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個人のAPを共有して世界中でローミング

無線LANルータも無償配布! 「FON」が日本で本格稼働

http://www.atmarkit.co.jp/news/200612/04/fon.html

2006/12/04

 ユーザー自身がアクセスポイントを開放することで全世界レベルで公衆無線LANアクセスのローミングを実現するユニークなサービス「FON」が、いよいよ日本で稼働する。2006年8月に設立された日本法人のフォン・ジャパンは12月10日から対応ルータを1980円で販売する。エキサイトと提携して、BB.excite内のECサイトで販売するほか、九十九電機の全国9店舗およびECサイトで販売する。また、12月5日~9日の5日間はFON対応ルータを無償で提供するキャンペーンも行う。なお他社製ルータでFONに参加するためのファームウェアパッチも存在するが、フォン・ジャパンではサポートしない。

fon02.jpg FON対応ルータはSSIDを2つ持ち外部向けと内部向けに異なるネットワークが構築される

 FONは加入会員が自分の無線LANアクセスポイントを他のユーザーに利用可能な状態でオープンにすることで、相互のアクセスポイントを共有するコミュニティ型のサービス。利用形態によって3種類の会員に分けられる。

 「リーナス(Linus)」と呼ばれる会員は、FONが用意する専用の無線LANアクセスポイントを設置し、他のユーザーに接続を提供する。リーナス会員はアクセスポイントを無料で提供する代わりに、自分も他の会員が用意した世界中のアクセスポイントを無償で利用できる。一方、「ビル(Bill)」と呼ばれる会員は、リーナス会員同様にアクセスポイントを開放するが、自らはアクセスポイントを設置しない第3の会員「エイリアン(Aliens)」と呼ばれるユーザーから課金を徴収。収益の50%をFONとシェアする。エイリアンは1日500円程度の料金で、FONコミュニティが提供する世界中のアクセスポイントを利用できる。

fon03.jpg FON WIRELESS Limited創設者&CEO マーティン・バルサフスキー氏

 FONを立ち上げたスペインベースの企業家、マーティン・バルサフスキー(Martin Varsavsky)氏は、この会員制度について「リーナスは社会主義的で、一種のムーブメント。ビルズは資本主義的で、これはビジネス」と説明する。物事がうまくいくには、その両方が必要だと語る。FONはリーナスユーザーが主体であるほか、アクセスポイントを支えるソフトウェアはオープンソースで APIも公開するなど、コミュニティ的な側面が強い。そうしたコミュニティベースのムーブメントに、お金が流れるプラクティカルなビジネスモデルを組み込んだことで注目を集め、2005年11月の設立以来、グーグルやスカイプ、セコイア・キャピタルなどから投資を集めている。登録ユーザー数も順調に伸び、特に2006年9月から11月までの2週間に8万2000人から16万8000人に倍増するなど急成長中だ。スペインから始まったために、ユーザー数は現在欧州がナンバーワンだが、中国や韓国の伸びが著しいという。

 ただし、日本では当面はビル会員は募集せず、リーナスユーザーを中心に会員増を図ることでカバレッジを広げたい考えだ。2007年内に東京を中心に7万5000台を目指す。実際にサービスが立ち上がった後の会員比率につていは蓋を開けてみるまでわからないとしながらも、ユーザーの90~99%はエイリアン、つまり自らはアクセスポイントを設置せずに利用したいときにだけFONコミュニティのネットワークを利用する会員になるのではないかと言う。

fon01.jpg フォン・ジャパンCEOに就任した藤本潤一氏

 契約者以外の第三者とアクセスポイントを共有するのは一種のただ乗りではないかという批判もある。多くのISPでは契約者以外の第三者にアクセス回線を共有させることを禁じる契約条項が盛り込まれているのも、そのためだ。こうした批判に対しバルサフスキー氏は「2005年11月設立以来、ただの1 度もISPやキャリアともめたことはない」と強調。FONコミュニティは、すでに回線契約をしているユーザーで成り立っているため、「バッファローなど、ほかのフリーの無線LANアクセスポイントと異なる」という。FONはISPとも収益をシェアするため、むしろFONユーザーの増加はISPのメリットだいう。

 人々がFONに加入する理由として、バルサフスキー氏は利便性や経済性以外にも「グローバルなコミュニティの一員になりたい」という思いがあるのではないか見る。よその国や土地から人に対して利便性を提供し、歓迎したいという気持ちだ。

 アクセスポイントを公開せずにリーナス会員として登録する悪意のユーザーに対しては、「恥」の意識を持たせることで不正利用防止に臨む。各アクセスポイントは2時間おきに活動状況がマップされている。リーナス会員であるにもかかわらず非アクティブと表示されれば登録者は恥をかき、こうした意識を不正利用の抑止力にするという。1ヶ月以上非アクティブであればIDを抹消するというが、サービスを成立させる本質にあるのはFONの、人々に対する信頼だという。

 人間の善意をベースに野火のように広がりを続けるFONだが、日本でサービスが立ち上がるかどうか、今後が注目される。

関連リンク

* フォン・ジャパン

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(@IT 西村賢)

情報をお寄せください: tokuho@ml.itmedia.co.jp

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