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[WSJ] 無線LANか携帯電話か、機内通信サービス

米国の航空会社は、消費者の反発を受けて、機内携帯サービスではなく機内無線LANサービスを開始しようとしているが、欧州では機内携帯サービスへの動きが進んでいる。

http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0704/05/news026.html

2007年04月05日 10時08分 更新

(ウォール・ストリート・ジャーナル)

 航空機がオフィスとのつながりに空隙を作り出していた日々は終わろうとしている。

 何年もの議論と延期の末、米航空会社は12カ月以内に機内インターネット接続、インスタントメッセージング、ワイヤレス電子メールを提供開始し、客室をWi-Fi「ホットスポット」に変える。これらサービスは夏の終わりごろに発表され、来年初めに開始される見込みだ。

 好むと好まざるとにかかわらず、米航空会社の旅客機では、空中でも携帯電話でのおしゃべりを聞くことになる可能性もまだある――米連邦通信委員会(FCC)が最近、機内での携帯電話禁止を継続する意向を示したにもかかわらずだ。

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FCC、機内の携帯利用解禁への取り組みを打ち切り

航空機内での携帯電話解禁への動きはひとまず打ち切りとなるが、今後再検討される可能性もある。

2007年04月04日 10時48分 更新

 米連邦通信委員会(FCC)は4月3日、航空機内での携帯電話利用に向けた取り組みを打ち切ると発表した。

 同委員会は2004年12月に、航空機内での携帯電話利用を禁じた既存ルールの見直しを提言した。

 しかし、この提言に対して寄せられた意見からは、携帯電話が航空機器に干渉するかどうかに関する技術的な情報が十分に得られなかったという。さらに航空会社、メーカー、携帯キャリアは今もまだ携帯電話やその他電子機器の機内利用について調査している。これらの事実から、FCCは現時点でさらなる意見を募るのは時期尚早と判断し、この取り組みを終了することにした。

 ただしFCCは、適切な技術データが得られたら、後にこの問題を再検討する可能性もあるとしている。



 FCCは既に、機内で携帯電話を使うための無線周波数帯域を競売にかけ、通信会社は航空会社と提携して幾つかのシステムのテストを成功させている。だが確固とした案を立てた企業はない。高いコストと旅客からの反発により、米航空会社は関心を持たなかった。欧州と中東の航空会社とともに年内に機内携帯電話サービスを始める見込みだが、それも変わるかもしれない。

 この技術が安全で人気が高く、採算が取れると証明されれば、競争力を保つ必要に迫られている米航空会社と通信会社はもっと関心を持つかもしれない。機内携帯サービスは、欧州で始まって他地域にも広がったビジネスクラスのフラットベッドシートほどの人気はないかもしれないが、空の旅は模倣のビジネスだ。欧州での動きが米国をも動かしたら、FCCは再び携帯利用禁止を撤回する方向へ向かうかもしれない。

 「機内携帯サービスが始まる可能性はそれでも高い」と機内通信大手AirCellのCEO、ジャック・ブルメンスタイン氏は語る。

 近くの席の客のおしゃべりを聞きたくない出張客にとっては、歓迎できることではないかもしれない。

 もっとも、現行の技術ではキャパシティが限られるため、客室全体で同時に話すことはできないだろう。実際には、約14件以下の通話しか同時に行えない。

 今のところ、米国で好まれている客室向け通信技術はインターネットサービスだ。この種のサービスは来年開始の予定だ。高度3万5000フィートでのブロードバンド接続が、ホテルや空港、学校、カフェの同様のサービスと同じくらい人気を集めれば、航空機にもすぐに比較的安価な技術が装備されるようになるだろう。

 AirCellは昨年、かつて高価な機内サービスで使われていた無線周波数帯を入手し、それをインターネットと携帯電話サービスに割り当てるために、FCCの競売で3130万ドルを支払った。同社のインターネットサービスは既にFCCと米連邦航空局(FAA)の承認を得ている。ブルメンスタイン氏によると、AirCell――プライベートジェット向けの通信を提供している――は80~100の地上アンテナのネットワークを構築し、複数の航空会社と話し合っているところだという。同社の顧客の名前はまだ明かされていない。

 「そんなにすぐにはできない」とForrester Researchの旅行技術アナリスト、ヘンリー・ハルトベルト氏は語る。

 AirCellは、客室内でWi-Fiホットスポットとして機能し、ノートPCやBlackBerryなどのWi-Fiチップ搭載機器に接続する機器を航空機に導入する。航空機1機に100ポンド(45キロ)未満の機器を取り付けるのに、合計で約10万ドルの費用がかかり、取り付け作業は航空会社の整備員が一晩でできるとAirCellは言う。

 このサービスが特に航空会社にとって魅力的なのは、AirCellと売り上げを分け合う点だ。コストは既存のWi-Fiサービスとほぼ同じになる。ブルメンスタイン氏は、旅客に課す料金は1日10ドル程度だろうとしている。顧客に割り引きオプションも提供し、T-Mobile、iPass、 Boingoなどの既存サービスとも提携する。通信速度は地上のWi-Fiサービスと同程度。

 AirCellはSkypeなどのVoIPサービスは遮断する。ただしパイロット、フライトアテンダント、航空警察官は例外で、地上の係員とスケジュールや安全について話すことができる。

 米国ではWi-Fiの方が好まれているが、欧州、中東、アジアでは携帯電話サービスが最優先事項だ。これら地域では、機内の携帯利用への社会的反発が米国ほど強くないようだ。

 Ryanair Holdingsは、航空機メーカーAirbusと航空技術会社SITAの合弁であるOnAirのシステムを、自社の全航空機200機に導入する契約を結んだ。取り付けは今年第3四半期になりそうだとOnAirの広報担当者は語る。ドバイのEmiratesは夏の終わりごろからアジアへの便で、 AeroMobile(IT企業ArincとTelenorの合弁)のサービスを提供開始したい考えだ。Qantas Airwaysは6月までにAeroMobileのシステムのテストを開始する。

 約30カ国の通信当局が、機上に取り付けた機器を利用する携帯電話サービスが地上アンテナのキャパシティの大部分を占有してしまうことはないと考えて、このサービスを承認している。それでもOnAirとAeroMobileはまだ、携帯電話が航空機器に干渉する可能性を調査してきた航空安全当局から承認を得る必要がある。今のところ、承認は予想よりも遅れている。

 両社はいずれも、携帯電話に接続する「ピコセル」受信機を機内に取り付ける。これにより携帯電話を低出力で動作させ、技術的な問題を最小限に抑えることが可能だ。この受信機は衛星回線を介して携帯電話ネットワークに通話を転送する。

 1機で一度に14件以下の通話しかできないし、乗務員は離着陸時にこのシステムをオフにできる。15番目に電話をかけたら、何らかの形で「利用不可」の通知を受けるだろう。

 ピコセル技術は以前から米国でテストが行われてきたが、導入は複雑でコストがかかる。欧州は重点的にGSM携帯技術に移行してきたが、米国ではまだ古い携帯電話が多く、地上で問題を起こす可能性が高い。(機内)携帯サービスに対する人々の反発が強いため、航空会社は契約に消極的だったし、通信会社は人気が出ないかもしれない製品に多額の投資をすることを渋っていた。

 FCCのケビン・J・マーティン委員長は3月22日に、機内での携帯電話利用の解禁を検討するのをやめるよう勧めた。地上アンテナとの干渉の可能性を2年にわたって調査したが、結論が出なかったというのがその理由だ。またこの解禁案には消費者から8000件を超える苦情が寄せられた。

 だが、ほかの地域でこうしたシステムが機能すると証明されれば、機内携帯サービスは米国にも――おそらく2~3年のうちに――移ってくるだろう。 AirCellは、データ通信サービス立ち上げから1~2年で、サービスを携帯電話での音声通話に拡大できるとしている。既にJetBlue Airwaysの衛星テレビ部門LiveTVは、携帯電話に使える比較的制限の多い周波数帯をFCCの競売で700万ドルで落札した。JetBlueはこの周波数帯の利用計画を明かしていない。

 いつか、今よりももっと多くの旅客がノイズキャンセリングヘッドフォンを付けるようになるかもしれない。

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[Scott McCartney,The Wall Street Journal]

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