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GWに大実験、住宅地のFON APはどれぐらい使えるのか

草の根的にエリアを広げる公衆無線LANサービス「FON」。2005年にスペインでサービスが始まり、日本でも昨年12月に本格展開を開始した。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070509/270303/

3月末には日本における無線LAN アクセス・ポイント(AP)数が1万カ所を突破し、着実にユーザーが増えているという。

筆者も4月中旬にFON対応の無線LANルーター「La Fonera」を入手し、無線LAN APの公開を始めた。自分のAPを無償提供する代わりに、他者のAPを無償利用できる「ライナス」(Linus)サービスのユーザーとなったのだ。ユーザーとなった以上は、他者のAPを使ってみたくなるのが人情。そこでゴールデン・ウィーク中に、筆者が住む市内で公開されているFON APに接続してみた。今回は、その結果を報告したい。

筆者が住んでいるのは、東京近郊のとある市で人口は約20万人だ。実験に当たっては、まず無償公開されているAPの場所を把握しておかなければならない。APの場所は、サービス提供元のフォンが公開している「FON MAPS」で調べることができる。ここで見てみると、筆者の自宅周辺には筆者が公開しているAPを除き10数個のAPが公開されていた。ほとんどが住宅地にある。このうち「1時間以内にアクティブだったFONアクセスポイント」を10個選び、その場所まで行って無線LAN接続をしてみた。なお「1時間以内にアクティブ」なAPは、FON MAPS上では濃い緑色で示されている。

実験を実施したのは5月6日。あいにくの雨模様ということもあり、車でAPのあるところまで移動して車の中から接続を試みた。接続実験を行うポイントは、FON MAPS上にAPを中心として表示されている半径約50mの緑色の円(ここではFON APエリアと呼ぶ)の中であればどこでもよい、というルールにした。細い路地が曲がりくねっている住宅地では、APのすぐそばに車を停めることが困難な場合もあるからだ。徒歩でAPの場所まで行くという実験方法も考えられるが、実際にFONを利用するシーンを考えてみても、わざわざパソコンを持ってAPのそばまで歩いていってインターネット接続するなどといったことは想定しにくい。車の中からというのは、妥当な実験方法だと思われた。

APの場所をFON MAPS上で拡大表示して印刷したものを持参し、それをカーナビの地図と見比べてFON APエリア内に停車していることを確認。ノート・パソコンを使ってIEEE802.11b/g方式による無線LAN接続を試した。

さて,前置きが長くなったが以下の表が実験結果である。

表●FON AP接続実験結果

  地図上のAP設置場所 AP検出,接続の可否 下り実効速度

1 一戸建てと思われる場所 AP検出不可 ──

2 一戸建てと思われる場所 AP検出不可 ──

3 集合住宅と思われる場所 AP検出/接続不可 ──

4 一戸建てと思われる場所 接続可 757kbps

5 集合住宅と思われる場所 AP検出不可 ──

6 一戸建てと思われる場所 接続可 3.5Mbps

7 集合住宅と思われる場所 AP検出/接続不可 ──

8 集合住宅と思われる場所 AP検出/接続不可 ──

9 集合住宅と思われる場所 接続可 985kbps

10 商業施設と思われる場所 AP検出不可 ──

 表を見ると分かる通り,10カ所のAPのうち,きちんと接続できたのは3カ所のみ。残りの7カ所のうち3カ所はAPの存在が確認できたものの接続できず(「AP検出/接続不可」),4カ所はAPの存在すら分からなかった(「AP検出不可」)。なお接続できたAPでは,速度測定サイトにアクセスして実効速度も測ってみた。最も高速なAPでは下り最大3.5Mbpsを記録。他の2カ所は数百kbpsだった。言うまでもなく3.5Mbpsもあれば非常に快適なインターネット接続が可能だ。数百kbpsでも,メール送受信や通常のWebサイト閲覧は問題なく行える。

 AP検出/接続不可だった3カ所では,2種類の現象が起こった。一つは,電波強度が非常に弱かったというもの。Windows XPの「ワイヤレスネットワークの選択」画面で,「ネットワークの一覧を最新の情報に更新」を何度かクリックしてようやく「FON_」で始まるSSIDが見つかったものの「接続」には失敗。再度,接続を試みようとして一覧を更新しても,なかなかSSIDが現れないといった現象だ。こうしたAPは2カ所あった。もう一つは,「FON_」で始まるSSIDは安定的に表示できているものの,なぜか接続できなかったというもの。原因は不明である。この現象は1カ所だけだった。

 一方,APの存在すら分からなかったケースは,原因は定かではないが,類推すると大きく二つの可能性があると思われる。一つは,「AP検出/接続不可」と同様に電波強度が非常に弱かったということ。そしてもう一つは,「そもそもそこにAPはなかった」という可能性だ。

 後者については少し説明が必要だろう。実はライナス・サービスのユーザーとなってFON MAPSに自分のAPの場所を登録する際は,地図上のどこにAPを置くのかがユーザーに任されているのである。意図的に位置を偽ることもできる。極端な話,地図上では他県にAPを置くこともできるのだ。実際,FON MAPS上では東京ディズニーランド内にも二つのFON APが置かれており,うち一つは「アクティブ状態」の濃い緑色となっている。東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドがFON APを置くとは考えにくく,虚偽のAPである可能性が高い。それどころかFON MAPSでは,海上にすらいくつものアクティブなFON APが存在している。これらは“ジョーク”以外のなにものでもない。

 「互助の精神で成り立っているFONでAPの場所を偽るとは何事だ」。このように感じる方も少なくないかもしれない。

 ただユーザーの立場になれば,「APの正確な場所はあまり示したくない」という心理も理解できる。というのも,インターネット上のバーチャル空間とは異なり,APの場所はリアルな世界だ。FON APを利用したくて,見ず知らずの他人が自宅に向かってやってくるかもしれないのである。FON MAPS上では,少しだけ位置をずらしておこうという気持ちになったとしても不思議ではない。

 さらに言えば,FONの持つセキュリティ上の“ある欠点”が,APの場所をあからさまにしたくない心理を助長させている面がある。セキュリティ上の欠点とは,自宅からインターネットにアクセスした場合と,他のライナス・ユーザーが公開FON APを通じてインターネット・アクセスした場合とで,ネット上に出るグローバルIPアドレスが同じだという点である。このため,他者が掲示板などで法律に反する書き込みなどを行った場合,その書き込みを行った者として,まず「FONを公開している善意のユーザー」が疑われる可能性がある。

 もちろん,このように意図的にAPの位置を偽るだけでなく,単純に場所登録の際に間違えてしまう可能性もある。地図を拡大しないままクリックすると,100mや200mは簡単にずれてしまう。しかしその100mや200mのズレが公衆無線LANサービスでは大きい。

 今回の10カ所だけの実験で,短絡的な結論は出せないだろう。しかし登録の方法からしても,必ずしもFON MAPSの信頼性は高くないと言わざるを得ない。「タダ」のサービスなのだから,それぐらいは仕方ないと言ってしまえばそれまでだ。だがフォン自らが FONサービスのことを「インフラ2.0」と呼ぶように,FONをさらに広げていくには,やはりライナス・ユーザーのメリットがきちんと示されなければならない。

 筆者は,それにはまず前述のセキュリティ上の欠点を解消するところから始めないといけないのではないかと感じている。安全性をきちんとうたい,安心して正しいAPの場所を登録してもらうことが第一のステップではないだろうか。

 実際のところ,フォンは対策を検討しているようで,それについては取材を進めている最中である。詳細が分かり次第,再度,みなさまにご報告しようと考えている。


(安井 晴海=ITpro)  [2007/05/11]



http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070411/268065/?ST=network

FONのAP数が開始4カ月で1万台突破,1日限定でAPを無料提供

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 公衆無線LANサービス「FON」を提供するフォン・ジャパンは4月11日,日本国内のアクセス・ポイント(AP)数が1万カ所を突破したと発表した。同社はこれを記念して,4月14日の1日限定でFON対応の無線LAN AP「La Fonera」を同社のWebショップで無料提供するキャンペーンを実施する(送料は別途必要)。同時に,同日は九十九電機でも500円で販売する。

 FONは,ユーザーの自宅に設置した「LaFonera」と呼ぶ専用の無線LAN APを,ユーザー間で共有して利用する公衆無線LANサービス(関連記事)。利用者が自身のAPを無償提供し,他者のAPも無償利用できる「ライナス」(Linus)と呼ぶサービスを提供している。

 フォン・ジャパンによると,ライナス型サービスを利用して他者に開放しているAPの数が3月30日に1万カ所を突破。4月8日時点では1万691カ所に達しているという。分布では東京都が最も多く,大阪府,愛知県がこれに続いている。これにより,国別のAP数ではドイツ,米国に次ぐ3位に浮上した。

(白井 良=日経コミュニケーション)  [2007/04/11]



http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20061204/255949/?ST=network

欧州発公衆無線LAN「FON」が始動,ただし問題視するプロバイダも

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写真1 専用の無線LANルーター「LaFonera」。1980円で販売する

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写真2 日本でのFON開始に伴って来日した,FON創業者で英フォン・ワイヤレス・リミテッドのマーティン・バルサフスキーCEO

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 フォン・ジャパンは12月4日,世界中で草の根的にエリアを広げている公衆無線LANサービス「FON」を,日本でも本格展開すると発表した。

 FONとは,サービス利用者自身が専用の無線LANルーター「LaFonera」を使って自宅の無線LANアクセス・ポイント(AP)を開放し,他のユーザーに無償または有償で公衆無線LANを提供するサービス(写真1)。スペインで通信事業に携わっていたマーティン・バルサフスキー氏が2005年 11月にプロジェクトを開始した(写真2)。欧州を中心にサービスが広がっており,現時点で世界144カ国で約4万のAP,約16万人の会員がいるという。

 日本では九十九電機で12月5日から,専用の無線LANルーター「LaFonera」を販売開始することで,本格展開をスタートする。価格は1980円。12月9日までの先着1000人に限り,LaFoneraを無料で提供するキャンペーンも実施する。

 FONのサービスは,利用者が自身のAPを無償提供し他者のAPも無償利用できる「ライナス」型,自身のAPを有償提供し他者のAPも有償利用する「ビル」型,自身ではAPを立てず他者のAPを有償利用する「エイリアン」型の3タイプがある。当面日本ではエリアを広げることに専念し,「ライナス型のみで展開する」(フォン・ジャパンの藤本潤一CEO)。2007年内に日本国内のAP数を7万5000台とする目標を掲げた。なおエイリアン型サービスの提供も2007年第1四半期をメドに開始するという。エイリアン型の料金は米国で1日3ドルで,日本でも同等になる見込み。

 ただし現時点でFONの利用者は,インターネット接続事業者(プロバイダ)との間で問題が発生する可能性もある。FONの仕組みは,利用者のブロードバンド回線を第三者に利用させることで成り立つからだ。プロバイダによっては約款で,ユーザーが第三者へ回線を利用させることを禁じているケースもある。例えばニフティは「現時点で@niftyの回線を使って第三者にFONのネットワークを使わせることは,契約違反に当たると言わざるを得ない」との見方を示す。約款に反した利用者は最悪の場合,退会させられる恐れもある。

 この点に関してバルサフスキー氏は「規制があることは理解しているが,既にサービスを開始している地域では通信事業者との問題は起こっていない。むしろFONとパートナーとなることで,通信事業者にはFONの接続料金を分配するためにメリットが増す」と説明する。世界各国で通信事業者やプロバイダと提携している事実を紹介し,あくまで良好な関係を築いていることを強調した。

 日本では,スタートに当たってエキサイトとの提携を発表した。フォン・ジャパンとしては引き続き,通信事業者やプロバイダと話し合いを進め,FONに対する理解を求めていきたいとしている。

(堀越 功=日経コミュニケーション)  [2006/12/04]

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