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4.3インチワイド液晶と無線LAN対応の携帯ゲームマシン

株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントが本格的に作り出した携帯ゲームマシン「PSP」(プレイステーション・ポータブル)がついに12月12日、発売された。当日朝の模様は既報の通り。記者も量販店などで本体を確保できたが、訪れた店はかなりの行列ができ、ひっきりなしに購入していく姿が印象的だった。価格はA店では定価+ポイント10%、B店では定価+ポイント5%と、定価販売が基本で、ポイントに各店の違いがある程度。

http://watch.impress.co.jp/game/docs/20041212/pspr.htm

 さて、同時発売タイトルが6本、そして月内には19本のラインナップが登場するPSP。早速試用してみたので、本稿では、PSPのゲーム機としてのレポートをお届けする。他の機能に関するレポートは、僚誌であるAV Watchのレポートに詳しく掲載されているので、ご一読いただきたい。

PSP-1000の本体と付属物。左からACアダプタ、バッテリーパック、本体、取扱説明書

 まずはパッケージ内容。箱を開けてみると、本体(PSP-1000)と、専用充電式バッテリーパック(PSP-110)、ACアダプター(PSP-100)と電源ケーブル、そして取扱説明書が登場。ここまでがPSP-1000の同梱内容で、同時発売のバリューパックには、これに加えてメモリースティックDUO(32MB)(PSP-M32)、リモコン付きヘッドフォン(PSP-140W)、ポーチ&ハンドストラップ(PSP-170B)がさらに同梱されている。

■ 4.3インチワイドスクリーンTFT液晶のインパクト

メインメニュー画面。これを表示しているだけでも、その美麗さに感動

 前日の特集でも触れているが、とにかく本体を眺めてまず目を引くのは、4.3インチの16:9ワイドスクリーンTFT液晶の大きさだ。そのイメージがそのまま本体の大きさのイメージに投影されるといっても過言ではなく、とにかく「大きい」。その左右、そして本体脇にはスイッチやボタン類、そしてインジケーター類が配置されているのだが、それらはコンパクトにスキなく納められていることもあって、この液晶の大きさがより引き立つ格好だ。

 実際に見てみると、この液晶は残像感覚も少なめ、かつ高精細ということもあり、くっきりはっきりとゲーム映像を楽しむことができる。プログレッシブ表示対応TVなどで、D2以上の画像を体験している方にはお解りいただけるだろうが、あのちらつきのない目に優しい高品質な映像が、PSPでは解像度こそ落とされているものの、それに似たイメージで手のひらに余るほどの大きさの画面に表示されているわけだから、携帯機として考えると、この映像には軽いショックを覚えることうけあいだろう。

 そして、本体を横から眺めたときに感じるのが「薄い」ということ。液晶の背後にUMDドライブが内蔵されているのだが、そんなことを微塵も感じさせないコンパクトさこそ、PSPのすばらしさの真髄といっていいだろう。編集部などで披露した際、たいていの人が「液晶でかっ」と言った後、横を見て「薄っ」と言っていたことを報告しておきたい。

 また、液晶の視野角の広さにもびっくりする。誰かがプレイしている後ろから液晶画面を覗き込むようにしなくても、映像ははっきり見える。

■ まとまりのよい操作系統

本体左サイド。十字キーやアナログパッドの下に、メモリスティックスロット、ワイヤレスLANスイッチなどが見える

本体右サイド。4つのボタンの下にはPOWER/HOLDスイッチが

液晶画面の下に並ぶボタン類

 操作面は、上から大型のL/Rボタン、そして左には十字キー、右には、○×△□と4つのボタンとなっており、方向キー下にアナログパッドが置かれる格好。さらに画面下には、HOME(ホームメニュー表示)、音量(+/-)、ディスプレイ(最大4段階の輝度調整[ACアダプタ接続時])、サウンド(音質変更:ゲームプレイ時はOFF)、セレクト、スタートといったボタン類が並ぶ。

 この中で注目したいのは「HOME」ボタン。PSXを利用したことがある人にはおなじみの「QUIT GAME」ボタンと同様の役割を持つこのボタンは、ゲームプレイ中にホームメニューに抜け出したいときに利用する。ただ、PSXのようにいきなりゲームが中断するわけではなく、必ずダイヤログが表示され(そのバックではゲームは進行)、「はい」を選択することで初めてゲームからホームメニューへと切り替わる。

 ゲーム起動中にOPENスイッチをスライドさせると、UMDがイジェクトされるが、このときも「HOME」ボタン同様に「ゲームを終了しますか?」と表示される。

 また、先ほども書いたが、サウンドボタンはゲームプレイ中は一時的にOFF扱いとなっているので機能しない。音量+/-ボタンを押した場合、ゲーム中以外は画面下部に音量バーが表示され、現在の音量とともに音量変化を表示してくれる。音量+/-ボタンを押しっぱなしにすると音声がミュート状態になる。また、ディスプレイボタンは、ACアダプタ接続時のみ最も明るい4段階目が選択できるようになっている。ディスプレイボタンを押しっぱなしにするとバックライトが消灯する。

 さて、各ボタンに関してのインプレッションだが、配置が絶妙で、操作に関して疲労度は低い。レビュー用に「リッジレーサーズ」を1昼夜、2人で交代でプレイしても、目だった疲れは感じなかった。ただ、全般的にストロークは浅い。そして、本体、ボタン類は硬質の光沢を放つプラスティック系素材が使われている。プレイステーション 2のコントローラであるDUALSHOCK2と比較してみると、十字キー、そして○×△□ボタンの大きさは、近いものがあるのだが、やはりPSPのほうが小さめとなっている。

 実際かなり使ってみたが、ストロークの浅さにはすぐに慣れる。ただ、長時間プレイで入れ込みすぎると少し指が痛くなった。角に指が当たりがちな十字キーは特にその傾向があるため、少し力を抜いてプレイすることをオススメしたい。また、アナログパッドも、左手で本体サイドを包み込むように握った場合、親指で操作しようとすると、若干左手首を引くように開いておくことが必要になる。

 もう1つ気になるのはやはり塗装からくる光沢のよさの裏返しともいえる、本体に指紋がつきやすいということ。専用ポーチに入れたり、目の細かいクロスやメガネ拭きなどを併用すれば消えるが、外に持ち出すときにちょっと気を使う。特に、指の長い人は液晶の角に指紋が付きがちだ。写真を撮影するときも入念に拭いたのだが、奇麗な塗装だけに逆に汚れも目立ってしまう。これはブラックという本体カラーのせいもあるだろう。

背面を上から見たところ。中央にはUMDスロットが口を開ける。L/Rボタンの間には、向かって左は赤外線通信ポート、中央にはUSBコネクタ、右にはOPENボタンが並ぶ

 逆に、本体裏側の方は、梨地のプラスチックの成型色がそのままのような濃いグレーのカラーになっており、持ちやすさを考慮してか、ウェーブのかかった形状になっている。正面から見て右にリチウムイオンバッテリが内蔵されており、側面にPOWER/HOLDスイッチが配置。左側にはメモリースティックDUOスロット、左側面にはワイヤレスLANスイッチが並んでいる。

■ UMDを使った以上ロードはあるが、スリープ機能を活用すればフォロー可能

UMDスロットには何も入れない状態で電源を入れてみた。ホームメニューが立ち上がっている。本当に開封直後の起動なので、バッテリ残量は2を示している

 さて、電源を入れてみよう。その前に、バッテリーパックを本体にセットしなくてはPSPは起動してくれない。バッテリーパックはすんなり入ってくれたのだが、カバーを元に戻すときに、本体上面へ指紋がつくのを警戒しておそるおそるカバーを閉めようとすると、ちょっと収まり具合にクセがあることがわかった。はずすときはボタンを押し込んでカバーを横にスライドさせればすぐ開くが、閉じる時にはコツがいる。

 というわけで無事にバッテリーのセットを終え、POWERスイッチをスライドして押し上げる。すぐさまPOWERランプが緑に変わり、電源が入る。UMDがセットされていない状態では、ここからホームメニュー画面へと移行する。初回起動時は本体の設定を終了させた後、ホームメニュー画面へと戻る。


UMDスロット「リッジレーサーズ」を入れると、ホームメニューがゲーム>UMDへとスライドする。そこで何もしないで待っていると、動画付きタイトル解説メニューが表示された

 電源投入からホームメニュー表示まで、この間約8秒。さらに、そこでUMDドライブに「リッジレーサーズ」をセットして、○ボタンを押して起動してみた。「NOW LOADING」と表示されるまでが約10秒あまり。そこから約10秒後に「ニューラリーX」が起動した。ここからは、すぐにSELECTボタンを押せば、数秒でオープニングムービーが流れる。ディスクメディアとして、この起動時間はなかなか優秀なのではないだろうか。

 PSPにはスリープ機能がある。POWER/HOLDスイッチをもう1度押し上げ、すぐに離すとスリープモードへと移行する。この間約3秒。そして、もう1度POWER/HOLDスイッチを入れると、直後にそれまでの画面が表示された。スリープモードからの復帰は高速で、ストレス知らず。携帯機として当たり前のようだが非常にありがたい機能だ。

 ちなみにこのスリープ機能は、取り扱い説明書にも書いてある通り、ゲームによっては機能しなかったり、完全に復帰しないタイミングもあるようだ。いくつかのタイトルで試してみたが、ゲームを一度完全に立ち上げれば、ほとんど復帰は可能。「NOW LOADING」中にスリープしたら、同じ画面から復帰したりしたので、かなりの忠実度といえるだろう。なお、メインスイッチを完全に切りたいときは、2秒以上POWER/HOLDスイッチを押し上げたままにすれば、画面が消灯するので、その後スイッチから手を離せばよい。

■ 無線LAN機能を使った8人の「ワイヤレスバトル」に挑戦

本誌に寄稿しているライター諸氏に自らのPSPを持ち寄ってもらった


実力にある程度差があっても、意外と成り立ってしまうバトルは楽しい

 さて、PSPやニンテンドーDSに装備された無線LAN機能についてここから調べていこう。PSPの場合、ルータなどに接続する「インフラストラクチャーモード」と、PSP同士を接続する「アドホックモード」があるが、プレイステーション BB Unitの設定をこなせる方なら、「インフラストラクチャーモードの設定も充分対応できるし、無線LANに詳しくなくても、メインは今のところ「アドホックモード」なわけで、これはチャンネル競合といった自体にのみ対応すればあっというまに設定は終わる。

 PSPの複数台のマシンを使った無線対戦に関しては、こればかりは複数台のPSPと、複数のソフトがないと遊べないわけで、メーカーにお邪魔してプレイするなどしても、なかなかフルスペックの状態を体験できなかった。そのために発売日までこのレポートを待ったわけだ。

 試してみたのは8人同時対戦が60フレームで実現できているというふれこみの「リッジレーサーズ」、2人対戦を楽しめる「ヴァンパイア クロニクル」といったあたり。

 今回、本稿では「リッジレーサーズ」の8人対戦について見ていこう。まず、通信対戦を可能にするには、PSP本体左のワイヤレスLANスイッチをONにし、対戦モードを選ぶ。「リッジレーサーズ」の場合は「ワイヤレスバトル」を選択。

 次に、ホストとしてゲームを立てるか、立てられているゲームに参加するかを選択する。ゲームを作るには、「自分でレースを開催する」を選択し、マシンクラスとコースを選択し、ハンディキャップ(下位のマシンほどスピードアップする)、を設定した後、参加者を待つ。ちなみに、ほぼ同じ場所で2つ以上レースを開催するには、無線LANのチャンネルを変更するよう指示が出ることがある。

 立てられているゲームに参加するには「レースを検索する」を選択し、目的のレースにエントリーする。開催者側は、任意の人数のエントリーを受け付けた状態でSTARTボタンを押し、マシン選択を終えればレースがスタートする。

 今回、同じフロアに7人、そしてそこからパーティションで区切られた空間で1人の計8人によるワイヤレスバトルに挑戦してみた。最初は手順にちょっと手間取ったりしたが、無事全員エントリー成功。実際レースが始まるカウントダウンのボイスに、ちょいとエコーがかかる。これが通信タイミングの違いだろう。ただ、ガタガタになったわけではない。

 実際レースをはじめてみると、ホストからの距離によって少し違いが出てきた。これは単純に電波事情によるもののようだ。編集部のフロアには無線LAN用のアクセスポイントが多数設置してあることもあり、電波干渉も考えられる。だが、レースにならないということではなく、軽くクルマがワープしてみたり、といった状況があるにはあったが、基本的にフレームレートは落ちることなく、何度もレースを楽しんでいるうち、このバトルの操作のコツがつかめてきた。

 ワイヤレスバトルでは、スタート時に所持しているニトロゲージが、通常の1人プレイ時の倍はある。さらに、ハンデキャップによるスピードアップがあるため、常に気の抜けないバトルが展開する。ニトロの使いどころの駆け引きに慣れてくると、自分の走りを物差しに、2位に食い込んできそうな相手のゲージを計算してみたりして、なかなか奥が深そうだ。もう1つ。通常のタイムアタックではありえないぐらいのドリフトアングルも対戦において有効だ。特にタイトコーナーでの大げさなドリフトはかなり効果的。

 ちょっと残念なのは、リプレイが見られないこと。せっかくだから……とは思うのだが、仕様上ムリだということもわかっていても、やはり見てみたい。また、インタビューのときにも伺ったが、次は乱入対戦を実現してほしい。1度操作ミスなどでレースから離れてしまうと、プレイ中のレースに再参加することができないからだ。

 とまあ、今後の希望ともいえる話を最後に持ってきてしまったが、この8人で遊ぶ感覚はほかにはないもので、しかも、1人プレイ時と変わらないグラフィック、サウンドが充分楽しめてしまう。久しく忘れていた人と人との駆け引きを手軽に行なえるこの無線LANによるネットワーク対戦、どうにかして1度は試してほしい。最後尾の人間がいきなりトップに躍り出る、しかも何回も順位が入れ替わる展開なんて、CPUとではなかなかありえないのだから。

「ワイヤレスバトル」の流れ。8人(この写真の場合8人目のエントリー完了までの写真だが)のリストが並ぶと壮観だ



■ 画面の大きさがとにかくウリ

 PSPをしばらく遊んでみて思ったのは、やはり、ポリゴンベースのグラフィックが、これだけ縦横無尽に使われた携帯機の凄さだ。大きな画面でそれらを見たとき、「ついにここまできたか」と感慨にふけってしまわざるを得なかったが、この美麗具合や大きさには素直に脱帽する。

 また、それを使ったゲーム以外の付加価値=動画や静止画の閲覧、そしてポータブルサウンドプレーヤーとしての魅力も、素直なサウンドに、やはり価格以上の水準にまとまっていると感じさせてくれるものがある。ただ、これはヘッドフォン使用が前提で、本体スピーカーはちょっとシャカシャカした音になってしまうのが残念。

 ゲーム機としてみてみると、ボタン類の材質など、ちょっとヘビーにゲームをプレイする際にもう少し見直してもらいたいものもあるのだが、これはおいおい登場するであろうマイナーチェンジ版といったものに期待したいところだ。

 あとはやはり、来年以降のソフトラインナップ。これがどれだけ充実してくれるか、非常に楽しみにしている。

(C)2004 Sony ComputerEntertainment Inc. All rights reserved.

□プレイステーション・ドットコムのホームページ

http://www.jp.playstation.com/

□PSPのページ

http://www.jp.playstation.com/psp/

□ソニー・コンピュータエンタテインメントのホームページ

http://www.playstation.jp/

□関連情報

「プレイステーション・ポータブル」記事リンク集

http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/backno/news/psplink.htm

(2005年12月2日)

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