。
このように,ワイヤレス環境においてPCの管理を行うには,さまざまな不確定要素に対して,細かく配慮する必要がある。Centrino ProでのiAMT2.5は,基本的なポリシーとしてAC電源接続時は,デスクトップPCのiAMTと同じ機能を実現し,バッテリー駆動のスリープ状態(ハイバネーション,電源オフ時を含む)では管理機能をサポートしない。ワイヤレス接続の場合は接続状況により機能的な制限を設けられるようにすることで,管理機能と携帯性のバランスに配慮している。
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[2007/06/15]