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FONで無線LANの無法状態を管理したい---フォン・ジャパンの藤本CEO

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20061222/257613/?ST=oss

 自分の無線LANルーターを他のユーザーに開放し,草の根的に公衆無線LANインフラを構築しようというプロジェクト「FON」が日本でも正式に始まった(関連記事1,関連記事2)。FONは既にスペインやドイツ,韓国などで多くのユーザーを獲得しているという。FONの日本法人フォン・ジャパンの藤本潤一CEO(最高責任経営者)に,海外での状況や日本での取り組みについて話を聞いた。(聞き手は武部 健一=ITpro)

    • FONの海外での状況を教えて欲しい。

 現在,利用ユーザーは18万人を超え,144カ国にいる。FONの法人があるのはスペインやドイツ,フランス,韓国,香港など。日本でのサービス開始は遅い方だ。

 12月6日には台湾でもスタートし,急激にユーザーを増やしている。台湾は(無線LANを使う)Skypeユーザーが非常に多いため,リテラシー的にも文化的にもFONがいち早く受け入れられたようだ。今後はインドなど他のアジア地域でもサービスを始める予定だ。

    • 日本での計画は?

 日本では法制度やユーザーの無線LANの使い方,ISP(インターネット接続事業者)の考え方などの調査に少し時間がかかった。そのため,サービスの開始が遅くなった。ただ,12月4日のサービス開始後,既に1万人を超えるユーザー登録があった。これはすべてライナス型ユーザー(自分の無線LANルーターを無償で開放することで,他の無線LANルーターを無償利用できるユーザー)。2006年内には1万2000程度のユーザー登録を見込んでいる。現在は登録ユーザーへ無線LANルーターの「LaFonera」を出荷中だ。

 無線LANルーターは現段階では自社製品だが,FONはルーター・メーカーではないので,ルーターで利益を上げようという考えはない。ただユーザーにとって使いやすく,低価格の製品がなかったため自社でルーターを発売した。現在は家電メーカーさんなどと「無線LAN対応製品の中にFONの機能を入れてもらえないか」という話を始めている。

    • 自身は無線LANルーターを開放せず,FONを有償で利用するエイリアン型サービスを始める予定は?

 日本ではライナス型のユーザー数が2万人を超えた段階でエイリアン型サービスを始める予定だ。時期は2007年の3月か4月になると予想している。実は現在でも1日3ドルを払えばエイリアン型のユーザーとしてFONを使えるが,これはスペインの本社サーバーによるサービスで,国内での公式のものではない。日本での料金は未定だ。

    • インターネット回線を第三者に使わせるのは約款違反に当たるとするISPもあるが。

FONの無線LANルーターを設置するかどうかはユーザーが判断することで,ユーザーご自身で約款に照らし合わせて考えてもらうしかない。しかしおっしゃる通り,多くのISPは(第三者に利用させることを)禁止,または相談してくださいとしているので,今後はISPとの提携や何らかのキャンペーンを実施することが我々の責務だと考えている。例えば,ISPのサービスの一つにFONを入れていただく,といったことだ。

 また,現在はノート・パソコンを開くと,誰が管理しているか分からない無線LANルーター,いわゆる“野良AP(アクセス・ポイント)”に意外とつながってしまう。これは無法状態だと思う。FONはIDとパスワードを発行して,この無法状態を管理したい。FONというサービスで無法状態をきちんとしたサービスとビジネスに変えていきたい。無法状態を管理するという点でも,ISPとは敵対する関係ではないと思う。現在,複数のISPと話をしているが,大半はFONをポジティブにとらえていただいている。

    • 海外でISPとの関係が問題になったことはあるか。

 海外では特に問題になっていない。それどころか海外ではISPとレベニュー・シェアも行っている。エイリアン型ユーザーからの収入の30~50%くらいをISPに渡している。

 (有線回線の)ただ乗りの防止にも配慮している。海外でエイリアン型ユーザーは1日3ドルの料金だが,1週間使えば21ドルにもなる。それならADSLを家に引いたほうがいい。エイリアン型ユーザーの料金を本当に安くしてしまうと(有線回線の)ただ乗りが起こるので,3ドルというある程度高い料金設定にしてある。

    • 有償で自身の無線LANルーターを開放するビル型ユーザーのサービスについてはどうか。

 スペインやドイツ,フランスではビル型ユーザーのサービスも展開している。ただ日本では法制度や文化が海外とは異なるので今のところサービス提供の予定はない。調査中の段階だ。当然のことだが,ユーザーが電気通信事業者として登録する必要があるとか(*),ユーザーにとって何らかのリスクが発生するようなサービスを提供する気は全くない。

(*)有償で無線LANルーターを使った通信サービスをユーザーへ提供する者は,電気通信事業者に該当する可能性がある。その場合,総務省への登録が必要になる。

    • 日本での勝算は?

 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が話題になったことで,ユーザーがユーザーを集めてコミュニティを作るという文化がある程度認知されたと思う。FONにとっては良いタイミングだ。今後はライナス型ユーザーを増やすことに注力し,ユーザーの動きやフィードバックを見て,日本に合った形でFONを進めていきたい。

 [2006/12/22]

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