お父さんもお母さんもこれを読めばOK
連載:5分でネットがわかるシリーズ(11)
http://www.atmarkit.co.jp/fnetwork/rensai/5minwlan/01.html
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2007年春の無線LAN用語ばっちり講座
江原顕雄
2007/4/25
ノートPCだけでなくゲーム機までワイヤレス通信対応となり、家庭に浸透した無線LAN。でも、用語まではちょっと……というみなさま! 5分で無線LAN用語をばっちり解説します
今回は無線LANの規格の変遷とセキュリティに関して説明します。PCをはじめ、ゲーム機、携帯電話など、無線LANを使う機会はどんどん増えています。今回はその無線LANの用語と、規格の種類について勉強してみましょう。
無線LANの世界は知らない単語がいっぱい
ノートパソコンはもちろん、ニンテンドーDSやWii、PS3、W-ZERO3、Skype専用端末など、最近はPC以外でも無線LANの普及が広がっています。「お父さん、僕のニンテンドーDSを無線でつなげて!」とお子さんに頼まれる人も多いでしょう。
図1 無線LANは便利!
もはやネット接続の定番となった無線LANですが、無線LANのアクセスポイントを買ってきて、いざ設定をしようとすると「この用語の意味は?」「無線LANの種類がいろいろあるけどDSはつながるの?」と疑問を抱くでしょう。
まず用語から見てみましょう。無線LANといえば「IEEE 802.11」と「Wi-Fi」という単語が出てきます。確かにこの2つの単語は「無線LAN」を指しますが、何が違うのでしょうか?
「IEEE 802.11」の名前の秘密
「IEEE 802.11」の「IEEE」(アイ・トリプルイー)は、米国電気電子学会(Institute of Electrical and Electronic Engineers)の略です。IEEEはニューヨークに本部があり、電子や電気関連の学会で、標準化技術の策定や学会の開催などを行っています。
IEEEが策定した技術には「IEEE ほにゃらら」、というようにIEEE+数字の形で表されます。有名なものとしては、パソコンと周辺機器を接続する規格「IEEE 1394」(これはソニーのi.LINKやアップルのFireWireの方が通りがいいかもしれませんね)、イーサネットの規格である「IEEE 802.3」、プリンタ用の接続に使われるパラレルポートは「IEEE 1284」など、実は「IEEE ほにゃらら」という規格は身の回りにたくさんあるのです。
そのIEEEによる無線LANの規格、それが「IEEE 802.11」なのです。このIEEE 802.11はいくつかの種類があり、IEEE 802.11の後ろに小文字のアルファベットを付けて区別しているのです。
では、IEEEの後ろにくっついている「802」という数字は何でしょうか? IEEEの中にはいろいろな規格策定委員会があるのですが、LAN関係の規格は「IEEE 802委員会」が担当しており、1から20のグループに分かれています。そしてグループ番号「11」が無線LANを担当しているので、無線LANのことを「IEEE 802.11」というのです。
「Wi-Fi」はどういったものなの?
一方Wi-Fi(ワイファイ)は業界団体が名付けた「ブランド名」です。
無線LANの規格「IEEE 802.11」としてしっかりと決まっていても、メーカーによって規格の解釈が違ったり、チップが違うことで接続ができなくなる可能性があります。つまり「IEEE 802.11a対応」とアピールしているA社とB社の製品でも、実は相互に接続ができない!といった可能性があり、これでは消費者が混乱してしまいます。
そこで、通信・PCメーカーなどが「WECA」(Wireless Ethernet Compatibility Alliance)という業界団体を作り(現在は「Wi-Fi Alliance」という団体名に変更)、メーカーが違う無線LAN製品であっても、相互にきちんと接続できるか?というチェックができる仕組みを作りました。この接続テストに合格したものには、「違うメーカー間でも接続できるよ!ちゃんとした無線LAN製品です!」という印として「Wi-Fi」(Wireless Fidelity)というシールが張られました。
図2 「Wi-Fi」のロゴマークを見掛けたことがある人は多いはず
(Wi-Fi Allianceのサイトより)
IEEE 802.11もWi-Fiも無線LANを指す言葉ですが、本質的な部分では異なるのですね。
それでは、次にIEEE 802.11の種類について、チェックしてみましょう。
無線LANの規格全体を押さえてみよう
無線LANの種類を見てみましょう。IEEE 802.11、11a、11b、11gとどれも似たような名前ですが、いったい何が違うのでしょうか?
まずそれぞれの無線LANの規格が登場した時期と、使用している周波数帯、転送速度などを以下の表にまとめてみました。
名称
製品化時期
周波数
最大伝送速度
変調方式
IEEE 802.11
1997年
2.4GHz帯
2Mbit/s
FHSS/DSSS
IEEE 802.11b
1999年
2.4GHz帯
11Mbit/s
CCK
IEEE 802.11a
2001年
5GHz帯
54Mbit/s
OFDM
IEEE 802.11g
2003年
2.4GHz帯
54Mbit/s
OFDM
IEEE 802.11n
2007年後半
2.4/5GHz帯
100Mbit/s~
MIMO
無線LANの規格がこれだけあるのは、「より速い速度でデータを転送する」という目的が第一にあります。当初は2Mbit/sしかなかった転送速度も、現在は100Mbit/s以上に対応した規格も出現しています。
新しい規格が世に出ても、古い規格をばっさり廃止することはできません。古い規格との互換性を残しつつ新しい規格も使用するので、初心者には分かりにくい状況となっているのです。
現在使われている主な3つの規格
「IEEE 802.11、11a、11b、11g、11n」と5つの規格を表で紹介しましたが、現在日本で多く使われている規格は11a、11b、11gの3つです。
1997年に発売されたIEEE 802.11は、現在の無線LANの道を切り開いた規格です。しかし転送速度が2Mbit/sなので、現在はあまり利用されていませんが、ニンテンドーDS はこの無印のIEEE 802.11で通信を行っています。
1999年ごろに転送速度11Mbit/sの11bを搭載した製品が販売され、2001年ごろには、54Mbit/sに転送速度が上がった11a の商品が販売されます。転送速度の速さもポイントですが、使用している電波の帯域が5GHz帯なのが11aの大きな特徴です。いままでのIEEE 802.11、11b、そして2003年に発売された11gは2.4GHz帯を使っています。帯域が違うと何が変わるのでしょうか。
なんで帯域が違うの?
・ストリーミングや大量のデータ転送に最適な「11a」
いままで2.4GHzを使っていたのに、11aはなぜ5GHz帯を利用したのでしょうか?その理由の1つは電波の特性です。高い帯域を利用すると、電波にたくさんのデータを乗せることができます。さらに5GHz帯はほかの機器があまり使用しておらず、ノイズの影響を受けにくいことも非常に有利です。
しかし、帯域が高いほど電波の直進性が上がり、到達距離が短くなるといった欠点もあります。また、日本の電波法では5GHzを使っての無線LANを屋外で使用することは禁止されているので、注意が必要です。
・広い範囲に届く2.4GHz帯域を使った「11b/11g」
「11a」と「11b/11g」比べると、2.4GHz帯を利用している「11b/11g」の方が電波の届く範囲は広いです。さらに同じ帯域を利用しているので、「11b」と「11g」の相互の通信も可能です(11aは11aとしか通信できません)。11bを利用しているユーザーは、その資産を無駄にすることなく、11gを導入できるのです。欠点としては、2.4GHz帯はBluetoothが使用していたり、電子レンジなどのノイズを受けやすいなどの問題があります。
長所
短所
5GHz帯
(11a)
ノイズの影響を受けにくい
通信距離が短い
日本では屋外での使用禁止
2.4GHz帯
(11b/11g)
通信範囲が広い
過去の資産も利用可能
ノイズの影響を受けやすい
電波にデータを乗せることを「変調」といいますが、11、11a、11b/11gはそれぞれ変調方式が違います。この変調方式も各無線LAN規格を比較するときにとても大きな要素となりますが、詳しい説明については非常に長くなってしまいますので割愛します。
駆け足で紹介しましたが、ポイントなるのは「規格によって転送速度とスピード、使用している帯域や変調方式が違う」というところですね。
新しい無線LAN規格「11n」とは?
2006年後半から2007年にかけて、新しい無線LAN規格が登場し、注目を集めています。その名も「IEEE 802.11 n」。11nは、IEEE内で現在も規格に関して話し合いが続いている状態で、2007年後半に策定予定となっています。
11nの最大の特徴はその接続スピードにあります。現時点では規格が正式に決まっていない状態ではありますが、実行速度は100~600Mbit/sを目指しているようです。
なぜこれほどの速い速度でデータ転送ができるかというと、「MIMO(Multiple Input Multiple Output)」という新技術を使っているからです。MIMOは複数のアンテナを使って、アクセスポイントとクライアント間を通信し、高速化と安定化を実現しているのです。
いままでの無線LANアクセスポイントはアンテナ1本で54Mbit/sの通信をしていましたが、そのアンテナを複数にすることで、大容量の通信を実現しているのです。また使用している周波数は2.4/5GHz帯です。なので、無線LANの製品によっては、1台の機器で11b、11a、11g、と3つの形式に対応した製品が販売されるかもしれません。
図3 MIMOの通信イメージ
アンテナを複数本使うことで大容量の通信が可能に
【参考】
100Mbpsオーバー、MIMO技術を搭載して2006年には登場か
http://www.atmarkit.co.jp/fnetwork/trend/20040819/01.html
正式に決定していないのに製品が販売されている?
まだ規格が確定していない11nですが、すでに無線LANアクセスポイントの製品で「11n対応、MIMOで大容量通信!」と宣伝しているものがあります。これはいったいどういうことなのでしょうか?
実は、11nは2006年3月にドラフト版(draft=草稿)がIEEEで決められており、現在発売されている11n製品のカタログをよく見ると、「draft 11n」と書かれています。ドラフト版と正式版は、ほとんど違いがないといわれていますが、購入する側からすると、ちょっと不思議な感じがしますね。
まだ実用化はされていませんが、有効範囲が50キロメートルといわれている、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)という技術も注目です。無線LANの技術と携帯電話の技術が近づくことで、無線通信の速度やエリアも大きく変化していくでしょう。WiMAXは、現在IEEE 802.16として標準化作業が行われています。
【参考】
総務省が公表するWiMAX規格のチェックどころ
今週にも公開、どうなる!WiMAX規格
http://www.atmarkit.co.jp/fnetwork/tokusyuu/36wimax/01.html
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
今回はかなり駆け足でIEEE 802.11の話を中心に紹介しました。幸いなことに、日本は無線LANの製品も多く、気になった言葉を検索すれば膨大な日本語ページがヒットします。興味がある人は、この記事をスタートにしてどんどん調べてみましょう。
ではでは、良い無線LANライフを!
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2007年春の無線LAN用語ばっちり講座
<1分>無線LANの世界は知らない単語がいっぱい
<2分>「IEEE 802.11」の名前の秘密 | 「Wi-Fi」はどういったものなの?
<3分>無線LANの規格全体を押さえてみよう | 現在使われている主な3つの規格
<4分>なんで帯域が違うの?
<5分>新しい無線LAN規格「11n」とは? | 正式に決定していないのに製品が販売されている?
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第6回 一足早く「Plagger」の便利さを実感してみよう
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第11回 2007年春の無線LAN用語ばっちり講座
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