目標の共有とコミュニケーションがIT導入効果を高める
IT(情報技術)ツールの利便性が必ずしも効果をもたらすとは限らない。企業の実態に応じたITツールの選択と習熟が重要だ--。(社)日本ファシリティマネジメント推進協会(JFMA)の「ITとワークプレイス研究部会」の部会長を務める氏家聡氏はそう主張する。氏家氏は2007年春に開かれた「JFMA FORUM 2007」で、「企業価値を高めるICT(Information and Communication Technology)、先進事例に学ぶ身の丈にあったICTとは」と題して講演し、事例や調査結果を紹介しながら、IT導入の課題について語った。
http://www.nikkeibp.co.jp/news/const07q2/533447/
ITとワークプレイス研究部会はこれまで、富士通のシステムエンジニア(SE)が入居する「富士通ソリューションスクエア」のほか、日本テレコム(現ソフトバンクテレコム)、マブチモーターなどのオフィスを見学してきた。氏家氏によると、これらのオフィスに共通している点は、(1)経営課題と直結したワークプレイスとIT環境を実現している、(2)ITの活用によって、オフィスワーカー同士のコミュニケーションを活発にし、価値の創造を目指している、(3)携帯電話やノートパソコン、無線LANなど多くのITツールが導入されている--の3点だ。氏家氏は、「どの企業もIT導入によって、コストを削減していたが、コミュニケーションの活性化については定量的に把握できていなかった」と語る。
同研究部会のメンバーとその周囲のオフィスワーカーの計70人を対象に、身近なITツールの利用状況、仕事の進め方と場所の関係、効果や課題などについてアンケートを行った。その結果、パソコンやメールアドレスなど個人に属するITツールの利用度は高いが、プロジェクターや無線LANなど会社の設備の利用度は低いことがわかった。仕事の進め方と場所については、個人の作業が中心でグループワークは少ない。ワーカーの座席は固定化している傾向が強いが、自由に席を選んで仕事を進められる事例もあることが判明した。IT導入の効果については「作業が効率化した」と答えた人が全体の半数を超え、「連絡を取りやすくなった」との意見も寄せられた。しかし、8割強が「理想とするオフィスとギャップがある」と回答した。
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